好きな物を押し付けたくない
前回のみんなが好きな物を好きじゃないの続きのような話である。
私は自分が好きなものを基本的に何でも人に勧めない。いわゆる推しと呼ばれるヲタク的な趣味からお洋服のブランド、カフェやレストランまで割と全般にそうである。
SNSは別、それは不特定多数の人に宣伝みたいな感じだから気軽にツイートや投稿をし好きなものを発信する。
例えば会話の中でこれが好きとかハマっている、気になっているまでは話せる。だけど「観てみて〜聴いてみて」は絶対に言えないし言わない。ついでに言えば「ここが良かったから今度一緒に行こう」とかも誘えない。
別に自分の推しを他の人に好きになってほしくない同担拒否のような思考は1ミリも無い。
寧ろ自分の好きなものはAKBでもお笑いでも本当は好きになってほしいし、一緒に現場とか行けたら凄く楽しいだろうなあとは思う。
しかし、自分が人に興味がないものを勧められて観て聴いてと言われるのが苦手なので、人に薦められないのだ。
観てね聴いてねと言われてもやっぱり興味が持てなくてしんどいし、それを好きな人に「観たけど興味が持てない」とは口が裂けても言えない。これに関しては柔軟性が無かったり自分の偏った趣味も影響しているが…。
1人で現場に行きつつ、本当は誰かと現場に行ったりヲタプリ撮ったりヲタ活したいなあとは思う。しかしSNSで趣味に特化したアカウントを作っても、遊ぶほどに仲良くなるのは至難の業だし結局そこまで深い関係にはならずにきてしまう。
かと言ってリア友に布教という名の押し付けをするのは申し訳ないし、前述の理由で勧めることはしないのだ。あとは自分の大好きな物を少しでも否定されたりdisられたりするのが苦手なのもあるかもしれない。
これに関しての価値観は様々だし、布教を悪いと言うつもりはない。しかし私はあまり人が好きなものを好きになれないのでどうしても困ってしまう。
自分に取っては何の感情も抱かないものでも、誰かにとっては神様のように最高の存在である。それだけは心に留めておきたいし、共感して好きとは言えなくとも傷つけることだけはしないように努められれば良いのだ。
そんなバックストーリーを胸に秘めお弱いヲタクは次回も1人で現場に足を運び、ひっそりと楽しむのであろう。