沼津eスポーツ秋祭りに運営として参加してみた~よりディープな反省会編~
こんにちわ。memento_dです。
この記事は前回の記事で報告した、沼津eスポーツ秋祭りのパワプロブースを運営するにあたって何を考えてたのか、何がうまく行ったのか、どういう反省点が残ったのかをより深掘りするレポートです。
前回の記事を読んでない方はまずそちらからご覧ください↓
タイトル選定理由
今回担当したのは「eBASEBALLパワフルプロ野球2022」(※1)です。
(※1)前作から「実況パワフルプロ野球」ではなく「eBASEBALLパワフルプロ野球」というタイトルに変わってます)
このタイトルを選択した理由ですが、まず前提として以下のようなネガティブな事情がありました。
・アーケードゲームは諸々の事情から導入が難しそう
・音ゲーはすでに太鼓ブースがあった
・もともとやりたかったゲームができなかった
・筆者はPS4をプレーできる環境がない(≒PS4環境に詳しくない)
大人の事情ってやつです。仕方ないね。
で、そんな中でパワプロを選んだポジティブな理由としては
・タイトルや過去の運営スタンスからeスポーツ向けのタイトルとして公式が推している
・幅広い遊び方がある
・実在のスポーツをテーマにしているので初心者にもとっつきやすい(選手や細かいルールは知らなくても「投げられたボールを打ってスタンドに入れたらホームラン!」ぐらいならほとんどの人に伝わる)
・IOC公式イベントでも使われた・思いついたのがこれしかなかった
最後は置いといたとしても、eスポーツ体験イベントとしては悪くない選択だったんじゃないかなと思います。使用を許可していただいたコナミデジタルエンタテインメント様、誠にありがとうございました。
イベント内容について
今回催した内容はホームランアタック(旧:ホームラン競争)(※2)を使ったスコアランキングイベントです。
(※2)ここも名前変わってる
対戦にしなかった理由
「パワプロでeスポーツイベントなんだから対戦モードのほうがいいんじゃない?」という意見もあると思います。ですが、対戦には以下の懸念点がありました。
・1戦が長い(回転率が悪い)
・対戦モードはPS4の方が適任(Switchでは緻密な操作が難しい)
・Switchも1台しかない
・仮に複数台用意できたとしてもイベント運営が初めてなので少人数で回せる自信がない
・対戦メインのイベントはそれこそもっとふさわしい人たちがいる(元プロの方々(※3)とか)
・強い人vs弱い人でのフォローが大変
・そもそも操作が結構難しい(やることが多い)
(※3)2018年から2020年までの3年間、パワプロを利用したプロリーグが行われていました。現在行われるパワプロ関連の対戦イベントはこのプロリーグに参加した方々主催のものが多いです。
特に下2つは大きな懸念でした。他のブースにはガチな方々も多く来ますが、パワプロ界隈においては無名な筆者が開くイベントに集まるのはおそらく多くがパワプロをほとんどやってないor昔触ったことがある程度の人たち。対戦モードというある意味一番楽だけど一番ハードルが高いモード(※4)をメインに据えるのは気が引けました。
(※4)オリジナル選手を作成する「サクセスモード」においてこの試合が鬼門になりやすかったりしますし、そもそも試合操作をする必要がない「栄冠ナイン」「サクサクセス」なんていうモードもあったりします。また、チーム運営者や一選手になってペナントレースを戦うモードである、「ペナント」「マイライフ」も試合操作を一切せずに進めるような遊び方も存在します。(俗に言う「オーペナ」)
ホームランアタックを選んだ理由
そこで白羽の矢を立てたのがホームランアタックです。このモードには以下のようなメリットがあると考えました。
・使用選手さえ間違えなければ初心者でも簡単にホームランを打てる
・かと言って、高スコアを出すにはそれなりの技術or知識が必要(誰でも必ず高得点が出せるわけではない)
・IOCの公式イベントで採用されたという実績がある(しかも使用機種はSwitch)(※5)
・(おまけ(※6)に突入さえしなければ)回転率がいい
・観衆からの見栄えがいい
(※5)PS4ではなくSwitchを使う理由付けにもなる
(※6)10本連続でホームランを打つと突入するサドンデスモード。突入したら失敗するまでずっと続けられる。
野球の魅力といえばやはり一番わかり易いのはホームランか奪三振だと思うんですが、残念ながらパワプロにおいて奪三振をひたすら奪うモードというのは基本存在しません。(※7)
とするとやはりホームランアタックが一番適任なんじゃないでしょうか。
(※7)対戦モードで投球以外全部オートにすればできなくはないが…そこまでしてやる必要性ある?ちなみに練習モードの投球練習は的あてのようなモードなので打者はいません。
ガチ勢向けへのケア
しかし、ここで1つ懸念が生じます。それは「ガチ勢にとってつまらない」のではないか?というところ。
パワプロの対戦を極める人にとってはホームランアタックで投げる球は基本どれも絶好球です。メンタル勝負になると確かに難しくなるのですが、果たしてメンタル勝負になりえるのか?(≒ガチ勢にとってはいつもとあまり変わらない感じでプレーできてしまうのでは?)という懸念は最後まで払拭されませんでした。(※8)
(※8)結局おまけモードに突入したのは1人だけなので杞憂だったのですが。会場の雰囲気やSwitchの操作感への対応がうまく噛み合ってなかったようです。
そこで考えたのが「知識と技術を総動員させて戦う部門を作ろう!」というものです。(※9)
パワプロのプロリーグを3年間観戦して、「パワプロのガチ勢は思った以上に選手の基本能力や特殊能力について理解している」という知見を得ていたので、それを使って競うことができるんじゃないか?と思い立ったわけです。
(※9)最初はパワプロ2016全国大会の当日ワイルドカード予選みたいな「大谷選手(などの強豪投手)相手にどれだけ打てるか!」みたいなのも考えてましたが、ホームランアタックは投手を任意の人に変えることができないのでやめました。
ということで考えついたのが「低パワーチャレンジ部門」です。ちなみに当初は「本数のボーダーを設け、ボーダーを超えた人の中で最もパワーが低い人が上位」みたいな感じで考えてたのですが、「ボーダーいくつにするの?」「本数の差は付けないの?」などの理由で取りやめ。今の「パワーが低いほどスコアを稼ぎやすいシステム」にしました。(※10)
(※10)実はそもそもゲーム内で用意されているスコアシステムが「球場が広く」「パワーが低く」「飛距離が長い」ほど伸びやすい仕組みなのですが、パワーに関してはあまり傾斜がかかっておらず、結局高パワー選手でゴリ押ししたほうが勝てる仕組みになってます。なので、独自にスコアシステムを用意しました。
計算式はかなり適当だったのですが、
・計算に時間をかけたくないのでそこまで凝ったのにする必要がない
・あえてパワー以外を考慮しない仕組みにして攻略の隙きを作った
ということでいい感じだったんじゃないかなと思います。また、ボーダーの300点という数値も
・パワーF(40以下)なら最初の5本(※11)でパーフェクトを出せば達成できる
・パワーC(70以下)は腕前でカバーすれば到達可能
・パワーB以上(71以上)はクリアできない
といういい塩梅の数値だったなと思ってます。達成者は一人しかいなかったけど。
(※11)最初の5本は絶対にど真ん中に投げてくれるので最低限の能力とタイミングさえ合えばホームランを打てます。このシステムは初心者のプレーにも活かせたので非常に良いシステムでした。
反省点
優秀賞達成者が少なかった
初心者の方はもちろんのこと、ガチ勢の方も達成できたのがわずか1人というのは正直予想外でした。要因はすでに挙げた通りですが、もう少し達成者が現れるように設定しても良かったかな、と思ってます。特に通常部門。
また、初心者の方が達成できるチャンスを設けられなかったのも要検討事項です。今回は公式大会やゲーム中でよく利用されるクラウンスタジアムでのプレーとしましたが、あまりにも広すぎるしフェンスが高いので球場をもっと狭いところにしても良かったかもしれないですね。学校グラウンドとか河川敷とか。
ほかメンバーへの共有が少なかった
これは自分の悪い癖なのですが、脳内である程度展開を思い描けてしまうがゆえに手伝いスタッフや全体統括の方々への文字上での共有が少なかったなと思ってます。
次回はちゃんと台本というかマニュアルを用意するのと、必要な機材をもっと早く整理して全体統括メンバーに依頼を投げないといけないなといった感じですね。
音が小さかった
当日運営していて、ブースに居る人には打撃音とか聞こえていたかな?って感じだったのですが、ブースの外の人にあんまり聞こえてなかったっぽいのは良くなかったなと思ってます。
やっぱり耳につく音が聞こえて「なんだなんだ?気になるから行ってみよう」という気分が湧き出てくるものなので、せめてブース外に打撃音が聞こえる程度には音響の環境を揃えるべきなのかな、と。
飾り付けのセンス
誰かセンス○の本を持ってきておくれ。
総括
初のイベント運営で、どういう問題点が出るか予想し切ることができなかったがゆえにいくつかの問題点が浮き彫りになった点に関しては、関わった方々に申し訳なく思っております。また、同時に次回以降への糧になったかな、と。
根本的なルール等の設定は荒削りながらそこそこ良い設定はできてたかなと思ってるので、これらをベースに改良を施していきたいですね。
もし当日参加された方で「ここはこうしたほうが良かったんじゃないか?」などご意見がございましたらTwitterやnoteのコメントなどでお受けいたします。
今後の運営に活かせるよう、ご協力いただけると幸いです。