見出し画像

3月17-18日(水-木)44&45日目 民間新聞が消えた日。 CRPHが武装組織のテロ指定解除 等

3/21 12:05 (国営新聞の箇所、最下部のセミナー案内 等追記しました。)
発信方法・頻度 模索中です。サポート・有料課金いただいた方に感謝。
今回は2日分まとめて。ご容赦ください。

国内の動向

▼連邦議会代表委員会(CRPH)

すべての民族武装組織(EAOs)を違法組織・テロ組織指定解除。
ここには様々な憶測の及ぶ余地があるが、EAOsを仲間に取り入れようとの動きであることは間違いない。先日、一緒に会議も行なっており、協調のための第一歩なのか、はたまた…

CRPHの動向 等については こちらに詳しく書かれているので
ぜひ参考にしていただければ、とも思います。


強制的にバリケード撤去

「従わないなら撃つぞ」などとアナウンスをして、住民を殴り、助けを呼ばせたり、銃口を向けたりして、服従させるべく恐怖を与えた上で、バリケード撤去の強制労働を強いている。カフェの従業員を手伝わせている映像も。
中には道路に貼られた 司令官ステッカー剥がしを命じれた女性達も
ライン、アローン、マヤンゴン、南オッカラッパ、ティンガンジュンなど。

関連映像・動画等


▼ミャンマーは新聞がない国に…
既に発行停止していた、The Myanmar Times、The Voice、7Day News、Eleven に加えて「The Standard Time」も水曜日に発行を停止。
独立系新聞社が閉鎖され、これは政治的没落の新たな節目に。
「3月 17日は、短い期間ながら報道の自由が失われた日として刻まれるだろう。」と書かれていた。

ミャンマーではメディアを通した「報道の自由」の剥奪が進む。

簡単な経緯(記事より抜粋)
2/11 「JUNTA」「Regime」等の表現をするな、と軍が主張
2/22 従わないメディアはライセンス剥奪するぞ、と軍が脅し
2/25 各メディアが「正しい報道を行なう」合同声明
2/27 ジャーナリスト・レポーターの逮捕が加速
3/8  メディア5社*のライセンス剥奪と事務所の急襲・逮捕 等
*Myanmar Now, 7Day News, Mizzima, DVB, Khit Thit media.
※その他 2メディア The Myanmar Times, The Voice も営業停止
※Eleven も 4/18 までは発行停止を発表済

メディアはあらゆる弾圧を受け、地元メディアが活動休止に追い込まれている。現在はオンラインメディアが命綱。しかし通信遮断 等を通じてさらなる弾圧。
17日以降は国軍のプロパガンダメディアである国営放送と国営新聞しか報道がないような状態に陥りつつある。



▼逮捕・拘束者 ※AAPP(Burma) より

17日 単日 10名(実際にはもっと多いと見られる)
これまでの 累計 2,191名 うち 1,872名が 今も拘束中

18日 単日 67名(実際にはもっと多いと見られる)
これまでの 累計 2,258名 うち 1,938名が 今も拘束中
※いずれも固有名詞での確認が取れている人数

▼死者 ※AAPP(Burma) 参照

17日 単日 少なくとも 9名/これまで 累計 217名 超(前日分 +6名も判明)
・カレー(サガイン管区) 通りや広場の銃撃で 4名死亡(抗議者 1名、抗議に参加していない 3名が死亡 )
・南ダゴン 女性 1名、頭を撃たれて死亡
・ライン 男性 2名
・マンダレー 男性 1名、頭を撃たれて死亡

カレーでの銃撃



18日 単日 少なくとも 3名/これまで 累計 224名 超(前日分 +4名も判明)
・タムウェで 13歳少女が殺され、遺体は軍に回収された
・前日、生活苦のために金を売りに出掛けた、南オッカラッパの男性が道中で撃たれて怪我。そのまま拘束されてこの日死亡が確認された(なお遺体も金も戻ってきていない)

・肉体的・精神的に苦痛を与えられる拷問を受ける犠牲者が増えている
 3/15 @モンユワ CDM参加を理由に逮捕 → 翌朝 拷問を受けて死亡

▼夜間の動き(前夜分)

軍は襲撃・拷問・殺人を繰り返すのみならず、私有財産・公共財産の略奪も行なっている。夜間に放火や道路脇に止めてある自動車の破壊なども行なう。しかも、国営放送を通じて一般市民が加害者と放映…。

▼ネットブロック ※NetBlocks より

17日 深夜 1時〜朝 6時半 まで 固定回線が通信遮断
18日 深夜 1時〜朝 9時 まで 固定回線が通信遮断

モバイル通信は 深夜 1時以降 終日利用不可
夜間の通信遮断 連続 33日目 + 終日 モバイル通信遮断 4日目(3/15〜)

加えて 3/18 には MyanmarNet 等の 公共Wifi サービスも遮断。
今のところ 残るのは 固定回線のみ。

※具体的には、MPT, Telenor, Ooredoo 等のモバイル通信は利用不可で
 在宅勤務や田舎エリアなど影響は広範囲。

▼CDM(市民的不服従運動)

さらに 外交官 4人が CDMに参加(パリ 2名、東京・ローマ 2名) 
ミャンマーの在外公館駐在の外交官 20数名(米国、英国、日本、スイスの大使館スタッフ含む)が軍政のために働くことを拒否(≒CDM参加) 

CDMに参加した 中央銀行のスタッフ 212名を 停職処分に。
CDM参加者に対して、公務員の拘留、解雇または停職、官舎からの立ち退きなどの対応を強めている。


人なしの抗議が増えている。

▼民族系

木曜日、カチン州の カチン独立軍(KIA)は パカンにて国軍キャンプ地の警察基地を攻撃。


ミャンマー国軍の動向

▼国営新聞(朝刊) ※あくまで国軍が 言い分主張するメディア

※追って更新します。

3/17 国営新聞(こちら
1面:選挙管理委員会からの報告/軍病院で医療サービス提供
(概要)2/5 以降の軍の病院での治療数、手術数、出産数など
-------------------------------------------------------------------------
(その他)選挙管理委員会からの報告/政党政治とは縁遠い人を行政区の担当に任命する(≒NLD関係者を外す の意味かと)/第18回 ASEAN軍事情報会議 オンライン開催。テーマは「We Care, We Prepare, We Prosper」/バゴーのミャワディ銀行(軍系銀行)とザガインのMytel(軍系通信社)のタワー襲撃される/タイヤ燃やしたり 音爆弾使ったり国有の建物や車両の破壊、ATM破壊 などが起きている(※やってるの軍では…?)/戒厳令 1ページ記載/15日 CRPH Dr. Sa Sa に反逆罪で逮捕状/自動車免許センター運営再開/COVID-19 ワクチン接種(僧侶等)/ラインタヤ Zone 1 で放火とみられる火災発生/ミンガラタウンニュでバリケード撤去(軍・警察等の手で)/消防士 4名逮捕/民間銀行閉鎖にも関わらず農業輸出が増加(10/1 - 3/5)/インド-ミャンマー国境貿易 

色々と酷過ぎる内容。自分たちで 実弾使って国民を殺し、一般人の車を破壊し、窓ガラスを割り、といった行為を国民のせいにしようとするとか悲惨。
バリケード撤去も、軍が銃で国民を脅してやらせている。極悪非道なやり方。それをまるで自分の手柄にするとは。地方部での軍系施設の襲撃が起きている様子。貿易とか掲げており、経済は気にしている様子が伺える。

3/18 国営新聞(こちら
1面:軍病院で市民への医療サービス継続/ドーキンチー財団の調査結果の発表
(概要)寄付や海外NGO・INGOからの寄付が合計 790万ドル超あり/イギリス・中国・米国・チェコ・モンゴル・日本・韓国・イタリア・トルコ・シンガポール・インド・ニュージーランド・台湾等の団体から寄付あり/約 100万ドルは口座にあるがそれ以外は引き出されている/借りている土地が不当に安く、政府の取り決め基準価格と比して ◯億ksの差額が出ている/財団の目的から逸脱した行為が繰り返されている/詳細は調査中で追って報告
-------------------------------------------------------------------------
(その他)選挙管理委員会からの報告/CDM参加者には行動をとる/金利 1% のコロナ融資の返済期間 1年に達するが 6ヶ月延長/国家行政評議会に MUP(モン統一党) の Dr. Banyar Aung Moe 氏任命/シュエダゴンパゴダとカバエパゴダに敬意表する(寄付)/喚起に水不足に陥る村への飲料水供給を検討中/Maung Waik が スーチー氏への賄賂を語る。自分のビジネスのため閣僚に寄付や現金支援をしてきた。これまで 10万ドル+15万ドル+5万ドル+25万ドル等(4回中 3回は誰も見ていない) 汚職防止法に基づき対応/宝石関連会議/国の発展に不可欠な  CMP(委託加工形態 *cut,make,pack)事業の規模拡大を会議/CRPH 副代表も告発/Kyaw Moe Tun氏に逮捕状(2/26 国連総会でのスピーチが大逆罪)/製造業輸出 減/ヤンゴン各地で軍や警察等によりバリケード撤去。住民が水やお菓子などを提供/ラカイン州での対応議論/観光業に関しても議論

ドーキンチー財団への言いがかりが酷い。土地の賃料うんぬん言うんなら軍系幹部の事業は? ってなる。モン統一党 が 行政評議会に参加。モン統一党は軍に近寄る選択をしたとの報道があったが、それを軍も認める結果に。モン州内は割れそう/Maung Waik の賄賂の件は、まずはこの人物を逮捕だろ…としか思えないし、そもそも軍寄りのビジネスマンで信用性ゼロ。それでも信じる人いるのかな…/ラカイン州、観光、委託加工事業、ローンの返済期間延長など 経済、和平 に関わる手を打とうとしている感はある

▼国営放送でスーチー氏に賄賂を渡した人物登場

アウンサンスーチー国家顧問にさらなる汚職の疑い、と軍のプロパガンダ放送「国営放送」が流した。
それを語った人物が黒すぎる。黒い人から「お前は黒だ」と言われても…って感じの謎の展開をつくる国軍。あまりにも下手くそな感じがすごい。もはや…。詳細記事は下に貼ってますので興味ある方はどうぞ。

汚職?に関わる 詳細記事


国際社会の動向

中国の利益を守るためにミャンマーに「より積極的な」措置を要請

国連チームは、軍の犯罪の証拠を集めて訴訟も検討へ

ICC等 の国際裁判へ訴える方法も模索中


▼経済制裁

特に大きな動きを 把握できておらず

▼ASEAN


▼日本

特に大きな動きを 把握できておらず

私の所感 + おまけ資料的な何か

最近、ミャンマー関連セミナーが多い。私は、時に運営している側にもなる。
今、できることを考える中で、情報の発信はもちろん、情報をまとめておくことをひとつ大切にして、このnoteをはじめた。大変だけど、いろんな方に目を通していただき、さらにはたまにサポートなんかもいただいたりしており、おかげさまでがんばれております。本当にありがとうございます。

で、情報発信の一貫としてセミナー開催し、素材集めとしてセミナー参加にも時間を注いでいる。 18日の中西先生・工藤先生・長田先生のセミナーはめちゃくちゃ面白かった。メモはまとめてあるので、どこかでまとめ直すか、要検討。ニーズあればやります。(あれば、コメントなりDMなりで教えてください)

それはさておき、セミナーは 開催する毎に、参加者が微妙にズレる。開催主体が異なれば、影響の範囲が若干ズレるため、1人なのか2人なのか10人なのか100人なのか、参加する人がずれて、広がる。だからこそ、いろんな団体が、いろんな切り口でミャンマーセミナーをやっていることは、大いに価値がある、と私は感じている。
若干、緩かったり、自分とは解釈が違ったり、引っかる部分もたまにはあるけれど、それ以上に 毎回 学びがあるし、疑問が解消されるし、いろんな人の見ている世界を知ることができる。

といったわけで、セミナー情報は積極的に発信していこうと思っております。(自分が開催するやつや喋るも紛れてますのでご容赦。)

▼各種のイベント案内

3/22(月)20:00〜21:30  ミャンマークーデターの法的分析

ミャンマーで法整備支援に関わる弁護士の小松さんが登壇。(※個人の立場として) ミャンマーの法律をかなり詳しく知る専門家によるお話ですので、その立場からのクーデターの法的分析は絶対に面白い、ということで依頼をさせていただき実現。
個人的には「違法だよね?そうだよね。」と確認したい想いが強いが、改めて 原点というか、今回の騒動のスタート地点である ミャンマー憲法 417条あたりを覗いてみる機会でもある。


3/24(水)16:00〜17:30
クーデターの日本社会&ビジネスへの影響と展望
〜1988年のクーデターとの比較、現地記者、危機管理、Z世代〜

一言でまとめると、伊野先生登壇! 1988年 ミャンマー大使館におり、専門調査員として働いていたわけで。これはつまり 88年にミャンマーで何があったのか、を誰よりもよく知る日本人の代表格が伊野先生であるという事だと解釈しています。先日、打ち合わせにお邪魔させていただいたが、88年との比較は面白いし、語り口も軽快で、期待度高いです。

しかも、ここに現地滞在の記者危機管理のプロZ世代 x ミャンマーをよく知る大学院生 というプレイヤーも華を添えてくれます。彩り鮮やかでいろんな視点から学び直しができる場になると想像しています。

88年当時を描いた 伊野先生の代表的な著書のひとつ
「ミャンマー民主化運動: 学生たちの苦悩、アウンサンスーチーの理想、民のこころ」


3/25(木)19:00〜21:00
ミャンマーの民主主義を守るために〜日本の官民の責任〜

2月にもビジネスと人権に関するセミナーを行なっていた Human Rights Nowさん主催。この 1ヶ月の中で、人道危機はより悲惨なものになり、軍による非人道的な報道はかなり増えた。しかも今は メディア弾圧など言論の自由も弾圧され、市民はインターネットへのアクセスも遮断され、人権侵害がさらに進んでいる。そうした状況にある、今のミャンマーにおける日本の官民の責任を考える機会は貴重。現状をビジネス的な視点から捉えるだけでなく「人権的な視点」から捉え直すのは不可欠かと。


3/27(土) 14:00〜16:30
風雲急を告げるミャンマー! ミャンマーの柳生一族2021

ミャンマー関連の作家といえば高野さん。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットーの高野さんは、ミャンマーの奥地 にも何度か足を運んでいる。
アヘン王国潜入記、西南シルクロードは密林に消える、謎のアジア納豆 そして帰ってきた〈日本納豆〉 などのミャンマー関連書籍があるが、その中でも 2004年当時のミャンマーを描いた「ミャンマーの柳生一族」をテーマに語られる、との事。手元にありながらもまだ読めてない本なので、この日までに読んで参加しようと考えております。最悪 出れなくても アーカイブがあるようなので、それも含めて 「買い」だと思ってます。

こちらが 高野さんが今回テーマとして語られる本。(kindleもあります)


3/27(土) 19:30〜21:00
ミャンマー・カレンってどんなとこ?少数民族の多様な世界とクーデター

現在、ミャンマーにおけるクーデターでちょこちょこ話題にのぼっているのが「KNU(カレン民族同盟)」。なんとなくカレン州を母体としていそう?カレン族? そもそもカレン州って、どこにあるの? 少数民族武装勢力との違いは? とか気になる点も多いはず。
比較的 緩やか目に カレン州 や 少数民族の世界 を語っていただくイベントだそうです。ぜひ興味ある方はどうぞ!

かなりコアな内容ではありますが、参考書籍はこちら

読んだ上での感想や追加情報など、ご連携いただけると励みになります!

いつも、シェア や サポートなどちょこちょこ頂いております。
本当にありがとうございます。嬉しいです!



いいなと思ったら応援しよう!

meltmyself
情報発信をサポートいただけると嬉しいです! いただいたサポートは、情報収集等の活動費に使わせていただきます。