不思議な経験

大学生の時のはなし。
駅から駐輪場まで毎日同じ道を歩いてました。
ある夜、20代後半くらいの男性2人組に声をかけられました。
なんとなく怖いので無視しようとしたら、
「ぼくたち、お笑い芸人やっててコントの練習してるんですけど、ひとつ見ていってもらえませんか?」と言われました。
「え、わたしみたいな初心者はお笑いのこと何もわからないので…」と返したら、むしろ初心者の方が都合がよいとのことだっので、コントを見ることになりました。
コント自体はあまり覚えてないのですが、最後にコンビ名を聞いたら、「営業マン」という名前でした。
それから半年くらい同じ場所を通っても営業マンの2人は会いませんでした。

ある日、自転車を漕いでいたら、この前とはちょっと離れた場所で男性2人がなにかの練習をしていました。
もしや、と思って通りすぎるまでの数秒見ていたら、男性らがわたしに気づいて
「おーい!」と手を振ってくれました。
営業マンの2人でした。
わたしは自転車に乗っていたので、頭をペコっとするしかできませんでした。
前回コントを見た時は、夜でお互いの顔もはっきり認識していなかったはずなのに、気づいてくれたことと、お笑いを続けていたことが私はうれしかったです。

毎日通る道なのに、営業マンを見たのは後にも先にもこの2回だけ。家族に話しても、コントを練習してる人は見たことないとのこと。
これまでの人生でいちばん不思議な経験。
2人がお笑いを続けていたらうれしいし、改めてコントを見たいと思います。

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