感想:さよなら伝言ラブゲーム
今回はニコニコ動画に投稿されてない曲の話をしたいと思う。ねこぼーろさんの「さよなら伝言ラブゲーム」だ。こちらの曲が収録されたアルバム「Dot.」は今や購入手段がないらしいので、TSUTAYAの同人CDレンタルでのみ聴くことができるようだ(間違っていればご指摘お願いします)。
こちらがアルバムのクロスフェード動画になる(記事冒頭の画像もこちらから使わせていただきました)。
【ねこぼーろ/ボーマス27(あ03,04)】Dot.【クロスフェード】
おそらく同氏の「樂壇」が好きな人はこちらも気にいるのではないかと思う。終始ギターの残響音が響く、どこか退廃的な印象を受ける曲だ。
曲のテンションがあまり変わらないので、ドラムのリズムを頼りに進行していくことになる。基本的に起伏はあまりなく、淡々と歌詞を紡いでいくのだが、こういう曖昧な言葉ほど私にはよく刺さるのだ。
いや、本当は明確に意味があって、メッセージ性を含んでいるのかもしれない。でも私は歌詞の解釈というものがどうしようもなく苦手なので、この曲の歌詞を総括するなら「なんとなく切ない曲」と言うことしかできない。
しかしそれを悔しく思うかというと、実はそれほど思っていない。この曲は意味をよく把握できないからこそ好きになったように感じる。見通すことのできない歌詞だからこそ、そのひとつひとつの言葉にふと注目してしまうのだ。だから私は歌詞の意味はよくわからないけどどことなく切ない曲と感じるものがよくあるし、そういったものを好きになることも多い。この作品もその1つだ。
さよならって言葉が こんなにもつらいのは
少しだけ 少しだけ 居場所がほしいだけ
でもどうやら ぼくらは もうすぐはなればなれになるよ
そのときまで。
これはサビの部分の歌詞だ。もちろん歌詞全体を通して読まなければなんとも言えないだろうが、私は全文を見てもやはり「どことなく切ない」という印象しか抱くことができない。
しかし、「どことなく切ない」だけだからこそ、何かひとつのものに縛られることがない。歌詞のテーマという輪郭が曖昧になり、どこまでも無限に感情が膨らんでいくような感覚さえある。このように意味をはっきりと提示しない、どことなく寂しい気持ちをつらつらと綴った曲があってもいいのではないだろうか。私はそう思う。
『君は きっとどうか どうか 幸せになれ』
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