イントロのエレキ

マイリスコンピ《イントロのエレキ》:あとがき


先日、生まれて初めてマイリスコンピを公開させていただきました!

テーマは「イントロのエレキ」!


マイリスコンピって何?という方はこちらをご一読ください↓

http://d.hatena.ne.jp/mushair/20120308


マイリストにはマイリストコメントなる機能がありまして、それぞれひとこと紹介させていただいたのですが、

実はこの「イントロのエレキ」コンピ、裏のテーマがございまして。


・・・と、ちょっと壮大なことを言ってみたかっただけなのですが!w
でも、狙いはあります。
それは「ギターのバッキングの魅力を伝えたい」ということです!

これを話すにはちょっと長めの説明が必要になると思うのですが、どうか聞いてあげてください。

そもそもバッキングとは?バッキングというのは平たく言えば伴奏のことです。
曲の中には歌とかギターソロなど、”主旋律”と呼ばれるものがありますよね?一番よく聴こえるメロディという認識で大丈夫です。
それの後ろで演奏されているものが伴奏、つまりはバッキングです!

そして、一般にギターというと、リードギターバックギターという2種類の概念があります。
まずリードギター。こちらはさきほど言った主旋律、こちらを主に奏でる方のギターでございます。要はよく聴こえる方のギター。
次にバックギター。こちらはそうでない、バッキングの方を主に奏でる方のギターです。要はあんま聴こえない方のギター。

であれば?つまり、今回はあんま聴こえない方のギターのバッキングの魅力を伝えたい!と思い、このマイリストを作らせていただきました!


ちょっと前置き長くなっちゃいましたね!あとがきのまえがきが!(謎の太字)
肝心のこの後何書くの?ってことなんですけど、今言ったギターのバッキングを踏まえたコメントを補足として書かせてもらおうかと思います!マイリストコメントは制限字数少なくてあんまり書けないしね!

では1曲ずついきましょう!


【flower】「曖昧劣情Lover」【オリジナル】

この曲は以前公開させていただいた100選に入れた曲ですね!
シンコペーション、つまり裏拍でノるリズムが非常の多いので、ギターのバッキングもまた裏を多用したストロークになっております。「ジャージャッジャージャッ」というギターの音がけっこう聴こえませんか?
こちらはギター主体のリズムのため個人的にドラムの旨味はそこまでないのですが、ギター弾く人はすごい楽しいだろうなあ~って思います!


バッド・ダンス・ホール(ver.鏡音リン)/カラスヤサボウ

マイリスコメントで紹介したように、イントロの16分カッティングが非常に特徴的ですね。先ほどの曖昧劣情Loverに続き、ギターのリズムが先行し、それに沿うようなリズム隊といった印象があります。2番以降の『結んで開いて』の部分や落ちサビなど例外はありますが、曲の半分以上がカッティングで構成されていると言ってもいいでしょう。カッティングっていうのはあれです、チャカチャカしてるやつです。(雑
伴奏といえど、時に曲全体の根幹をなすほどのものになり得るという良い例ですね!


【初音ミク(ぐにょ)】ส้้้้้้้้้้้้้้【オリジナル】

このタイトル、なんて読むのか知ってますか?私は知りません!このnoteを書くためにピックアップする曲をメモする時は、「ぐにょさんの読めないやつ」とメモしてましたww
この曲に関しては言いたいことはマイリスコメントで大体言ってますね!とにかく冒頭のジャジャジャッジャジャジャッというギターに聴き入っていただきたいです。
全体的に見ると電子音色の強い曲調だからといってその魅力は電子音だけじゃないよ、固定概念に囚われずいろんな音を聴いてほしいな、というメッセージを込めての選出でした。
ちなみにこちら、サビが架空言語の歌詞になっているのですが、ラスサビで『もう行かないでよ』と言っているように聞こえるんですよね。それがなんだか、「宇宙人と会話してるけど何言ってるかわからない、けど断片的に繋がることができる」みたいな感じがするんですよ。そういう部分はここ以外の歌詞にもありますので、ぜひ探してみてください!


Good School Girl/miki

補足らしい説明をしますと、マイリスコメントで言及したアルペジオというのはコード、つまり和音をバラバラにして一音ずつ弾くことを言うのです。
・・・と、今アルペジオで意味を検索しながら書いてるのですが、「低い方or高い方から順番に」弾くことをアルペジオって言うんですね。そう言われるとこれが本当にアルペジオなのか自信がなくなってきますね・・・(音感のNASA)。もしアルペジオじゃねえよ!ってことがあれば教えてくださいお願いします。
また、コメントでは取り上げませんでしたが、Aメロブリッジミュートがとても良いです。2番は1番より静かになるのでよく聴き取れますね。基本的にブリッジミュートが好きなのでブリッジミュートが目立つ形で出てくると反応してしまいます!


【初音ミク】embrace【オリジナル曲】

連続ブリッジミュート。
先述したようにブリッジミュートが好きな私なので、この曲のようにサビ以外の多くのパートがブリッジミュート、という構成の曲を聴くとドキドキしてしまいます(例:ウタトミライ)。
こういった曲でぜひ私のようにブリッジミュートフェチ(?)に目覚めていただければ!

余談ですが、4つ打ちのバラードってけっこう珍しいですよね。さらに4つ打ちという表拍主体のリズムでありながら裏を取るシンコペーションも多用されており、バラードとしてはなかなかアグレッシブな曲だと思います。
まあそれはそれとして、4つ打ちの高速ボカロ曲が多いなかでこういうゆったりした裏拍を聴けるのはいいですね。好きです。


【初音ミク】僕たちの罪と罰【オリジナル】

なんならこの曲を聴いてもらうためにこのマイリスト作った節すらあります。もうどこのギターも全部好きなのでここ!と言えないのがもどかしいのですが、とにかくギターに意識を傾けて最後まで聴いてほしいです。マイリスコメントではCメロのアルペジオとその後の半テンストロークをあげましたが、Aメロのジャーンとゆったり弾くところもジャジャッ、ジャージャジャッというところも、サビ前のフレットノイズ混じりのストロークも、サビの何の変哲もないコード弾きすらも愛おしいのです。
バッキングの素晴らしさを伝えるのにこれ以上の曲はないと思っての選出です。もしこのギターの魅力がわからなくても、せめて私がこの曲を本当に好きなことだけは伝わってほしいです。


初音ミク オリジナルMV「ペルデン都市は消えるように」

こちらもマイリスコメントで大体言いたいことが言われていますね。冒頭の「ジャジャッ、ジャジャッ」というギターリフとそれを基点にした曲の組み立て、2番Bメロでのブラッシングを使ったバッキング。あえて言うなら、ジャジャッ、ジャジャッというギターリフの対のように多用されているアルペジオでしょうか。
こうして書くと、ギターだけ見た時の構成要素はあまり多くないですよね。冒頭でのインパクトと、それを可能な限り印象的なフレーズとしてリスナーの耳に焼き付けようとする組み立てが秀逸であるがゆえのシンプルさなんだと思います。
ちなみにブラッシングについてですが、ブラッシングというのは音が反響せず、音程感のない音を出す弾き方です。これを擬音で表そうとすると、カッティングと同じくチャカチャカとなってしまうのですが、こちらは明確に音を抑えたような感じになっています。


【初音ミク】 夜明けと蛍 【オリジナル】

ご存知ナブナさんの伝説入り曲。

これもあんまししゃべることない!w私のマイリスコメントが的確で優秀!(自画自賛)
マイリスコメントで表ノリ裏ノリの説明をしましたが、表とは1,3拍目、裏とは2,4拍目のことを言います(ちなみに表拍はオンビート、裏拍はオフビートとも呼ばれます)。そこを意識して聴いてみると、裏にアクセントを置いた部分は、落ちサビ前のシンコペーション(3:53あたりです)のただ1つだけだと思います。
何が言いたいのかというと。基本的には表ノリが重視されるロック、ポップジャンルとはいえ、アクセントとして裏打ちを要所で入れられるのが常の中で、ここまでオフビートを削った構成の曲はなかなか見られない!この曲はすごい!ということです!


クレードル / 初音ミク

カッティング枠その2。バッド・ダンス・ホールと同じくバッキングの半分以上をカッティングが占めているため、またしてもあまり語ることがないですね!wカッティングの説明はくっそ雑な説明で既にされていますし。
ただ、バッド・ダンス・ホールはカッティングを下地にして複雑なリズムを生み出しているのに対して、こちらはあくまで全体のリズムの上にカッティングが乗っているだけという違いがあります。そしてオケは至ってシンプル。前者は緻密な曲が好きな人向け、後者はストレートな曲が好きな人向けといったところでしょうか(個人の見解です)。
サビ1パート目のドンドンターン!というドラムのキメが好きです。


【初音ミク】faint【オリジナル】

選出しておいてなんですが、この冒頭のフレーズをどう弾いているのか私には全くわかりませんwしかしこの曲、あまりにもギターがかっこいいのでどうしても入れたいと私の中の本能が言うので!!やむなくの選出となります!!(失礼
とりあえずこの冒頭だけでなく静かな部分で入るフレーズはリードギターのメロディだと思うのですが、肝心のバックギターの方はというと、間奏でのみ登場となります。そしてバックギターが登場してからが本番。この曲のような「AメロBメロでは静かめだけどサビで一気に盛り上がる」という演出はよくあると思いますが、これはバックギターのプレイングで盛り上げるというケースがけっこう多いと思います。バックギター侮りがたし。
この曲はその演出のためというのもあってか、バックギターの音の厚みがものすごいです。1番の後の間奏なんかはリードギターの旋律がそれほど前に出ていないので、バックギターが頼りないと音が薄くなってしまってもおかしくないのですが、それが全然ない。攻撃力がすごい。むしろバックギターが主旋律食っちゃってんじゃないの?というくらいですw


巡音ルカオリジナル曲 「No Logic」

こちらもイントロのバッキングが曲全体のリズムのベースとして使われているパターンとなっています。バッキングの魅力を紹介しようという意図だとこの手の曲が多くなってしまうのは仕方ないような気がします!ゆるして!
この曲は1番でも2番でもAメロ→間奏→Bメロという特殊な構成となっており、Aメロも間奏も冒頭のバッキングが使われているので、かなり長く使われているように感じます。しかしそこはジミー、基本のバッキングが中毒性があって魅力的なのとBメロサビでリズム面でもしっかり違いを持たせていることによって、退屈さは全く感じさせません。この絶妙な手腕が見事です。


ライカ/初音ミク

これまでに触れた技巧たっぷりな曲達と違い、こちらはシンプルな良さを感じられる曲になります。いいか?テクニックだけが曲のすべてじゃねえんだよ!!
この曲を皮切りにシンプルなポップロックが流行らないかなーとずっと期待していたのですが、一世を風靡するには至りませんでしたね・・・というほどにはこういったシンプルさ、好きです。

ちなみに、シンプルシンプルと言っておりますが、この曲は冒頭のバッキングが終始使われているというわけではありません。使われているのはイントロ、1番後の間奏、2番後の間奏、アウトロの4回です。そう考えたら、シンプルなのはむしろバッキングを終始使っている他の曲なのでは?
いえいえ、違うのです。シンプルというのはギターではなく、構成の話です。この曲はとても素直なんですよね。1番を作って、それをそのまま2番でやってというような感覚。もちろんそんな簡単な話ではないんですけども!むしろ同じバッキングを多くの場面で使っている曲は、そこを印象的にしている分、構成などの面で様々なテクニックを用いているため、難解な印象があるのです。そういう意味での”シンプル”です!
また、この曲のコードを調べたのですが、AとEとBが非常によく使われているんですね!コードに明るくない私ですが、シンプルさはこういったところでも表れているのかと膝を打ちました。みんなもヒマな時にコード検索してみて膝を打ってくれよな!



あとがきのあとがき(謎の見出し)

以上、12曲です!
軽い補足のつもりだったのに思ったより書いてしまった!しかも曲ごとにかなり文章量に違いがあって読みにくかったですよね、ごめんなさい!今回は曲の好きなところというよりはバッキングの側面から見た「説明」を意識した文章なので曲によって説明パートの数が異なり、このようなバランスの悪さとなっております。たびたび脱線してたのには目を瞑ってくれ!

楽器の話になりますので説明しなければ伝わらないであろう部分も多く、けっこう苦労して書きました!でもこれでも伝わってないところたくさんあるんだろうなあ~、これが今の私のせいいっぱいです!ごめんね!

説明がかなりの割合を占めているので、極端な話このnoteは別に読まなくても構わないと思います。
・・・ということを最後に書くあたり性格悪いね!すまんな、やっぱり読んでほしいんだ!




*ヘッダー画像はじん氏のカゲロウデイズからのスクリーンショットになります。


#vocanote #感想 #VOCALOID




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?