無題ー5

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空が輝きを取り戻した。海の輝きは途端に失われた。部屋からは黒が消え去り、ほんのりぼやけた青空が私の体にどろりとのしかかってきた。頭は真っ黒に塗りつぶされたノートのような状態になり思考することが困難であった。

家の近くの踏切の音が鳴った。
7時30分の合図だ。
心臓が突然大きく動き出した。
私は作業服に着替え、適当な香水で匂いをごまかして出勤した。