20211101

晴れ。日向は暑いが日陰は爽やか。

おじちゃんの診察に立ち会うため、朝から新幹線で広島へ向かう。いつも通り、待合室はかなり混みあっている。なんとかおじちゃんおばちゃんお母さんと合流し、まあまあ待たされた後、診察室に入れてもらう。

副腎とリンパ節に転移していて、抗がん剤を二週間飲んだ後の血液検査の結果、肝臓は悪くなっていないが、血小板の値が低くなったので一旦投薬を中止する。二週間後にまた様子を見せてください、とのこと。いつもの通りあっさりしてるなあと思いながら部屋を出たが、直後に自分だけ再び招き入れられる。体が勝手に震える。部屋に入ると、先生はこれまでと一変、専門用語を交えて丁寧に説明してくださる。

肺がん発見から一年、放射線治療で肺の影は小さくなったが、やはり完全には取り切れておらず、先月の検査でリンパ節と副腎に影が映った。これはおそらく転移。転移イコールステージIVで、今後は薬物治療一択になる。今回は新しい分子標的薬を使ったが、メジャーな副作用として肺炎があり、そうなったらすぐに投薬中止、その先は手が無い。ステージIVなので一年生きられるかどうか。

これをどう伝えるか。そもそも伝えるべきか。もうすぐまた新幹線に乗るのにどうしよう。悩んだが、結局対面で伝えると決める。お昼は蕎麦を食べようと店を探し、店先で待つ間、おじちゃんと二人になれたので、勇気を出して話してみる。「分かっとったんよ。二、三年前にかかりつけの病院での検査で影が見えたのに、はよ大きな病院に行けと言わんかったんじゃけぇ」と、かかりつけの病院に珍しく恨み言。言いたい気持ちはよく分かる。でも、やけを起こしてほしくない。希望を失ってほしくない。

店を出ておじちゃんの車に戻る途中、おばちゃんとも二人きりになれたので、思い切って話す。おばちゃんもさすがに声が暗くなった。ショックだろう、心配だろう。駅まで送ってもらう道中、やはり伝えないほうがよかったかと悩むが、覆水盆に返らず。

駅前で二人と別れ、2時間ほどホテルのロビーで仕事。予定より少し早い新幹線で戻る。山陽新幹線はトンネルが多く、作業しているとすぐ酔って気持ち悪くなる。作業捗らず。

京都から自宅最寄駅で一旦電車を降り、本日オープンの駅ナカパン屋さんで夕ご飯を調達。長く近所で商っておられたが、お店を閉めて駅ナカに移転された。いつも良くしてくださる店員さんもおられた。繁盛していて何より。

そのまま自宅に戻らず、オーケストラの練習に直行。今日は久々のトレーナー合奏。快調なテンポで振ってくださり、こちらは全く追いつけず。自分達都合のゆったりテンポでの練習を、早く卒業せねば。

出番の直前、奥さんから連絡が入り、おばちゃんから電話があったとのこと。こちらから折り返すと、主治医の説明をもう一度聞かせてほしいとのこと。お昼よりもポジティブに、転移はしかたない、新しい薬が効けば、急には悪くならないと思うから、いつも通りご飯食べさせてあげて、運動させてあげて、と伝える。少しだけ安心してくれたみたい。またおじちゃんにも電話しよう。

長い1日だった。精神的に疲れた。明日も何かいいことありますように。

いいなと思ったら応援しよう!