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現実と非日常の狭間、それがワールドトリガーだって話さ

作品趣味が同じでかなりの信頼を置いている友人にワールドトリガーを見てくれと頼まれたのが、私のワールドトリガーとの出会いだった。厳密に言うと、最初はワートリは配信サイトが少ないから漫画を読んでくれ、今なら無料で1期の部分まで読めるから!と勧められたんだけど、20話くらいまで読んでから謎に一息ついてしまい失速。2期1話が放送された後にふとNetflixを覗いたら「え!あるやんけワートリ!アニメで履修すればええんや!」と決意を新たに再履修をぶち決めたというのが簡単な経緯である。そしてこのお気持ち文を書いている私はワートリ1期全73話を見え終えた私で、現在2期2話の放送が丁度終わったというタイミング。え?我ながら履修が鬼のように早い。暇人だと思われても致し方ない。何なら同じ期間にアイナナのイベントも回してたし、ツイステ5章後編も読み終えてるし、よほど頭がおかしいのかもしれないが、大いなる現実逃避ということにさせていただきたい。話を戻すと、結構前の段階からワートリは勧められていた訳なんですが、やっとこさ追いついたのでとりあえずこの1期に対するホットなお気持ちを綴っておきたいな、という所存なのでどうかお付き合い下さい。

まず作品のテーマについて。
「約28万人が住む三門市にある日突然異世界へのゲートが開く。ゲートからは近界民と呼ばれる怪物が現れ震撼するも、謎の一団が現れて怪物達を撃退する。彼らは界境防衛機関、通称ボーダーと呼ばれる組織の人間で、ボーダーは防衛体制を整えることで三門市とそこに住まう市民たちを守ることとなった。結果的に三門市にはその後も度々近界民が現れたが、市民たちは普通の生活を送っていた。」
というような内容が最初のナレーション。(良い意味で)よくある非日常的なバトルアニメといった印象を受けたんだけど、それにしても怪物が現れるってのに引っ越さない市民と、継続して市民を住まわせる国の方針すげ〜〜の感情になってしまった。ボーダーの権威というか、絶対的な信頼はどこから来るんだろう、どんなに隊員が強くてもそれだけじゃ難しいだろうにな、とここで謎に現実的なことを考えてしまったんですけど多分それは全く必要のない思考だったんでしょうね。ボーダーはすげえ〜〜んだな!とだけ考えることにしました。
とまあ、作品背景としては上記の通りなんですが、私がワートリを見ていて良いな、と思った点をいくつか挙げさせていただきたい。 

①三雲修が"等身大の男の子"であること

三雲修はワートリにおける主人公。この作品について話す上で彼は必要不可欠な存在なわけなんですが、彼が「等身大の男の子である」というのはどういうことかというと、簡単に言えば弱いってこと。え?弱いことが良い事なん?と思うでしょうが、まあ要はそういうことです。弱いからこそ周りの全てを吸収しようとするし、それは初めてこの世界に触れた読者と同じスピードと熱量だったりするわけです。単純に親近感が湧いて感情移入がしやすい。色んな作品が溢れる中にその作品の数と同じだけ主人公はいて、最初から最強だったり、突然謎の力を手に入れて強くなる子もいたり。どれも魅力的だけど個人的には現実世界の男の子と等身大の、強くなりたいけどなかなか上手くいかない、成功したら喜んで、失敗すれば落ち込んで、どうしたらいいのか分からなくなって迷って、馬鹿にされたり叱られたりしながらも必死に食らいついて努力していくような主人公って、思考回路に理解も出来るし、一緒に進んでいけるような身近さがあっていいなあと思う。エヴァンゲリオンの碇シンジくんも良い意味でも悪い意味でもすごく現実的なキャラクター設定で、現実世界の普通の人間がいきなりエヴァに乗れと言われたら、多分シンジくんと同じ反応になるだろうな〜って感じなんだけど、三雲くんにはその感覚と同じような気持ちになれるんだよね。ただ、弱いけど弱いことを理解して、どうやって強くなるかを頭を使って常に考えてる。弱いけど決して馬鹿じゃない、そしてこれは次のテーマで話したい所なんだけど、ただ戦闘能力があるだけじゃ勝ちに繋がらない時、三雲くんの"考える強さ"が生かされてくるわけで、そこもワクワクさせられるところだな、と感心させられました。

②超パワーだけじゃないリアルな戦闘シーン

これに関してはもう誰でも思うんじゃないか?というくらいワールドトリガーの大きな魅力のひとつになっている点だと思っている。勿論バトルアニメなわけなので戦闘シーンは付き物なんだけど、近未来的且つ非日常性の高い"トリガー"という武器を使用しつつただの超パワーでは終わらせない、理路整然とした戦闘方法に思わずグッと来ます。あ、そういうの好き・・・ラブ・・・の感情に取り憑かれた瞬間から、私の"ワールドトリガー最後まで観たい人格"が颯爽と立ち現れた。あの〜〜なんというか、アニメに現実性要らない派と、その逆がいると思うんですけど私は見事に後者のタイプで。それはファンタジーが苦手とかそういう話ではなく、仲間達の想いが通じて漲った超パワーでドカンと一発!ボスも倒れてハッピーエンド!みたいな、え?その超パワーって何?って考えた時に一生答えが見つからないような作品はモヤモヤしてしまうから苦手という話。要は「これってどういうことだろう?」と考えた時にきっちり作品の中に答えが見つかるような作品が好みなんだよね、バトルシーンに限らずなんだけど。ワートリはその辺がしっかり綿密に練られてて凄い!天候と地形、連携や戦略、その上で成り立つトリガーによる攻撃。全ての辻褄が合っていて、作者の葦原先生はめちゃくちゃ頭いい人なんでしょうね・・・。アニメ1期の中だけでもいくつものバトルが繰り広げられているけど、対ネイバー戦と対人戦の大きく2パターンに分かれてて、私は特に対人戦が面白いな〜〜〜と思ってました。トリオン体だと攻撃されても痛みを感じないように設定できるとか、攻撃が当たっても生身に傷がつかないとか、だからこそ勝つための戦略のひとつとして自分の腕を切り落とす選択を取ったり、戦いの幅がめちゃくちゃ広がってて、キャラクターが思わぬ動きや選択をしたりするから終始ワクワクしながら観られる!千佳はスナイパーだけど大砲娘って呼ばれてて、超パワー的な能力を持ってるけど、それはちゃんと"トリオン保有量が多いから"という裏付けがあるからだったり、ちゃんと理由が明確なのが本当にありがたいし、面白い。
それに加えて戦術の秀逸さ。①で三雲くんの話をさせてもらったけど、三雲くんは戦力的には弱いんだけど、戦術を練るという行為に努力を惜しまない。夜中の2時まで画面や教材と睨めっこしながら必死に考える、そしてその考えた努力による戦術が上手いこと発揮されたりする。どうしてもランク戦ではアタッカー且つエースの優真が目立つし実際点も取るけど、黒トリガーを使用せずに点を取ってチームを勝ちに導けるのは、実は三雲くんの戦術のお陰だったり、チームワークのなせる技だったり、そういう点がある種現実世界のスポーツにも似ている様で凄く腑に落ちる。力の差だけが物を言うのではなく、陰ながらの努力がしっかり評価として現れる、だけど決してただの精神論でもなくて辻褄合わせがしっかりと出来ている、という点がワートリの魅力の1つだなと思いました。

③魅力的なキャラクターたち

最後にこれに関しては私の好きなキャラクター大公開スペシャル!!!!といった感じなので頭を空にして読んでいただきたい。もはや読まなくたっていい。それくらいのレベル。
基本的に私は強気だけど危うくて、思わず守りたくなるような男か、ぽやぽやした面のいい男が好きです。初めに言っておきます。例えば弱虫ペダルの荒北靖友、ヒプノシスマイクの碧棺左馬刻、僕のヒーローアカデミアの爆豪勝己、轟焦凍、などなど...数えきれないくらいいるんですけど、それに沿うようにワールドトリガーでは三輪秀次くんとヒュースくんが好き....まず初手から三輪秀次くん、怒っていてめちゃくちゃ可愛い!そして強い!見境なく「近界民は全員敵だ!だから殺す!」という極端な思想で近界民を見ている。だから当然遊真も敵だし殺したいわけなんだけど、黒トリガー持ちの遊真を倒すことは出来なくて....お前は私が守る!励ます!だから大丈夫だよ!フフフ!と謎のレスキューババアが立ち現れてしまった。あの悔しそうな顔!天下一品!結局あの後遊真はボーダー隊員になったから遊真を倒すという彼にとっての大義名分は失われてしまって、拗ね散らかしている三輪くんも可愛い、でも結局大規模侵攻の時はちゃんと迅さんに頼まれた通りに、遊真の仲間である三雲くんを助けに行ったしね、根が優しい子すぎる。そもそもなんでそんなに近界民を恨んでるの?って話なんだけど、近界民に大好きな姉を殺されたからだって.....重い過去を!持つ男!LOVE!基本的にね、復讐で闘う男って本当の強さにはたどり着けなかったりするわけだけど、姉を殺されたその雪辱を晴らすためにA級の隊長にまで上り詰める男......その努力、本当に大変な思いをして今のポジションまで駆け上がってきたんだろうなと....思ったら....もう守りたい以外の感情ないです。いつかね、復讐以外に彼を支える大きな糧が出来るといいなと切実に思っている。頼むよ、頼むよ....................
ヒュースくんに関してはもうなんかぽやで可愛い。アフトクラトルの角持ち近界民、それなりのトリガーを保有していて戦闘能力も高いし、かなり国では重宝されているようなポジションなんだけど最後に置いていかれる....かわいそう.....しかも家族みたいに育ててくれたご主人が次のアフトクラトルの神に選ばれそうらしい。なんだそれ、大変じゃんか、たい焼きだのどら焼きだの食べてる場合じゃないよひゅ〜ちゃん。(ヒュースくんのことひゅ〜ちゃんって呼んでたらモンペなの?と友人に聞かれた)正直申し上げて、置いていかれたという事実自体が可愛いなと思っている節がある(ごめん)そして置いて行かれた玄界の地でカピバラに乗った子供と何だかんだ共生しているのも.....可愛い.....ご飯を食べた後はご馳走様って言うんだよって言われて素直におてて合わせて「ごちそうさまでした」が言えるの偉い!いいこ!大好き!になる。2期のキービジュでひゅ〜ちゃんが玉狛の隊服着てるの見てしまって、なんかもう全てをお察ししたんだけど、今後も彼の活躍に期待している。がんばれひゅ〜ちゃん、そして出来れば帰らないでくれ、帰ってもいいけどまた戻って来てくれ。
他にも沢山キャラクターが居て、鳥丸京介くんとか風間蒼也くん、犬飼澄晴くんなんかも結構好きなんだけど彼らの話までしているとキリがないのでとりあえずここまで。また2期とか漫画とか観てたら話したくなる子が出来るかもしれないので、その時の機会に取っておきます。

惜しいなと思った点

ここまで私が感じ得る範囲のワートリの魅力を語ってきたんですけど、本当にここは惜しいな....と思ったところがあって。まあ作画に関しては朝アニメの宿命だろうし、作画良くないのは分かってて観てたからいいんですけど、何が惜しいってアニオリ部分。あれさえ無ければもっといいのに、もしくはもっと面白ければ......16話くらいアニオリ部分があって、B級ランク戦の途中に急に挟んでくるんだけどまあこれが酷かった。突然合宿?ランク戦に備えてってことか〜って思って何となく見てたら超駄作の劇場版か?ってくらいの仕上がりだった。急に出てきた近界民の身の上話とか、いや全然興味無い........なに.......?極めつけに陽太郎の冒険とか、え?これは一体......と思って流石にそれは飛ばした。見始めた手前この逃亡編とやらも観ないとかなあと思って見てたけど、終盤うっかりイライラしてしまったレベルなので、これからワートリ見るぞ!アニメで!って人は逃亡編は飛ばしていいと思います。ワールドトリガーという作品の魅力をアニオリの逃亡編が霞ませている.....私のサイドエフェクトがそう言ってんだ。

まとめ

ここまでダラダラと書かせてもらいましたが、総合的にめちゃくちゃ面白かったし、今後もアニメ楽しみだな!というワクワク感しかありません。2期のOPで1期の「ここ綺麗な作画で観たかったな〜」と思ったシーンを詰め込んでもらったので、作画が残念だった事ももう帳消しです。2期!今後が楽しみ!頼むからもうアニオリだけはやめてほしい!
また1つ面白い作品に出会えました、勧めてくれた友人に感謝、ありがとう!
他に描きたいこと見つけたら付け足しするかもしれませんが一旦とりあえずここまでにしておきます。

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