子宮外妊娠 6週目#3 手術の説明
これは、私が左卵管のはじっこに妊娠して、腹腔鏡手術を受け、左卵管を切除した記録です。
確率が低いゆえ、経験談が少ない子宮外妊娠。
この記録がほんの少しでも誰かのためになればいいなと思います。
2:30 p.m. 医師からの説明
採血の結果、hcgの値が確実に妊娠していることを示していて、エコーの結果「左卵管の異所性妊娠確定」だと説明があった。
このままにしておくと妊娠組織が大きくなり、破裂して母体に命の危険があること、今回はどうやっても出産できないこと、手術後の負担が少ない「腹腔鏡手術」になることを説明された。
説明されているうちに涙が出てきたけれど、感情が追い付いてこなかった。
「異所性妊娠」というと「いしょせーにんしん」とひらがな読みして、「せー」の部分を伸ばしたくなるな、なんだか緊急事態っぽさがなくなるな、とくだらないことも考えた。
耳に入っているようで入らなかったけれど、医師の説明は続く。
エコーで診たところ、左卵管に妊娠組織がついているが、胎児の心拍は確認できない。これは週数が早いからなのか、すでに成長が止まってしまっているからかはなんとも言えない。
左卵管は切除になる。
可能性としては低いが、手術後の検査で妊娠反応が続くようだったら抗がん剤治療を行う。
泣いている私に、医師は「突然のことで驚かれましたよね」と言ってくれた。
医療はサービス業ではなくて、彼らの仕事は病気を治すことだと理解しているけれど、気遣ってもらえてずいぶん救われた。
今後の妊娠を希望するのであれば、右卵管が通っているか検査することもできると言われたので、今は全く次のことを考えられないけれど、麻酔で意識がない間にしてもらえるなら、とお願いすることにした。
医師からの説明によると、妊娠率は下がるが、片方の卵管がなくなったとしても、妊娠率が半分になるわけではないらしい。
なぜかは分かっていないが、左からの排卵が右卵管でキャッチされることもあるそうだ。人間の体は不思議だ。
卵管を残せるなら残したかったので、切除しか方法がないのか聞いたが、切除するとのことだった。
診察室を出て大量の同意書やらなんやらに住所を書き日付を書き、署名をした。本当に切除することに同意しているわけではないけれど、とりあえず命の危機に瀕さないために、書類にサインをする。
待合室で書類にサインをしていると、助産師さんから入院中は個室にするか大部屋にするか確認された。
夫は個室にしたらと言ってくれたが、手術後にゆっくりできるわけでもないだろうから大部屋でいいと言うと、3階の大部屋確認してきます、と言われる。
3階は、たしか産婦人科病棟で、この病院は母子同室だ。
さすがにそれは勘弁してほしい、それなら個室でいいとお願いすると、別の階の部屋を取ってもらえることになった。
手術後に、生まれたばかりの乳児と母親と同室になったら、その時こそメンタルが崩壊しそうだ。流産・死産で入院する人もいるだろうが、そのような人たちも出産したばかりの母子と同室になるのだろうか。
だとしたら辛すぎる。
私はそのまま入院となった。手術は明日だ。