怪しい?儲かる?2024年ドリアン農園投資。
ドリアンの市場
ドリアンの世界的な需要は短期的には引き続き堅調に推移すると予測されており、2019年の世界市場規模は187億2,000万米ドルと推定され、2025年までに300億米ドルに達すると予想されています。
中でも圧倒的にこの市場を支えている中国の強いマーケット需要。
タイのドリアン農園投資もほとんどが中国人による投資で、それほど昨今ドリアン需要が高まっているのはつい最近の話のようです。
その理由として、健康効果(昔から滋養強壮では有名)、妊婦が食べるといい、などなどあらゆる迷信もあったりして、とにかくオフシーズンの入手が困難なので値段も高騰しやすかったりします。
ないと思うと飛びつくのが中国人・・・(これは褒め言葉)
その需要に支えられている市場はドリアンだけではないはず。
農園の場所は?
今回我々が訪れたのは、マレーシアで唯一政府から投資スキームのライセンスを取得したDrian Capitalが運営するファーム。
場所はKL中心地から車で2,3時間のヌグリ・スンビランという場所にあります。
周辺はパームオイルやゴムの木など、プランテーション一帯となっていて
このドリアン畑はそういった木たちに囲まれていることで、害虫などの被害を受けにくいとのことでした。
いいドリアンを作るためには
天候・日照・水分量・害虫・火災などあらゆる面で好条件な場所が必要になるため、こうした都心から離れた場所で栽培するのが基本。
ドリアンができるまで
ドリアンは1つあたり2〜3kgの大きさになるため
1つの木に対して120個くらいの果実をつけるためには
何よりもまず木を強く育てる必要がある。
そこで、最初の5年は、枝に蕾ができたとしても、あえてそれを裁断し、枝自体を太く育てる手法を取るそう。
そして、5年目以降は、毎年120個ほどの実が半年に1回(6月、12月)に収穫できる。
ちなみにドリアンは自然に地面に落ちて収穫するスタイル。
もぎるようなことはしないんですね。。
ちなみに、放水は各木々に設置されているスプリンクラー、貯水タンク、川からひく、といった3wayで水分調整を徹底している。
スコールも激しい国なので、長年農業に従事してきたスペシャリストたちが研究してきたドリアン農業のアドバイスを行っているらしい。
この日ドリアンキャピタルのたくさんの人に会ったけど、本業ではレストランや飲食店をやっている人や、大学で農業の研究をしていた人など、ありとあらゆるスペシャリストの人たちが関わってるようです。
投資の内容
マレーシア政府からのライセンスを取得するに当たって、様々なハードルがあったそう。
一般的にドリアン農園投資というのは
まず農園会社の区画を買い、そこから毎月管理費を払って、ドリアンの販売金額に対してマージンを取得しているケースが多い。(私の中国人の友人の話によるとこう)
前述したように、最初の5年は木を育てるのが先決なので、その間は配当がないところがほとんどなのだが、どうやらそれだとスパム扱い?なのかマレーシア政府の承認が降りないそうで、Durian Capitalの場合は、初めの5年はジャックフルーツやパパイヤ、ココナッツなどドリアン以外のフルーツを販売し、出資者に配当を出すというスキームとなっている。
実際に、パパイヤやココナッツの区画だけでも相当な広さがあり、車でファーム全体を駆け回るのに1時間以上かかった。。
この日ランチをファームの食堂でいただいたのだけど
あらゆるお料理に農園のフルーツが使われていて、とても美味しかった。
5年目以降はドリアンの販売金額に対して30%の配当だそう
詳しくはDurian CapitalのHPに記載があります。
起こり得るリスク
まず第一に、どの投資でもそうだけど
運営会社の倒産
これがあると出資額が毀損してしまう。
そのため、その農園会社の母体がどんな会社で、資本金の大きさや上場しているか、などなど経営者含めボードメンバーをよく知ることが何より大切。
そして第二に考えられるのが
天災などの環境要因
洪水、日照不足、火事、病気、、などなどありとあらゆる自然界のリスクは農業なら必ず伴う。
なのでそのリスク回避としてありとあらゆる専門家の知見は必須と言っても過言ではない。
そして農園投資で何よりも大事だなと思ったのが
「従業員に対する手厚さ」
これに尽きると思った。
その理由として、まず彼らはほとんどがインド人やインドネシア人の住み込み労働。
彼らは、衣食住をすべてこの農園で済ませる必要がある。
農園には彼らの寮があり、クーラー完備(ないところも多いらしい)、食事は常にシェフが常駐。1日5食(朝、スナック、昼、おやつ、夜)提供される。
さらに洗濯もしてもらえて、ヘアサロン、ATMなどもすべて整っている住環境。
ある程度はオートメーションされていても、まだまだ人の手が必要な東南アジアの農園を見て、投資の判断材料として従業員の福利厚生は最優先事項だと感じた。
食堂のシェフの方ともたくさん話をした中で、「僕は食べてもらえることが一番嬉しい」と言って、我々の食事風景をその日ずっと見ていた。
従業員たちの食事を管理しているシェフの人柄を知る機会があってよかったなと思いました。
ドリアン農園投資に対して、私が感じたこと
軽く旅行がてら参加したドリアン農園ツアーだったけど、栽培から農園運営までの知識を得ることができてとても貴重な時間だった。
道のりは長かったけど、(娘よく頑張った)情操教育にもなったし、何よりそのドリアンの味を久々に思い出すことができて。。
この食べたことある人にしかわからない味は一度体験するべき価値はあるかと。
そして、投資についてはやはり中国のマーケット次第。
それだけのような気もしました。
もちろんマレーシア人もドリアン好きな人は多くて、国内の需要ももちろん伸びしろはあるだろうけど中国への輸出と比較したらまだまだ小さい。
そして中国も自国でドリアン農園をつくりはじめてはいるが、まだまだ気候条件などもそろわず中国産ドリアンのクオリティはそこそこだそう。とはいえ彼らの技術発展は凄まじい勢いで伸びてくだろうと予想して、もしかしたらマレーシアからの輸出量にも変化があるかもしれない。
なので結論から言うと
投資して、マレーシア産ドリアン需要が高まればラッキーだし、人気が落ちてきたらガッカリ。。
そして、投資しなかったとして、その後ドリアン需要が高まれば「投資しておけばよかった、、」となるだろうし、その逆も然り。
その観点で言えば株でもビットコインでも同じなのだけど
やはり実態があると言う点では不動産とかに近いのかもしれないと思った。
実際、自分の投資した区画を、譲渡することもできるので、そう言った意味では自分の中で新しいスキームだなと感じた。
とはいえ私のファンドマネージャーいわく
プロテクション(収穫がなかった時の保証)がないので高リスクではあるとのこと。
それも踏まえてよく考えると必要があるそうです。
日本にいてもドリアン投資はできるけど、
やっぱりこうして実際に目で見て、現場で働く人の姿を見ると言うのはとても大事だと思いました。
今回、オフシーズンで食べられないかも、と言うことだったのですが
無事にありつくことができて
投資についても学び
とてもいい機会になりました。