単純な計測切り替えでは終わらない!?UA→GA4移行
最初に
GA(Googleアナリティクス)のUA(ユニバーサルアナリティクス)からGA4以降について
『UAと何が変わったの?』『設定をコピペすればいいのでは?』と想定している場合
予想を超え膨大なリソースが必要になってしまう場合があります。
そういった事態に陥らないためにも、今回は移行に関して
行う作業、注意事項を簡易的にまとめさせていただきました。
ご参考になれば幸いでございます。
GA4移行背景
GA4はセキュリティとプライバシー保護の観点やユーザー行動の多様化に対応すべく
リリースされたGAの『最新バージョン』になります。
しかし『最新のバージョン』と表現しましたが機能がかなり一新されており、
バージョンアップというより『リニューアルに近い』ものではないかと考えております。
そのためUAで利用できたものが廃止されたり、UAで有料版のみの利用できた機能が
GA4では無料で提供されていたりとかなりの差異があります。
GA4とUAの違い
一番大きな違いは
UAが『閲覧数(サイトが何回表示されたか)』を基準にレポートを作成するのと違い
GA4は『セッション(訪問してから離脱するまでの一連の操作)』を基準にしている点です。
UAにも『セッション』という指標はあったのですが、条件が変わっております。
こちらに関して深堀すると長くなるので割愛します。
※参考資料:https://support.google.com/analytics/answer/9191807?hl=ja
そのため、そもそも計測する数値がことなるため、UAから移行できても
『UAとGA4で計測した数値が異なる』となるわけです。
そのほかにもさまざま要因はありますが、まずはこちらが前提条件になります。
※テクニカルですが回避する方法もございます。
担当作業内容
今回私は大手デリバリーチェーン店のサイトのGA4移行案件を担当いたしました。
私が作業した内容を大まかに分類したものがこちらになります。
①GA4の基礎設定
②カスタムイベントの移行
③カスタムディメンション、その他個人設定指標の移行
④UAの『目標』をGA4の『コンバージョンイベント』への移植
GA4、GTM(Googleタグマネージャー)の編集権限がクライアントにあったため
作業順序としては
A【UAの設定確認】→B【社内GA4での再現検証】→C【クライアントへの設定作業ご依頼書作成】→D【ご設定後の計測確認】
となります。
トラブルシューティング
最初に①をGTMでタグを設定おこないますが
設定項目自体が変わっております。
そのため、この時点でUAの数値をコピー&ペースト
するだけでは、UAに近い数値を取得することは不可能となっている
ことがわかります。
『UAで項目Aだったものが、GA4では項目Bになる』といった内容を
ヘルプや検索を駆使して調査をしなければなりません。
また公式のヘルプだけでは全てを把握できないため、多くの場合
『自身で検索をして調べながら検証、設定していく』という
作業が必要となります。
そこに元々サイトの設計上なかった機能を
基礎タグのカスタムHTMLで設定している場合があるので
UAのタグデータも念入りに調査が必要です。
今回の場合
ユーザーのステータスをURLに追記するようにカスタムHTMLが設定されており
そのURL(ページロケーション)を参照してUAで【目標】を設定されておりました。
GA4で【目標】にあたる【コンバージョンイベント】では
基礎タグでユーザーパラメーターを付与する設定をし、そこで条件の合うユーザーが
イベントを行った際に計測するように移植いたしました。
起こりうる問題
今回の案件では編集権限の関係で『■担当作業内容』で説明した
ABCDの流れで作業するため、Dで数値計測に不備があった場合
Aからはじまり、C【先方への設定作業ご依頼書作成】も作成し直す必要があり、
弊社の作業時間、そしてクライアントにも説明するお時間と二重で時間のロスをしてしまいます。
こういったロスを回避するためにも
『クライアントへのGA4、GTMの編集権限の付与』を最初に依頼することが重要と考えます。
まとめ
結論でいえば、完璧にイベント、目標の設定の移植に成功しても
UAとGA4ではレポート上では数字が等しくなることはほとんどありません。
※内部のサンプリング前のビックデータを抽出しない限り。
そのため、UAからの移行というより
『GA4での数値計測の提案』という方が正しいのかもしれません。
最近では、GA4のサンプリングされたレポートではなく
加工前の膨大なデータ(ビックデータ)を利用した
より確実なレポートを望む企業様が増えてきた印象です。
クライアントが望むデータ、レポートを出すためには
Googleアナリティクスというアプリ理解だけでは
不十分な時代になっており、その時一番正確で
相性のいい分析方法を模索することが重要と私は考えます。
長い文章となりましたが
以上が私のレポートになります。
閲覧いただき誠にありがとうございました。