西武線でほっこりした話
西武新宿線編
西武新宿線のとある駅で電車を待っていた。夕方前ということもあり、電車を待つ人はほとんどいなかった。
西武新宿駅の改札に近い一車両目に乗るつもりで、ピンクの文字で書かれている女性優先車両の場所で携帯をいじりながら待っていた。
この駅は各駅停車しか止まらない駅のため、少し待つ必要があった。
程なく、通過電車が通り過ぎ、そろそろと思いながらも、携帯に目をやっていると、
“フォァン、フォァン”と、今までに聞いたことの無い軽い警笛が鳴った。
よく、黄色い線付近を歩いている人に向けて警笛を鳴らしてホームに入ってくる電車の音とは別もので、
もう一度“フォァン、フォァン”と軽やかな音が鳴った。
“なに?”音のする方に眼をやった。
“あ❗️”
電車がずっとホームの手前で停車している‼️
“うそ‼️”
私は当然の事ながら走ってその電車に乗り込んだ。
10両編成ではなく、8両編成の車両だったのだ。
このホームは真っ直ぐのため、車掌さんの姿も見えた。
なんと、私に向けて警笛を鳴らしてくれたのだ。そして発車を知らせる笛が鳴り止むのと同時に、私が乗り込んだ事を確認して扉を閉めてくれたのだ。
なんという神対応。
近年で一番ほっこりした出来事だった。
急行に乗り換えるため降りた駅で、閉まっている扉越しに運転手さんに感謝を込めて口パクで、“ありがとうございます。”
と頭を下げた。
運転手さんは、制帽のつばに手を当てて軽く会釈をしてくれた。
ハンサムに見えた❣️