A型事業所
職場体験に行ってきた。
就労継続支援A型事業所だ。お弁当を作って届けるところなので朝は早く、始業は7時。私が行けるのは9時からなので、お弁当作りはほぼ終わっている。配達準備や後片付け、翌日のお弁当準備が仕事になるということだった。(新しい事業所なので、お弁当以外にも事業拡大中らしい)
私にとってお弁当作りやお茶碗洗いは家でもやっている事なので、特に目新しいことではない。気負うことなく、職場の人と仲良くなれたらいいなと思い、積極的にいろんな人に話しかけた。翌日は祝日(春分の日)で休みだったので仕込みはなく、結構のんびりとしていた。
ある人とはJRは障がい者割引がないから(ある程度の距離がないと、割引にならない)ケチと言う話で盛り上がり、脳の病気か怪我で言葉がうまく出てこない人とは交流を図りながら一緒にお漬物をカップに詰めたり、見た目はクールな21歳の男の子(男の子は失礼⁉)に「次は何をしたらいいですか?」と指示を仰いだら「なんだ?このおばさん」なんて態度は取らずに、丁寧に的確に教えてくれて嬉しかったり。いやあ、楽しかった。
最後には「スタッフみたいにみんなに話しかけてくれて良かった」と言われて、これまた嬉しかった。こんなことで喜んでもらえるなんて、「喋ってないで、手を動かせ!」とか言われないで助かった。誰かの役に立てているかも知れないと思えることは、嬉しいものだ。
数日前にここに説明を受けに来た時に
「ここはA型事業所(一般企業で働く人のための、ステップの場所とも言える)ですけど、次はどういう所で働きたいんですか?」
と聞かれて首を捻っていたら
「別にいつまでとか決まってないから、追い出したりはしないよ」
と優しく言われた。
そうだよねー。私はいったい、どこに向かっているのだろう。何がしたいのだろう。大学を出た後にアフリカはモザンビークでボランティアを経験し、途上国の発展とかストリートチルドレンの支援をしたいと思っていたけれども、27歳で交通事故に遭ってからはそういう仕事は 考えていない、と言うか、第一線では働けない。出来るなら日本にいながらのボランティアになるだろうけど、それはボランティアであって、仕事にはならないだろう。
今は特に、これと言って目指していることはない。ただ、我が子たちに幸せに成長して欲しい。それを夫婦で後ろから見守っていたい。それが今の唯一の願いだ。
自分の交通事故の後、自分でも気づかぬ間に暗黒の世界に落ちていて、世界の 誰もが自分をあざ笑っていると思っていた時、いつも隣には家族がいて、求めれば近所に理恵さんがいて、社会福祉センターにはたこさんがいて、都合が合えばなおちゃんが車で連れ出してくれた。どんなに心が真っ暗で声を出したら泣き出しそうな時でも、誰かがそこにいて話を聞いてくれfたり、メ―ルを返してくれた。
あの、暗黒の時代は忘れない。私も誰かの、一筋の光になりたい。
いつ誰がそういうどん底の心境になるかなんて分からない。ただ側にいて、話を聞いて、話してくれる、あるいはメールを返してくれたり、笑いかけたりしてくれる人。そういう人に救われる人が、必ずいる。そういう存在になりたい。
ただうっとおしがる人もいるかも知れないけれど、その時はごめんなさい(´∀`)