ロベスピエールと綾凰華さん

まえがき
本文は2018年当時、別アプリに記載していたものを転記したものです。大切な思い出として、一部編集しここに残します。

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雪組新人公演「ひかりふる路」の感想に入る前に、私には書き留めておかねばならないことがある。

何時か忘れてしまわないように。

2017年5月18日(木)
東京宝塚劇場 星組新人公演「スカーレット・ピンパーネル」

観劇の興奮が忘れられない。
マダムギロチンでバルコニーに現れた彼女の白い顔と高貴なまでに冷たい眼差し。

綾凰華(あやなちゃん)の演じたロベスピエールは凄まじかった。

ギロチン台の影から現れたロベスピエールの遠い視線と苛立ちと焦り。大ナンバー「ロベスピエールの焦燥」を歌い切ったときは震えた。

綺麗で、恐くて、孤高の人だった。

本役の七海さんとも違うロベスピエール。

特に胸が詰まったのはショーヴランの歌う「栄光の日々」の背後でボロボロと理想が崩れ、すべてを失って最後抜け殻のようにギロチン台の後ろに消えていく様を、セリフも歌もないのに表現しきっていたのをみたとき。

まるで憑依しているかのように、みたことのない綾凰華になっていた…。

私は目が皿のようになり、そしてぽかんと開いてしまっていた口を手で押さえながら観てました。

観劇後の私は「もう一度あやなロベスピエールがみたい!!」としきりにつぶやいていた…。

大劇場の新人公演後のYoung+ や新公トーク、RSGであやなちゃんは言っていました。

「ロベスピエールは本当に魅力的な人物」
「歌を伸ばしたい」
また、こうも言っていました。
「これからいろんなことを吸収して、砂利道山道谷道を頑張って歩いて、この組(星組)の力になれるようになりたいと思います。」

彼女は意思を表す手の表情が魅力的で。静かな芝居の最中や歌の最中、握りしめたり、そっと拳をほどいたり、自分の両の手を交互に眺めたり、細くて長い指を広げたとき、突き出したときに指先から、手のひらから何かその役や綾凰華の語りたいことが放出されてるみたいでとっても好きなんです。

きっと原作を読んで涙した「母礼」も彼女なら素敵に演じてくれるはず。
母礼をやり切れた暁には・・・

そう願っていたし、そう思っていた。

けれどあの日は来た。2017年7月7日(金)午後4時。

宙組のトップそろそろ出るよね、なんて妹と言いながら休日に何度も公式を覗いてたら飛び込んできた文字。
好きな組子たちのいる好きな組から大好きな子が異動しちゃう。

初めてのことで混乱しました。

「なんで、あやななの……?」って。

でも同時にこうも思いました。

もしかしてロベスピエールがもう一度見られる…?

そう。

2017年10月5日(木)
雪組新人公演一部の配役発表。

午後1時過ぎ。私は会社のトイレで嬉し涙を流してました。

おめでとう、と、がんばれよ、の気持ちがいっぱいで。

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