からくりピエロ

【こんな曲が好き!】曲後半の展開について ~前編~


みなさんは好きな曲の共通点について考えたことがありますか?


たとえば、ロックな曲は好きなことが多いとか。

たとえば、歌詞に共感できる曲が好きだとか。


そういったものです。もちろん私にもありますよ。今回はそれを紹介していきたいと思います。

私が特に好きだと感じる要素、それは・・・


後半で変化をつけてくる曲』です。


・・・これだけではなんのこっちゃって感じですね。

いくつか曲を挙げて説明していきたいと思います。これを読めばみんなも私の好みがわかるはず!(?)





【初音ミク(40㍍)】 からくりピエロ 【オリジナルPV】

(ヘッダー画像はこちらのスクリーンショットになります)


みなさんご存知、不朽の名作です。私も大好きな曲ですので、序盤からその魅力を熱弁していきたいところなんですが!今回は後半の展開の話です、グッと我慢。

さて、2番Aメロから間奏へ移行し、Cメロに入りました。ここまではよし、ではラスサビにいきます。

ラスサビで意識して聴いてほしいのは歌のメロディです。1番のサビと比較してみてください。ラスサビでは1サビの倍の長さあることがわかりますよね。

「えっ、これだけ?」と思われたかもしれません。いえいえ、これが重要なのです。

曲を聴いていくなかで「あ、もうサビ終わりなの?」と思ったことはありませんか?一般的に一番盛り上げるべきであるラスサビがさっと終わってしまう、それを防いでくれるのがこの倍の長さなのです。1つ多くフレーズを繰り返すことで、畳みかけるような印象も付加することができます。

とても単純に考えれば、「サビの盛り上がりがもう一回くるから、2倍盛り上がる!」といった感じですね。

じゃあ4回やれば4倍かと言われると、長すぎて退屈に感じてしまうのでそう簡単な話でもないんですが、とりあえずそんなイメージです!


また、最後の『君が思うままに操ってよ』の『操ってよ』、これもとても重要です。

1サビではこんなメロディはありませんでしたよね?このように後半にきて既存のメロディを少し変化させたり、新しいメロディを追加するのが盛り上がりにとても貢献しているのです。

1サビでは落ち着いた音程で終わりますが、ラスサビで音程を上げて終わると、なんだか盛り上がった感じがしませんか?


こういった手法が使われる曲は多いと思います。他にも曲を聴いてみましょう!




初音ミクオリジナル曲 「Scene」


今度はもっと細かくアレンジが入ってくる曲です。とりあえず1番まで聴いてみましょう。ふんふん、良い曲だなー!サビが終わったらイントロに戻ってきて、2番に突入します。

この曲では2番Aメロからもうメロディの展開が始まります。『君を包む風景を知ったよ』の『君を』。1番Aメロの『君の』と聴き比べてみてください。「み」の音程が変わっていませんか?とても細かいところですが、こういう小さなアレンジに気付くとニヤリとさせられてしまいます。それでは2サビに入ります。


2サビ、冒頭の『夢だったと』の部分。ここも1サビとは違っていますね。これは2番のこの部分が1番より歌詞の文字数が多いための違いだと思うのですが、それを巧みにアレンジへと昇華しています。

そしてその後、『強く願うのはもうやめよう』。ここでは大胆に展開されていますね。一番音程の上がる部分を1番より少し後ろにずらしています。

さらにサビ最後、『ここに君と居た風景を知る』の『風景を』。1サビではこのメロディが下がって始まるのに対して、こちらではそのままの音程で入ります。細かいアレンジがとても多いですが、この一つひとつに「歌っている」という印象が強く意識させられていいですよね。


ではギターソロに入ってイントロのフレーズ、そして落ちサビ(落ちサビとはラスサビ前の静かなサビのことです)。

落ちサビの『ここで消えれば』、1サビの歌詞と同じですが「れ」が上がりきらない音程になっています。ラスサビ前にふさわしく落ち着いた感じがしますね。そして『ここで立ち止まりたくない』、ここはラスサビへの接続を滑らかにするために若干新しいメロディとなっていますね。このアレンジで次はラスサビだ!と身構えて入ることができます。


そしてついにラスサビ。『信じてきたものが夢だったと 今は思いたくないんだ』、ここは2番と全く同じですね。2番での展開がここで活きてきます。『君と居る未来を』も2番と同じです。

そして最後、『今』とこれまでのサビと同じメロディを歌ったその後。『思うよ』とこれまでになかったフレーズを2回繰り返します。このフレーズが入ることで曲の盛り上がりとしての最高点、そしてアウトロでの余韻が残ります。からくりピエロで言った『操ってよ』の部分とほぼ同じ役割ですね。これがあるからこそ曲が映える!


ちなみにこのジミーサムP、「後半の爆発力に定評のあるジミー」という評価の通り後半からの圧巻の展開が大きな魅力の方です。展開を語る上で必修科目です。




【初音ミク】LOVE PLANET【オリジナル曲】


続きましてはこの曲です。エモいロック!この曲でのポイントは2番のBメロ、ラスサビ、そしてアウトロですね。順を追って見ていきましょう。

まず2番Bメロ。1番との違いがわかりますか?そう、2番は少し短いんですよね。正確に言えば最後の方のメロディが切り取られている。1番の『願いかけた星は何処にいる』の『何処にいる』が2番ではなくなり、そのままサビに入っています。

1番であった余韻を切ることで意外性と勢いが増幅します。コメントでもこの部分にやられたという言葉があります、聴く人によってはそれほど重要な意味を持つ展開なのです。


では次にラスサビ。落ちサビを受けて、転調して入ります。転調は有名な技術ですしとてもよく使われるので、一般に「転調すると盛り上がる」というのは共感していただけますよね?

そしてメロディが1番、2番の倍ありますね。「からくりピエロ」と同じです。これ進研ゼミで出たやつだ!またそれだけでなく、この曲ではリズムも変わっていますね、ドラムがゆっくりになっているのがわかります。リズムに変化をつけるとラスサビ2周目だという印象がより強まり、先程述べた畳み掛けの印象も強くなります。

そこからまたリズムが戻り、最後の『歩き出そう』です。ここも1番2番とは違って音程を上げていますね。こちらの方が盛り上がりの最高点が上がっていて良い。うむ、よいぞ!


そして最後にアウトロなんですが、普通はアウトロってイントロと同じものをやって締めるといった曲が多いと思うのですが、これはそうではありません。なんか聴いたことないギターのメロディしてる!

アウトロで新たなメロディになるというのも、盛り上がりにおいては重要な要素です。たかがアウトロとバカにしてはいけません。これによって最後の音程の上がったサビでボルテージが終わりを迎えることなく、最後までそれを持続したまま曲を終えることができるのです。すごい!


このように、歌のメロディだけでなくアウトロやコード進行などが変わることでも曲の盛り上がりを助けてくれるんです。奥が深いですね!私も一例を挙げただけでまだまだ盛り上がりを演出する要素は他にもあると思いますが、私が普段意識して聴くのはこういうところです。



————————


・・・さて、これで一通りの説明は終えたわけですが、歌メロについて「あれ?まだこれについての説明がされてないぞ!」と思った方はいますか?あなたはよく曲を聴いています!そう、まだ説明をしていないところがあるのです。

2曲目のSceneラスサビ、『今』と『思うよ』の間にある『あーあー』という歌。そして3曲目のLOVE PLANETにおける1サビ、ラスサビ最後の『歩き出そう』の後の『あぁー』と『いえーー』です。

これはなんぞや?

それについては、後半で説明していきたいと思います!今回はここまで!


後半へぇ~続く(まる子風に)




※今回は私が気付いている点を述べているので、説明できていない点もあるかもしれませんが、ご了承ください。もし足りない点などありましたらコメントなどでご指摘お願いします。



追記:後編書いたよ!見てね!





#vocanote #VOCALOID

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?