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感想:君が君が


「君が君が」 song by 初音ミク

(画像はこちらの動画からお借りしました)


初音ミクdarkの声色で静かなバラードのような印象があるが、後ろの音は思いの外大きめだ。

最初こそ美しい旋律のピアノ、抑えたライドシンバルとクローズリムの刻みで始まるが、ところどころでなかなかに激しめなドラムが差し込まれる(これを激しいと感じるかは個人差がありそうだが)。

きっと曲の中での盛り上がりとオケの盛り上がりがぴたりと一致しているために、その激しさが全く障害にならない作りになっているのだろう。ギターの歪みが少なく、相対的にピアノの音が強調されているというのもあるかもしれない。


また、個人的には1サビ後の間奏が好きだ。もともと間奏が少ないことと、後述するアウトロがあまりに印象的なために若干影が薄いように感じるが、この繋ぎ感の強い接続詞的な間奏に惹かれる。

私は魅力的な曲にはメリハリが大切な要素だと思っているが、それで言えばこの間奏は減り(めり)の方で、後半の張り(はり)のための重要な部分だと考えている。



さて。この曲で一番のポイントは、やはり最後のこの部分だろう。

『君が 君が 幸せなら』

私は最初に聴いた時、ラスサビを聴いていて「普通に良い曲だな」という程度の感想しか持たなかったのだが、それを覆されたのがここだ。

ラスサビまでは変わることなく進行していくのだが、そこから突然新しい歌メロが飛び込んでくる。これが歌の終わりとしてこれ以上なく相応しい、素晴らしいメロディなのだ。

そしてその勢いをアウトロのピアノがさらに倍増させる。メインメロディを奏でているわけではなくただの伴奏なのだが、ここを聴いた時は肌が粟立つような衝撃があった。


実はここのピアノ、曲中に何度か登場しているのだが、気付いただろうか。私は何度か意識して聴くことで初めて気付いたのだが、このアウトロは既存のものを使っているに過ぎないのだ。

歌というメインメロディの消失、少ない間奏、音量バランスの変化、直前での新たな歌メロの挿入がこのアウトロを何倍にも輝かせている。曲の流れの全てがここに凝縮されると言ってもいい。このピアノを引き立てるために他の音が存在していたようにすら思える。



(ラスサビの歌詞部分が終わった直後の画面)


ラストでのPVの黒背景のクレジットも相まって、映画のエンドロールを見ているような気分にさせられる。

素晴らしい終わり方で締めくくられた映画を見て、また始めから見直したいような、しばらくは見ずに余韻に浸りたいような、そんな相反する気持ちが生まれる。

あなたはどちらだろうか?私は前者と後者両方だ(凄まじい横紙破り)。



#vocanote #感想 #VOCALOID

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