見出し画像

4/18〜4/25 ミャンマー情勢

めちゃくちゃご無沙汰してしまいました。
少し思うところを発信しようと、思いながらも、どうも筆が遠のいていました。ミャンマーに関しては色々な事が起きています。入ってくる情報がガクンと減っています。

犠牲者の現状

まずは犠牲者等の情報を共有させていただきます。

クーデターから80日目、4/21 時点の数字です。
学生 438名、メディア 41名を含む一般市民が拘束され、1,059名に対して逮捕状が発行されています。芸能人等の影響力のある人やCDM活動に賛同するお医者さん等に対して、軍のプロパガンダメディアである 国営放送&国営新聞で日々その対象を増やしています。


AAPP が 固有名詞で把握できている範囲で 4/24 時点では
死者 751名、逮捕 4,473名、今も拘束中 3,431名、逮捕状発行 1,159名
本当に悲しい限りです。

日本人ジャーナリスト拘束

また、多くの方がご存知だとは思いますが、日本人フリージャーナリストの北角さんが、4月 18日 夜 20時前に軍によって拘束され、インセイン刑務所に移送されました。目撃者によれば、軍や警察 数十人(50人?)が押し入り、段ボール2箱も押収、と言われていますが、その真偽は不明。
大使館が当局に確認したところでは「押収されたものはない」と。

大使館は面会を求めていましたが、なかなか認められず。4/23 になってようやく電話でのやりとりが許可され「不当な扱いは受けていない」健康状態も問題はない、と確認が取れたそうです。

北角さんは、ヤンゴン市内でのジャーナリストやレポーターの弾圧強化がはじまった頃の 2月 26日にも取材中に拘束された経緯があります。その時は、その日のうちに解放された経緯がありますが、今回は 明らかに北角さんを狙っての動きでした。
逮捕後、国営放送では「偽のニュースを流した疑い」で逮捕した、と報道が流れた模様です。訴追された、というのは少し厄介な感じです。

逮捕に関しては、様々な声もありますが、北角さんがリスクを取ってでも、日本に、世界に、届けたかった想いが下記動画に少しばかり込められているので、よろしければご覧ください。

また、この逮捕を受けて 日本で ジャーナリストら有志のグループが記者会見を開いています。著名ジャーナリストが出席しており、そのインパクトは大きいと感じました。

しかしその一方で、なかなかミャンマーの情勢が伝わっていない、と歯がゆさを感じた部分もありました。日本人のジャーナリストに伝わっていないのだから、一般国民にはなかなか伝わらないよな…とも思いました。
しかし、良くも悪くも、これをきっかけにミャンマーの事をとりあげていただけるとありがたいとも思っています。ぜひよろしくお願いします。
※必要な情報あれば、いつでも提供させていただきますので、ご連絡くださいませ。

ネット遮断はいまなお継続中

相変わらず モバイル通信の遮断、夜間のすべての通信の遮断は継続しています。市民の多くは情報にアクセスできず、不安を募らせているかと…
とりわけ 田舎の方の情報は本当に入って来にくくなっています。


国内の動き

本来であれば、みんなが楽しく水掛けをしていたかもしれない水祭りは、ほとんどの場所でボイコットが行われ、静かに過ぎたようです。軍人が水掛けをしていた、との情報や軍系企業が楽しそうに水祭りをしている情報が流れていましたが…

ここんところ増えている情報は「◯◯で 若者 ◯名が軍によって誘拐された」といった類の情報。鍋を叩いて抗議していて軍に逮捕される、といった報道も増えており、ヤンゴン市内では 2/2 から毎晩、絶える事なく続いていた 夜 8時の鍋叩きの音が聞こえなくなった、との情報も耳にします。
決して 諦めたわけではなく、さすがに…といった判断かと。

デモ抗議自体は、減っているようで、その手の映像はかなり減りました。
とはいえ 4/23 にはヤンゴン中心部のスーレーパゴダ近くで ゲリラ的にデモ行進が行われたようです。


死を恐れてなのか、周囲の反対なのか、リーダー格が逮捕されたからなのか、はたまた身の危険を感じて逃げているのか、デモ行進は減っている印象です。とはいえ、ミャンマー全土のどこかでは、抗議活動は続いています。

国際社会の動き

4/24 ジャカルタで開催された ASEAN リーダー会議 に ミャンマーの軍司令官 Min Aung Hlaing 氏が参加し、その後 議長声明が発出されました。
なお、参加時の服装は軍服ではなくスーツでした。足元はヴィ◯ンの靴…
何の成果も得られないかもしれない、といった前評判ではありましたが、議長声明が出たのは大きいな、と思っています。 また 首脳 と認めない意向を強く押し出し、首脳 ではなく リーダー の言葉を選んだ事もひとつのメッセージでしょう。

タイは 首相の代わりに 副首相兼外相を、フィリピンも外相が参加。すべての国のリーダーが参加ではない辺り、今後 外交上 どのような意味を持つのでしょうか… とりわけ隣国タイ。

この声明に対して、国民統一政府(NUG) の Dr.Sa Sa はASEANリーダー達が合意を取り付けた事を歓迎する等の声明を発出。

EUも支持するメッセージを発出。


なお、これに対してミャンマー国営新聞は
当然ながら議長声明には一切触れず「空港で歓迎された」「インドネシア政府関係者に見送られた」と報道。
会議の目的は
(1)ASEANコミュニティーの構築
(2)ASEANと対外関係 
(3)地域と国際的課題の意見交換
と、触れており。
ミャンマーに関しては「地域復興のための持続可能な努力へのミャンマーの継続的な支援について詳しく述べた」「ミャンマーの政治的な変化」くらいのワードが触れられている程度。

まぁプロパガンダ紙ですから、予想通りっちゃ予想通りですが。

今回のASEANの会合に向けては、日本政府や中国政府もきっと裏で働きかけまくったのではないだろうかと思います…。茂木外相は直前にインドネシア外相などと電話会談するなどしてましたし、中国は 3月末〜4月頭にかけて各国外相を福建省に呼び寄せて面会してました。

今回の声明の中には、拘束者の即時解放が入っていなかったり、当事者には国民統一政府(NUG)やスーチー氏を含むのか?最大限の自制 に意味があるのか? といった「実効性に対して課題は残ります」が…とはいえ、内政不干渉を掲げるASEANが、地域の問題であるとして、5つのコンセンサスを発表できたのは、外交的な大きな成果なのかな、と、よくわからないながらに思ってます。(詳しい人教えてください)

とはいえ、ミャンマーの国民の中には「選挙の結果を尊重せよ」「すぐに学生やスーチー氏含む拘束者の解放を」「民主主義を返せ」「軍を解体せよ」「軍の再構築が必要だ」等の声もあがっています。
そもそも この場に Min Aung Hlaing 氏が呼ばれた事や、国民統一政府(NUG)のメンバーが呼ばれていない事に対しての憤りがあるのも事実です。
とはいえ、今 置かれている状況から「さてどうしようか」と考える意味では大きな一歩な気もしています。

この動きは、今後どうなっていくのか、わかりませんが、
ASEAN特使の選定や実際の訪問日程の決定、対話の実現など、少しばかり時間を要するかと。少しでも早い訪問や対話の実現を待つしかありません。
それまでの間に犠牲者が増えませんように…と祈るのみです。

なんだか、書いているうちに随分と長くなってきたので、今日のところは、一旦締めようと思います。

おまけ

根本先生が 超わかりやすく ミャンマー情勢を説明していただいている動画

下記 クラウドファンディング プロジェクト が 動いているようです。
何かできないか?と考えている方は選択肢の1つに。

「緊急支援:クーデター下のミャンマー市民へ医療・食料支援を」


その他 できる「行動」まとめてます。よろしければ御覧ください。


情報発信をサポートいただけると嬉しいです! いただいたサポートは、情報収集等の活動費に使わせていただきます。