おじちゃんのその後
最初の診察に立ち会った後、おじちゃんは日を空けながら肺機能検査と生検を兼ねた気管支鏡検査(痛そう・・・)と大腸内視鏡検査を受けた。診察の場では検査自体あまり受けたそうではなかったけれど、きっと周囲の(身勝手な)期待に応えてくれたのだと思う。
三週間後の7月末、ガラガラの新幹線に乗ってもう一度帰省し、検査結果の通知に立ち合わせてもらった。時節柄気は引けつつも、「不要不急ではないから」と自分に言い訳しながら。
結果の通知は今回もあっさりとしたものだった。
・肺機能が同世代の1/3ぐらいしかなく、手術は難しい
・薬もあまり効果が出そうにない
・従ってできるのは放射線治療
・大腸ポリープの治療は肺の治療の後でいい
肺機能が低いというのは全く意外。むしろ強いほうだろうと思っていた。
手術ができないと聞いて、おばちゃんはがっかりしていた。そりゃそうだろう。ただ、おじちゃんはどうなんだろう。それはそれでよかったと思ってないかしら。
その場でおじちゃんから意外な一言が。
「若い頃、アスベストを扱っちょったんですよ。それが関係ありますかねぇ」
そうだったんだ。そう言えばおじちゃん、長年造船工場で働いていた。内装の仕事をしていたと聞いたから、解体もしてたんだろうか。
が、お医者さんはここでもあっさり、「まぁそれは関係ないでしょう」。そういう返しでいいのかなぁとモヤモヤ。
診察後おばちゃんがまた食事に誘ってくれたが、これ以上の濃厚接触は避けておこうと思い、断った。
数日後、放射線科で相談した結果を妹に聞いたら、翌週から呼吸の練習をして、その次の週から二週間、週四日放射線を当てようということになったらしい。通院でよさそう、とも。
「呼吸の練習?」と思って調べてみたら、放射線照射中は、肺をできるだけ動かさないように呼吸しないといけないらしい。なるほど。
おじちゃんに電話すると、「まぁやってみるわ」とのこと。おじちゃんが前向きなら、こちらはそれを応援するのみ。
予定通りなら来週から治療開始。がんばれ、おじちゃん。