こじつけ歌詞考察「Monster A Go Go」【平沢進 / P-MODEL 】
大好きな曲を生で聴けた喜びのあまり初投稿。
「HYBRID PHONON 2566」最高でしたね!
仕事の後に配信を観まくってるので連日寝不足です。
東京公演も楽しみ。
※※※以下、ライブネタバレ注意※※※
Monster A Go Go
作詞・作曲:平沢 進 (1987年?)
この名曲、アルバム未収録のため知名度は低いかもしれません。
※「太陽系亜種音」には収録
ライブでもイントロで反応してた人少なかったんですが、ようつべの再生数爆上げみたいで嬉しい。
アルバムに無いのにカラオケにはあるんですよねこの曲。
高校時代ヒラサワを知らない友人とのカラオケで歌いましたが、あの時の彼らの神妙な顔は忘れられません。
だって好きなんだもん…
閑話休題、考察をはじめます。
注意:
・あくまで私個人の考察メモであり、解釈を押しつけるものではありません
・執筆時点で他の考察は一切見ていません(まず自力で考えたい派)
・深読み、こじつけ多し。異論大歓迎。行く先はここ。
・別の解釈やご存じのことがあればお気軽にコメントください
・歌詞掲載に問題があれば内容を差し替えます
総論:
パレードや祭囃子を思わせるオケに、祈りのようなボーカルが響く幻想的な曲。
元を辿れば「祭り」も「祈り」も同じなんですが、現代では本来の意味を忘れてお祭り騒ぎしちゃいがち。
この曲を一言で表すなら、
「いずれ皆滅びるから愛しい」
⇒「いずれ滅びる人類と、この世のすべて」に対する愛と鎮魂の歌と解釈します。
タイトル:Monster A Go Go
中野照夫(現:中野テルヲ)作曲「Monsters A Go Go」は、魑魅魍魎の行進(マーチ、お祭り)=百鬼夜行を思わせるタイトルです。
それに対して本曲は単数形。
Monster=個人、ヒラサワ、孤独な誰か
マーチをゆく一人一人の孤独?
A go-go:
・語源はフランス語
・○○し放題、余りあるほど、活発に、自由奔放になどの意
・ナイトクラブの意味もあるとか[要出典]
・アゴーゴ(Agogo、アゴベル)って楽器はサンバに使われる サンバもお祭り騒ぎの行進
マーチは夜にゃ掻き消える
お祭り騒ぎも夜が来れば終わる。終わりは全てに訪れる。
マーチ=戦争とも平和ともとれます。人類の喧騒。
この冒頭部分、「パレード」のラストで引用されているのは有名。
「パレード」は人類の狂気=戦争の歌ですが、この曲にも「神風」「竜の火柱」と戦争をイメージさせる単語が登場します。
「パレード」での引用は、来たるパレード(戦争)の犠牲者への鎮魂か。
(23.9.17追記:来てしまいましたねパレード…どうすんの…?
嬉しいはずなのに素直に喜びきれません)
盗賊聖者も憩え
盗賊も聖者もマーチの一部。
憩う=安らかに眠る、救われる
→善悪・貴賤に関わらず、どんな人間も平等に滅び、救われる
盗賊聖者はひとつ
上と同じ意味に加えて、 善と悪は表裏一体、人間の抱える矛盾、
縁起の法(盗賊がいることで聖者が存在できる、その逆も同じ)
「砂」とキミの名は変わる 暴れる海辺の夢で / 崩れる海辺の夢で
崩れる砂のお城。
虹は現の幻 / ビルは窓辺の幻
雨が止むと虹が出る→災禍の後の平和
しかし、虹はすぐに消えてしまう
⇒平和=幻
また、虹は竜(2番の詞)と結び付けられる
荒れ狂う竜と美しい虹の対比
⇒自然の猛威と恩恵、この世の残酷さと美しさ
ビル=物質文明の象徴
雪崩も過ぎてみれば 見晴かす遥か春の辺
厳しい冬が過ぎれば春が来る
生と死、破壊と再生(創造)のサイクル
肥やしたまえ 夜 花吹雪
2番の歌詞も同じく。
(自分も含め)散りゆく無数の命が新たな命の糧となってほしい。
「雪崩」と「(花)吹雪」で対比と縁語を両立しているのが素敵です。
神風
本曲のもっとも印象的な単語。
本来の意味は、(人間への罰として)神が起こす嵐 。
鎌倉時代、元の侵攻から日本を守った嵐は神風と呼ばれた。
⇒自然、災害、神の意志(神罰と恩寵)、人にはどうにもできないもの=運命
転じて太平洋戦争の特攻隊の名称に。
(そして特攻機の名前に「桜花」があります)
⇒人の行い、戦争、自己犠牲(いけにえ)、運命に対する決死の抵抗
神風は帰ってこれない→泣き焦がれるほどの感情
焦がれ泣き歌う / 謂われなく狂う
神風(は)、(恋)焦がれ泣き歌う、謂われなく狂う
焦がれ泣き歌う神風=炎と轟音とともに墜ちていく戦闘機
この曲全体が、特攻隊員(=これから死にゆく誰か、死を身近に感じている人間の象徴)が世界を見つめる心境とも解釈できます。
「焦がれ泣き歌う(理由があって行動する、行為に理由を求める)」人間と、
「謂われなく狂う(理由もなく命を生み、殺す)」自然という対比か。
「泣き」と漢字表記なので「焦がれ無き(鳴き)」の意味はなさそうですが、「恋焦がれ、泣き歌う人」に対して、「自然(神、運命)は何も感じずただ歌う」ともとれるかも[こじつけ]
または、人の儚さに恋焦がれる神(風)。
空に竜の火柱
空から落ちてくる戦火。
竜は水害の象徴でもあるので、
火と水、人為(戦争)と自然(水害)で災厄全般を表しているのかも。
「庭」とボクの名は変わる 渦巻くマグマの胸で
マグマ→母なる大地→母の胸に抱かれる
前半部分がやや引っかかる。
キミは「砂」に変わるので、同じく土に還るということ?
戦争に負けた国が敵の領地になること?
「庭」って単語よく出てくるよな…
それを書くにはまだ考察が足りないようだ。
他の曲も考察したいのでそのうち追記するかも。
愛しや 時に皆
いつも愛しいわけじゃない
でもいずれ滅びると思うと、何もかも愛しくなってきます。
そして「今も」。
おまけ:ライブVer.歌詞
配信を何度も聴いて大阪公演×2をリスニング…
できませんでした。
歌詞掲載ってグレーゾーンですが、歯抜けだし公式で発表してないし…
何か言われたらどうにかします。
※1日目と2日目で違う詞に聴こえた箇所は1日目/2日目と表記します。
※東京公演の後に更新するかも
※「こう聴こえる」等あったらコメント頂けると嬉しいです
おまけのおまけ:ライブVer.歌詞考察
リスニングもあやふやながら、2566 Ver.の歌詞を勝手に考察してみます。
雨は〇〇〇の幻
誰か聴き取ってください…
「虹」が「雨」になりました。
今は雨の時代ということか。
作曲当時から36年経って豪雨も増えましたね。
雨は天から降る→ミサイルや爆弾のメタファーかも
逆に恵みの雨ともとれる。
雨も虹もすべて幻。
スクリーンに映る雲が綺麗です。
(神風が見る風景?そしてラストのあの曲では晴れた空に)
声 追い行け
レイーレレイレーに歌詞が付きました。
「聞こえる歌」、「止まない声」のことと思われます。
声=神風の歌?
神風は「今も」歌っている。
声を追う→音速に近づく→神風?
神風が追っているのか、神風を追うのか
止まない声に悟れば→運命を?
「止まない」は「雨」にもかかっている
追い行け→タイトル&コーラスの「GO GO」にかけているのかも
慈悲をして狂う
慈悲の神風。
謂われなく狂わない神風?
おわりに:
今回の考察はここまで。
ヒラサワの中では解釈しやすいほうの曲ですが、テンション上がってつい書いてしまいました。
今この曲をアレンジした背景には昨今の世界情勢があるのでしょうか。
衣装もどことなく大日〇帝国軍っぽいような…
しかも何故か赤ギターでしたね
これは新譜に収録されるフラグですか?
あと今回のアレンジ、間奏がものすごく好きです。
ともかく、この曲をライブで聴けて本当に良かったです。
閲覧ありがとうございました。