そうしてぼくたちはハヤオにダイブする
暑いですね。
「君たちはどう生きるか」を観ました。
思ったことを思いつく限りちまちま書きためていたら3000字を超えてきた上にだんだん気持ち悪くなってきたので出すかどうか悩んだのですが、まあ出したあとで非公開にするのもアリだなと思ったので出します。
ネタバレとかいうレベルを超えているのでご注意ください。
あと私はドキュメンタリーを買って再生しっぱなしにして生活を送ったり鈴木プロデューサーのジブリの本をたまに買う感じの一般的なオタクです。
ポニョのドキュメンタリーでみたやつ
先日集英社オンラインの記事で藤本タツキ先生がジブリがテーマのインタビューを受けてらっしゃいました。
ポニョともののけ姫のドキュメンタリーが好きだと言ってらして、あれを観ている漫画家さんがいるなんて！！と驚いたと同時に心の底から同意しました。
特にポニョのドキュメンタリー「ポニョはこうして生まれた。〜宮崎駿の思考過程〜」は１２時間半もあり、苦しみ抜いてるのに思うように進まない絵コンテの状態から日々を積み重ねて巨大なプロジェクトが出来上がっていく様子が勇気をもらえて好きで、一時期作業中ずっと流しっぱなしにしていました。
（しばらく６時間しかないと思ってたけど後編ディスクばっかり再生してたことに気づきました）
【藤本タツキ1万字インタビュー】漫画家・藤本タツキが語るジブリ作品の魅力とは。満席の映画館で『千と千尋』を立ち見した「原体験」から宮﨑駿監督への想いまで
ジブリのプロデューサーの鈴木敏夫さん、よく宮崎監督のアニメのネタバレをしていて、ネタバレというのは話のあらすじをバラすという意味でなく本質的なネタをバラすという意味なのですが、このドキュメンタリーでも宮崎アニメの重大なネタバレをしているのです。
宮崎監督の作るアニメはその時の宮崎監督の心境や人生そのものがダイレクトに表現されている（そのまんま出せないからカモフラージュしてる）
アニメ内のお母さん的なキャラクターは結構宮崎監督のお母さんがモデル
最初知った時は驚きました。えっ全部お母さんなんですか？
でも確かに納得しました。
いやまあ多分宮崎監督は正解とは言ってないと思うのですが…（ドーラは言っていたかも）
このドキュメンタリーでもポニョに出てくるトキさんというキャラクターが宮崎監督のお母さんがモデルということで話が進んでいたと思います。
12時間以上もあるので該当箇所を探すのも難しく…細部が違っていたらすみません。
面白いのでみなさんもジブリのドキュメンタリーを観てください。
天国でまたお母さんに会えるかもしれない。その時になんて言おう？
ドキュメンタリー内で鈴木プロデューサーが絵コンテ作業中の宮崎監督の心境をこう語っていたのが印象に残っています。
そんな感じで映画それそのものを楽しみつつ、監督の心を探す旅をしてしまうようになりました。
映画鑑賞として正しいのかどうかわからないですが。
DIVE TO HAYAO
前回記事に記した観る観るフェアを実行した結果、情報をできるだけ入れずに映画館に行くことができました。
始まって数分経ち…
戦時中？戦前？
あっこれなんか…なんか今までで1番「そのまんまのやつ」が出てきたのでは…
監督絞りたて100%…110%…うそ…どんどん上がってく…
どうしてお母さんと新しいお母さんこんなに美人なの…
どうして岩で自分の頭割ったの…
cvキムタクのお父さんのKISS音が何回もあってびっくりしちゃった…なぜ何回も…
幻想世界で若返ったお母さんと冒険をしている…
悪意のない13個の積み木のような石…
監督…いえ…ハヤオ…
思わず心の中で問いかけるオタク。
ハヤオの気持ちに勝手に深く潜っていく。ハヤオダイブ。
「風立ちぬ」でも感動しましたが今回はそれ以上かもしれません。
幻想世界のパートがありながら、いえあるからこそ、あらゆるところが宮崎監督の人生の断片と全てを描いていると思いました。勝手に。
だってプロデューサーにそういう「視点」を与えられてしまったから…
大叔父様が積み木を………ツン！！！ってやって世界のバランスをとった時はもうそれもうそうじゃん、この積み木ジブリじゃん…（ファンの勝手な深読み）
そんな微妙〜〜な微細な動きで……ツン！！！！ってやって保ってるんですか…！？（ファンの勝手な深読みです）
えがうまい
今回作画監督が本田雄さん（師匠）ということで大変楽しみにしておりました。
お名前はエヴァンゲリオンシリーズで知っていましたがニコニコ動画の日本アニメ（ーター）見本市に出演していらっしゃったのを観て以来意識するようになりました。（｢西荻窪徒歩２０分２LDK敷礼2ヶ月ペット不可｣すごいです。）
夏子さんと合流して家に上がるまでシーンが長いんですけどすっごく良くて、
最近テンポが爆速のアニメを観てることが多かったのでこ、こんなにリッチでジューシーなお宅訪問シーンいいんですか！？となりました。いい…
でもね…ここから先もずっと絵がいいんですよね…
眞人さんも夏子さんもジブリっぽさはありながらも美人なんですよね…。
特に寝顔が美しいです。
眞人さん、このプレーンでありつつも浮世離れした美しさ…ずっと顔見てた…
個人的トップ3のアシタカ、ハク、ハウルに肩を並べてしまう…
造形も動きも大大大満足でした。
そのほか、好きなシーン印象的なシーン
・青鷺
アオサギ、水辺の近くに住んでいると身近な鳥で、家の中を覗き込むようにベランダにいたり屋根の上をカツカツ歩き回ったりしてたのでアオサギあるあるを感じました。
人のことを全然恐れないし逃げないし、道路のど真ん中でたむろして車出せなかったり、ゴミ袋を漁られた記憶はないのでカラスほどではないですが落とし物を置いていくのでちょっとやな鳥です。
よく話しかけてたので（よく話しかけるなよ）あっちがしゃべりはじめるのもわかります。
エンドロールまで一切気づかなかったので菅田将暉さんは演技のおばけだと思います。
・おばあちゃんたち
かわいすぎる 人形欲しい。缶詰を入れた炊き込みごはん食べたい
・あの世界のキリコさん
あの暮らし良すぎる。バラバラのカップが好き。内装もっと詳しく見たい
・タバコ
小さな子にも観られるようにと描かれることの多い監督のアニメで、盗んだタバコが冒険のきっかけっていうこの…ついに描いたという…
タバコ、今までそんなに描いてこなかったけど創作の相棒なんだろうなと思います。
・家に運び込まれる航空機の窓のとこ
「美しいです」って眞人さんが言うんですよね。これもついに描いた…！と思ったシーンです。
・石で頭割る
なんか自分も恥ずかしながら小さいころにちょっとした怪我をやや重大にして心配させようとしたことがあるのでわかります。え…無い？みんなあるでしょうが！
眞人さん、あの後幻想世界と現実世界がふわふわしだすのでもしかして全部夢説ある…？と思った
・黄金の門の「墓」
我を学ぶ者は死す
自分のマネしたら死ぬよって言っているのでしょうか。
・でっかい魚の内臓をさばいていく
意外とちびっこは魚さばくYouTubeなどが好きだと最近知りました。
・ペリカン
貪食を悪と描きがちな（カオナシなど）監督のアニメ。魚を味わうことなく飲み込んでいくペリカンはいかにも貪食なモチーフなのですが、翼が折れたペリカンはもののけ姫の猪のようにとても誇り高いです。
・肉食のインコ風の存在
ペリカンはペリカンなのにほぼ人みたいなインコ
ツイッ…ター…？
人肉シチューが好きな肉食なのも何か意味があるんでしょうか。
・包丁ペロペロしてる肉食インコ存在をでっけえ骨でぶん殴るシーン
何にそんなにウケたのか自分でわからないのですがあのインコのようでインコでない存在をトムとジェリーみたいなノリでぶん殴るシーンがツボに入って爆笑しそうになりました。
でもあの場所めちゃくちゃ生々しい解体した骨のガラがあって怖い
・宇宙から落ちてきた石
宇宙展開好きなので興奮した
・岩戸の中で上の紙が円形に吊られてバサバサなってるとこ
美しい夏子さん、ここすっごく怒っていてめちゃくちゃ怖く描かれています。
なんでインコ存在に隔離されてたんでしょうか。痛いしこの紙のやつ。千尋で観た式神みたいなやつでしょうか。怖い
・ヒミが炎を力にしているのはなんでなのかとヒミのタイムパラドクス
火事にあって亡くなった
遺体は見ていない→塔の世界で生きていた、けど最後過去のドアへ進む2周目のヒミは多分火事が起こると大叔父様の世界は無いので死んでしまう？
このへん考察とかあったら読んでみたい
以上です
いやあ良かったです。
今回もドキュメンタリーないかなあ。