潜在意識から読み解く『みぃちゃん物語A面・B面』4大人〜母親になって
この物語は、私、ワンネスカウンセラー瑞羽が、生まれてから今までに辿ってきた人生を物語風に語ってみたものです。
ただし、普通の物語とはちょっと変わった書き方にしてみようと思います。
「みぃちゃんA面」と「みぃちゃんB面」
同じ出来事を二つ側面から語った物語です。
「みぃちゃんA面」は、私が記憶している顕在意識から見た物語。
「みぃちゃんB面」は、私が潜在意識から見ていた物語です。
B面はサイキックセンスやヒプノセラピーを通じて、潜在意識で見て来た私のもう一つの物語です。
顕在意識とは、普段私たちが認識している意識。
潜在意識とは、普段私たちが認識出来ない意識。
普段私たちは、認識している顕在意識の世界がすべてのように思っていますが、実はまったく逆です。実際には、潜在意識が95%もの意識を司っていて、現実の世界にも影響を与えているのです。
顕在意識と潜在意識。
二つの世界と、そのつながりや違いを感じて貰えたらと思います。
では、どうぞ。
みぃちゃん物語A面4(顕在意識)
大人〜母親になって
大学生の頃には、私はすっかり母のことが大嫌いになっていた。
母はいつも目一杯仕事を頑張り、そして家のことも頑張り、疲れ果て、私にいつも愚痴を言っていた。私はそれにウンザリしていたのだ。
顕在意識ではもちろん、"母のことが本当は大好き"なんて、気づけずにいた。
世の中には、仲良し親子もいるというのに・・。
"自分の母親をこんなに嫌うなんて、私は大丈夫なんだろうか・・・"
けっこう本気で悩んでいた。
そんな時、私が出会った言葉がある。
「いつの日か、愛するようになる者として憎め」
衝撃だった。
ユダヤの格言。そんな古い言葉に、こんな言葉があるなんて・・・。私の悩みはもしかしたら、特別ではないのかも知れない。そう思えた。母親のことを受け入れられない自分は、特別にダメな人間なんじゃないかと、そう思っていたのだ。
その言葉には希望があった。
そうか。
"いつの日か・・"で、いいんだ。
「いつの日か、いつの日か・・」と心の中で繰り返した。
「いつの日か愛する者に・・・」
そう思って、今は「憎んでもいい」
そう言ってもらえた気がした。
許された・・。
そう思って、涙が出た。
ダメだ、ダメだと自分を責めていた私が、初めて視点を変えることが出来た体験だった。
私にとって、大きなメッセージだった。
家を出て一人暮らしするようになると、母のことは気にならなくなり、自然と距離を取れるようになった。
大人になったから、もう大丈夫・・そう思っていた。
結婚して、子どもを産んで、親の気持ちもわかったし、表向きはいい娘をやれていた。
だから、それでいいと思っていた。
生まれてきた最初の子は息子だった。
息子は本当にかわいくて、この世にこんなにも愛せる存在があるのか・・と感動した。
それなのに、泣き止まない息子に私はパニックになって、怒鳴り、キレまくってしまった。
自分の感情を抑えられないなんて。
そんな経験は人生で初めてだった。
怒っては、寝顔に謝り、自己嫌悪になる・・。
そんな繰り返しだった。
息子は私とはまったく違うタイプだった。
とても愛しているのに、息子の考えていることがまったくわからなかった。
私はとても怖かった。
"息子もきっと、私のように母親を嫌いになってしまうに違いない。"
"いつか嫌われる。"
そう思って苦しかった。
そんな不安から、親子コミュニケーション学「親業」を学び始めた。
息子との関係をなんとかしたい。
その一心だった。
それなのに、学び始めてから、すぐにはっきりとわかったことがあった。
私と息子の関係だと思っていた問題は、すべて私と母との関係が原因だったのだ。
母を反面教師にして、いい母親になろうと思っていた。なれると思っていた。
それなのに私の言動は、母そっくりだった。
それがとてもショックだった。
私は息子のために、もう一度、母と向き合うことを決めた。
みぃちゃん物語B面4(潜在意識)
大人〜母親になって
息子のことから、自分と母親の関係を見つめ直すことを始めた。
すると、私が当たり前と思っていた価値観は、すべて母の価値観であったことに気がついた。
一つ気づく度に、驚きショックを受けた。
自分で考え、自分で作ってきた価値観だと思っていたのに、こんなにも知らず知らずのうちに母の価値観を吸い込んでいたなんて。
そしてその価値観に、息子はNOと言っていたのだった。
母の価値観は、周りの目を気にして、出過ぎないように、でも劣らないようにすること。
周りのために尽さないといけない。
人は良い行いをしなければいけない。
それは犠牲の精神だった。
そして、"誰にもわかって貰えない。""自分のことは認めて貰えない。"いつもそう思って苦しんでいた。
その生き方は、とても苦しそうに見えた。
なんでそんな風に思うようになってしまったのだろう。
母を理解したいと思った。
母は自分の両親や兄妹のことを話すとき、とにかく褒めまくっていた。
"あんなに温かく素晴らしい家族はない"といつも話していた。
私はそんな母にも違和感を感じていた。
だったら、どうしてそんなに劣等感が強いのだろう・・・。そう思っていた。
その謎が解ける時が来た。
私は、「親業」の学びの後も、12ステップ、心理カウンセラーやスピリチュアルヒーリングなど様々な学びを続けていた。
その学びの中で、母の子どもの頃の姿。
母のインナーチャイルドが見えたのだ。
その子はとても頑張っていたけれど、自分は認めて貰えない・・と、とても悲しそうだった。
小さな胸を傷めているのがわかった。
母のお父さんは神事をする人だった。宗教家ではなかったけれど、家には立派な神道の祭壇の部屋があった。そして、もう助からないと言われたのに治ったとか、命の恩人とか言われたり、たくさんの人から尊敬されるような人だった。その家には独特の雰囲気があった。霊能力のある人が特別視されるような雰囲気が。母は5人兄妹の末っ子で、確かに可愛がられていたようだが、兄と姉には霊能力があり、一方で自分は"ただの人"だと言っていた。
それが母がいくら勉強を頑張っても、いい子をしていても、"どうしても認められない"と思ってしまった理由だった。
そこに根深い、母の劣等感があった。
悲しそうな母のインナーチャイルドの姿を見て、なんて悲しそうなんだろう・・そう思った。
それで、すべてがわかった気がした。
母は自分の家族が好き過ぎて、自分が苦しいのは自分が劣っているからだと、自分を責め続けることしか出来なかったのだ。自分の本音を家族に伝えることが出来なかったのだ。
私の中で、固まっていた母への憎しみが溶けていった。
母の中では、今もあの子が悲しんでいるのだ。
なんて可哀想なんだろう。
そう思ったら、すべてを許すことができた。
間に合って、よかった。
そう思った。
母が生きていてくれる内に、気づけてよかった。
一生を憎しみと諦めの気持ちで過ごさなくて、本当によかった。
心から、そう思った。
導いてくれた、すべてのものに感謝が溢れた。