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秋深まれり/あたたかな食卓
緑や、オレンジの…自分の手なんかより大きな葉が道に落ちてるのを見る。辺りを見ると恣意的に配置されたんであろう間隔で様々な木が植えられてあって。
きっとこの道を通る人は感情を揺さぶられ創作に昇華させたりもするのだろうなとポケーっと思う。
∴ ∵
住宅街の一角からホットケーキを焼いたような香りがした。
そのあたたかさに胸がキュッと苦しくなる。
ホットケーキは淋しい。ぽそぽそした食感や口にふくむ感覚を思い出すと尚更。そう思うことを何となく、悲しいことだと思う。
道端で感じるごはんのにおいは気持ちを切なくさせる。本来なら心踊るもののはずなのに。
自分の持つ幻想と現実が一致したことへの感動なのか、自分がその卓に入っていくことが出来ない疎外感からなのか。
嬉しいやら悲しいやらで助けてと叫びそうになってしまいます。
安心して。誰もいないから。
実際に叫びたいなんて、思ってても出来ないから。
でも、もしこんな事が誰かの耳に入ったら居心地の悪さを感じて頓死してしまいます。
好きなように好きなことを書いているのは、私が一人ぼっちだからというカラクリがあります。だからね、失うものが何も無いんですよ。今更何も。