【ボカロ中心に解説】補足解説:PPPHについて
このnoteの続き・・・というか補足説明です!
前回の記事をまだ読んでない方は、まずそちらから読んでいただいた方がわかりやすいかと思います。
前回は半テンという技法についてお話ししました。
そしてその中で、例のひとつとしてPPPHというものにも触れましたね。
文字数の問題、というか話の軸がぶれてしまうという理由からPPPHの説明はさらっと済ませて、都合の部分だけ抽出していました。ですので、PPPHについてあと一点だけ触れた方がいいなという部分をこれから話していこうと思います。
ではもう一度おさらいしましょう。解説のニコ百さ~ん!?
再びご登壇いただきました。
前の記事で引用したのは冒頭ですが、読み進めていくとこんな文章があります。
BメロにPPPHのリズムを入れてサビ前の“溜め”とする楽曲構成は、和製アイドルポップスの定番中の定番であり、ニコニコ動画でのヒット曲にもよく見られる。たとえば「みくみくにしてあげる♪」であれば「あのね早くパソコンに入れてよ」の部分、
ふむ。みくみくにしてあげる♪ですか。
では実際に聴いてみましょう。
PPPH部分は0:24~になります。
これがドラムを抽出したものです。(いつもの)
・・・なんだか、違和感ありませんか?なんというか、ドラムが変。
もしそう思う方がいたら、それはスネアドラムのせいです。この部分でいうと、後半でパパッパンパパン!!と鳴っているやつ。
まあ回りくどい言い方をしてしまいましたが、結論から言うとこのリズムは半テンではありません。PPPHは必ずしも半テンだとは限らないのです。
では、PPPHかどうかは何を基準に判断したらいいんでしょうか。ヒントはニコ百に書いてあります。
アイドルポップスにありがちな、4/4拍子楽曲のBメロにおける「タン、タタン」というリズムに合わせてクラップ(手拍子)を入れ、4拍オモテのタイミングで奇声を上げながら拳を突き上げて垂直に飛びあがる。
タンタタンは1拍オモテ、2拍8分ウラ、3拍オモテに入るパターンが一応基本だが、
わっかりにくいぜ!!
ですのでこちらも抽出しました。上の説明をドラムとして起こすとこうなります。
『奇声を上げながら拳を突き上げて垂直に飛びあがる』の部分は、これのスネアドラムと同じタイミングで行います。
前回の記事でPPPHの一例として貼った「ポニーテールとシュシュ」をもう一度聴いてみましょう。
おそらく私が抽出したドラムとほぼ同じようなリズムになっていると思います。これがPPPHの一番基本となるパターンです。
では、問題となるPPPHだけど半テンじゃないパターンを挙げてみます。
PPPHはBメロ、0:47~のところです。
このBメロ、スネアの数やタイミングは変わっていませんので半テンではありません。しかしPPPHのリズムになっています。
ドラムを抽出してみました。
いかがでしょうか、これを聴くと「やっぱりPPPHじゃなくない?」と思う方がいるかもしれません。
では、こうしたらどうでしょうか。
1つ目と3つ目のスネアドラムを抜いてみました。あとわかりやすいように2つ目のスネアの連打もなくしていますが、他は何一つ変更していません。
こちらのドラム、上でPPPHの説明のときに抽出したドラムとほとんど同じビートです。つまり王道のPPPHをしています。
これはどういうことなんだ!?
もう一度原点に立ち返りましょう。
PPPHとは、ヲタ芸のことですよね?そしてそのヲタ芸ができるような曲のパートもまたPPPHと呼ばれています。
つまり先に来ているのはヲタ芸です。PPPHのヲタ芸ができるならそのパートはPPPHということになります。
アノニマスファンフアレのBメロでは、”「タン、タタン」というリズム”や”4拍オモテのタイミング”にドラムの音があるため、PPPHのできるパート、つまりPPPHだと考えられるのです。
「このパートは半テンをしていないのに、なぜかゆっくりしてるように感じる!」と感じた方がいたなら、その感覚は正しいです。その理由は、半テンではないけどPPPHではあるから!
では、最後に次回予告を。
この曲のサビ前半ですが、こちらも急にゆったりしたテンポに感じるかと思います。
ここまでお読みいただけた方ならもうおわかりですね?理由はPPPHだから。先ほどのアノニマスファンフアレと全く同じパートですね。
ですが、この部分がゆっくりしているように感じる理由は、実はもうひとつあるんです。
そのもうひとつの理由とは………!?
それは次回での話で!
(次回予告しちゃったから、書かなきゃなあ……。)
#vocanote #VOCALOID
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