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上映終了が迫る羅小黒戦記を鑑賞したが最高だったという話(ネタバレ有り)


 ※しっかりネタバレしているので未鑑賞の方はご注意ください※

 ずっと気にはなっていた羅小黒戦記、Twitterでフォローしてる絵師たちが次々に鑑賞してはお気持ちレポを投稿していた今日この頃と言うかそれはもう早1ヶ月程前の話だが、気にはなりつつもなかなか重い腰が上がらずに実際に鑑賞するのもこんなに遅くなってしまった。そして今それを深く後悔している。いやなんでもっと早く観なかった?1ヶ月前の自分をボコボコに殴ってでも「羅小黒戦記を観に行かないお前はろくでなしだ!!!」と罵声を浴びせ映画館に向かわせたい。それくらい個人的に性癖に刺さる作品だった。明日の上映も調べたけど丁度いい時間がなくて……どうにかして一刻も早く2回目のロシャオシャブをキメたい。うう……だってもう皆可愛いんだもの……シャオヘイもフーシーもムゲンさまも他のみんなもみんなみんな可愛いよう。苦しい。

 まず初手はシャオヘイの愛らしさですよね。
 おめめくりくりの黒猫ちゃんから愛らしいショタになるもんだから…私本当に予告も絵師のレポも一切見ずに事前情報無しに挑んだので、猫がショタに……!?とまずそこで可愛さで死んでしまいました。花澤香菜ちゃんの声もまあもうお似合いなこと…正直めちゃくちゃ愛おしかった。多分あの声合間ってだよねとも思った。可愛いんだけど、可愛いだけじゃなくて、好きなものには好き、嫌いなものには嫌いと言える素直さと、懐っこくて子供らしくはしゃいでる純粋さと、たまに見せる芯のある強さと優しさ、もうとにかくシャオヘイの何もかもが愛おしかったです。

 そして皆大好きムゲンさま。
 初登場の時はなかなか喋らないし、フーシーたちに攻撃してるし、いきなり現れて何!?折角見つけたシャオヘイの居場所なのに…!って思ったんだけど、徐々に日常パートで見せる天然さに「あ、ムゲン(まだこの時は様呼びしていなかった)って口下手なんだ!」って気付かされる。

 ご馳走すると言ってシャオヘイにたらふくご飯食べさせて、会計のときお札はボロボロだしスマホも壊れてて…結局食い逃げしちゃうムゲン様本当に愛おしくて〜〜シャオヘイと一緒に焼いた肉ペッってするのも可愛いし、ああもうそういうのずるいんだよ!って思わず頭を抱えてしまった。

 無口でジト目で何考えてるのかわからない時が多いけど、ふとした瞬間シャオヘイに向ける優しい微笑みに心が掴まれて一生離れられない。ドストライクにも程があるしあんなのオタク女なら誰だって好きになるでしょう……!?!?シャオヘイに「フーシーは悪い奴じゃない。…お前もだ」って言われた時のムゲン様の表情たるや……時を重ねるごとに懐いていくシャオヘイは勿論可愛い、でもあのシーンばかりはムゲンさまが愛おしすぎてね、いやもうあんなの反則なんですよ。

 それに付け加え後からだんだん仲間思いなところとか、情に厚いところも垣間見えてきて、最終的にシャオヘイが力を吸い取られたのを知って青筋立てて怒りを露わにするのほんとに…なに…やっぱり私ぽやぽやしたキャラが本気でキレる表情が大好きすぎて、何においてもムゲンさまが完全に私の好みでしかなかった。大人しい宮野真守(大人しい宮野真守)の演技も完璧でした。

 そしてたった今全く関係ないんだけど友達に彼氏ができたと報告を受けた。フン!私にはムゲンさまがいるからいいもんね〜〜!

 極め付けのフーシーの魅力も底なし、というかフーシーはもう全世界の誰もが守りたいって思ってしまうんじゃないか?とさえ感じられてしまう。映画を見て数時間経った今、フーシーの事を考えては胸が苦しくなっている。ムゲン様に対するラブの感情とはこれはまた違うものですよ。フーシーに対する感情はまずこの作品におけるテーマから先におさらいをしてから、述べさせていただきたい。

 ここだけは真面目に話しておきたいところなんですが、羅小黒戦記という作品における大きなテーマは「共生」だと思うわけです。

 今現在、この現実世界で人間と、その他の生き物たちが弱肉強食の円環の中で共生しているのと同じように、人間と人間と同等の知性を持つ妖精は共生できるのか否か、というような壮大なもので。妖精の暮らす自然豊かな緑の美しい世界を、人間が冷たい重機で壊していく。しかし人間にも人間なりの暮らしがあって、そこに善悪は基本的には介在していないように思える。それは彼らの、そして現実世界の私達にとっても快適な暮らしの為の行為であって、生き方そのものが違っているから。

 その齟齬のどこに照準を合わせて、彼らは"共に生きる"べきなのだろうか?という点をしっかり考えなきゃいけない。何が正解で、何が間違いか、深く考えさせられる作品世界に、美麗な映像と躍動感ある音と共に思わず引き込まれたし、考えさせられたわけです。

 ...はい、とまあここまですごく真面目に語らせていただいたんですけど、要するに対等とは何だ、というところなわけで、共にお互いの種族としての尊厳を保ちつつ生きていく上で考えなきゃいけないのは"対等であるかどうか"と対等でなかった場面で"及第点を生み出せるか"いう点だと思っていて。

 例えば1ピースのショートケーキを2人で分け合うと考えた時、苺が乗っている方と乗っていない方とに分けたら対等とは言えない。でも片一方が「苺はキミにあげるよ」と言ったなら話は別になる、簡単に言えばそういうことだ。

 どこを譲って譲られるか、そう考えた時に今の現状を対等ではないと感じたのがフーシーという妖精だったし、そう思うのも仕方がないとも思ったんですよ。いやだって当然でしょう....自分の愛した世界を跡形もなく壊されてしまったんだから....それでもフーシーは最初こそ人間との共生を楽しんでいたりもしていたわけで、頭ごなしに人間を否定していたわけじゃない。最初は譲り譲られるというカタチがしっかりと成り立っていたんだよね。祭囃子の音色に魅せられ、燈籠の優しい灯りに心落ち着かせ、人間たちが創る豊かな文化に思わず微笑みを浮かべた頃だってフーシーには確かにあった、その時までは対等だったはずで。それがいつからか変わってしまった、そのことに耐えきれなかった、そりゃ当然だよねって思いました。

 妖精は皆人間が嫌いってわけじゃないと思うんですよ、だけどその及第点の決め所が本当に難しいなって。フーシーだけじゃなくてシャオヘイも住む世界を人間に奪われてしまった妖精なので、人間のことは嫌いだったけど、高く空に舞い上がった人間たちの凧を見て、きっと美しいと思ったはずなんだ。

 フーシーは人間を滅ぼそうとしていたし、そうしないと人間が妖精を滅ぼすと思っていた。そこまでフーシーに憎まれる人間の浅ましさって.....でも自分自身もこうして見渡す限りコンクリートが広がる世界で当然のように暮らしていて、そう思うと人間の人間たる暮らしの中でそういう文明の発展っていうのもやむを得ないものではあるよね、とも思ってしまうし、だけどそういう人間の行為で温暖化も進んでいるわけだったり、フィクションの世界でありながら現実の社会問題と上手く結びつけているな、と思いつつこれはかなり難しい議題だな...と感じる。

 フーシーはさ、守りたかっただけなんだよね、自分の愛するもの全てを。美しい自然と、大事な仲間たちを。そこがもう余計にしんどくて。最初に独りぼっちだったシャオヘイを拾ってから、物語が進むにつれてあれ?もしかしてフーシーってあんまり良くないことしてる...?って思わされて、最後.........もう涙無しには見られなかった。

 良くないことをしているというのは人間側からの視点だったり、人間と共生を望んでいる妖精側の視点だったりするわけだけれど、こうして作品テーマについて考えると一概に悪いこととは言えなかったりする。フーシーはあまりにも1人で抱えているものが大きすぎるんだよ....正義とか悪とかではなくて、目指す場所とか求めるものがどうしたって違うんだよね。

 唯一悪い事だと断定出来るのはシャオヘイの命を犠牲にしようとしたところかな。フーシーもきっと人間が妖精に酷いことをしているのは何度も見てきていたりしているに違いないんだけど、それで誰かを傷つけていい道理はないんだよって話で。純粋で可愛いシャオヘイが小さな声で「僕の力が欲しくて、だから親切にしてくれたの...?」って、いやいやもうそんなこと言わせないで....って胸が締め付けられた。

 だってずっとずっと信じてたんだよシャオヘイは、ムゲンさまと一緒の時も、ずっとフーシーのところに帰りたいって思ってたの、ずっと仲間と呼んでくれたこと信じてたんだよって。最初シャオヘイが人間に襲われているシーンがあったけど、身終わったあと考えたら完全に操られて......アクウの能力じゃん.....それ.......になってもうそこに関してはフーシーお前〜〜!!ってなったよね。最初からそのつもりで、そのつもりで.......もっとほかにやり方あったんじゃない!?!?ってシャオヘイを想う人格の私が叫んだけど、きっと考えて考えて他になかったから実行したんだろうな...うう....窮地を救って仲間に引き入れる作戦、まんまと成功ですよ、なんなら私だってね、フーシーに終始メロメロだったからね。何度も大好きって思ったんだもん...でもシャオヘイを傷つけたことだけはね駄目だよって思った次第です。

 そんで胸が熱くなったのは最後のムゲンさまとフーシーの戦闘シーンですよ。爽快感と躍動感のダブルパンチで、終始鳥肌ものでした。フーシーの領界内でムゲンさまも思うように動けず、ってところでフーシーがお前さえいなければシャオヘイは仲間になって一緒に妖精たちの世界を作って笑っていたはずなんだ!喜んでいたはずなのに!みたいなこと言うじゃないですか、そこからのトドメの覚醒シャオヘイ「誰が喜ぶって?」でエェ〜〜〜〜〜〜!と心の中で叫んですっ転んだ。ムゲンさまの横に立つシャオヘイ.....うえーん2人の絆が尊すぎてわたしはもう、もう.........まだ自分の力を使いこなせないシャオヘイに優しくお前ならできるって鼓舞するムゲンさま.....無表情無口の大人と天真爛漫なショタの組み合わせってやっぱり世界を救うんじゃ.....?と本気で思ったしこの感覚って世界共通じゃん!すげえや!と感心した。

 オタクが感心している間に2人がフーシーに打ち勝ってさ、戦いが終わるわけなんだけど、シャオヘイが領界を消すってなった時に必死に「やめてくれシャオヘイ」と懇願するフーシーの酸欠になった荒い息遣いが苦しくて、ボロボロなのにそんなに必死になってさ、いやもう背負ってるものが大きすぎるんだやっぱり、彼は。ここで終わらせるわけにはいかないんだよっていう気概を感じたし、フーシーからしたらそりゃあそうだよね、って、思わず味方しそうになるくらい胸が締め付けられた。いやずっとフーシーの味方の気持ちでもありますけどね、ずっと守りたいしかなかったよ終盤。

 でも当然だけど結局シャオヘイは領界を消して、街の平和は取り戻せて。ああよかった、ってなったわけです。え?そう、良かった....とはね、なるんですけど、え、フーシーは...?どうなっちゃうの.....?死んだりしないよね?大丈夫だよね?ってここで私はめちゃくちゃ心配になりました。ムゲンさまLOVEだし平和が取り戻せて良かったとは心から思ったけどさ、フーシーのことがもうそれはそれは気掛かりでならない。フーシーにも幸せな未来を....と切に願った。

 そしたら「もうここから、離れたくない」って..........もうね、駄目ですよ、本当に、そういうの。涙バカバカ流れてきて、幸せを願うことしか出来ない自分のやるせなさとが相まって感情ぐちゃぐちゃになった。あんな...あんな顔で離れたくないって、そんな.....フーシーがこの世でいちばん愛した、変わり果てた故郷。変わり果てたとしても、あの場所に居続けたいと思ったフーシーの深い深い愛情の心、最後になって痛いほど伝わってきて苦しいどころではなかったよ。それに、最後の最後で「シャオヘイ、ごめん」って、シャオヘイの力を強奪した時は「すまないシャオヘイ」だったのに....ごめんって....なんかもうずっと冷や汗ダクダクで風邪引くかと思った。やめてほしい心臓に悪いので..........

 利用したよ、最初からそのつもりで近寄ったよフーシーはね。でもそれは狡いよ、あんまりだよ。利用したという事実は何も変わらないしそれは悪いことだったけど、やむを得ずというところもあってさ、やるせなかった、素直に謝れるフーシーの根の優しさというか、根も何も優しさに溢れているんだけど、そういうところにフーシーの憎めない愛おしさが詰まっていた。そして櫻井孝宏という男は何でいつもこういう役なんだろう......と思いつつやっぱりドンピシャ似合っててサイコーだな.....になった。

 まあそんなこんなで私の心はズタボロだったわけです。メイクもボロボロ、手汗ベタベタ、もう何もかもで死んでしまいました。しかしそんな私の心を癒したのが最後のシャオヘイとムゲンさま!!!!本当にありがとうございます羅小黒戦記!!!!の感情に取り込まれた。

 というのも、結局シャオヘイはムゲンさま達と館に行く事になったわけだけど、館に着いた!ここが新しい居場所!みたいな、シュイとおてて繋いでてそれもすっごく可愛くて、ああシャオヘイはここで妖精のみんなとムゲンさまと暮らしていくんだな〜〜!って優しい気持ちになっていたらムゲンさまが「ここでお別れだ」なんて言うものだから....え?何?そういう感じなの.....?ヤダヤダヤダ!と心の中の駄々っ子の私が大暴れした。そりゃあもうおもちゃを強請る子供とは比べ物にならないほどに暴れた。

 お別れという言葉を聞いた瞬間に、これまでのムゲンさまとの旅の思い出が走馬灯のように蘇ったんですよね、冒頭で話したご馳走の件とか、焼いた肉がまずかった時のこととか、攫われかけたシャオヘイを助けて包み込んだムゲンさまの優しい腕とか、だんだんムゲンさまに懐いていくシャオヘイの愛おしさとか。ああもうお別れなの?また様子見に来るってそれはいつになるの?って、寂しく俯くシャオヘイのこと見ていられなくて、シュイちゃんがつい駆け寄ろうとする気持ちめちゃくちゃわかってしまって....シャオヘイ!泣かないで!ってこちらが泣きわめいたよ。

 そしたらシャオヘイが「師匠ーーーー!!」って!!!初めて師匠って!!!ウワーン私はもう最高の波に溺れて窒息死しました。もう多分30回は窒息死してる、絶対してる。師匠って叫んだ瞬間画面が引きになってさ、何処までも続く青空の下でぶわって風が舞い起こるのが美しくて、思わず足を止めて振り返るムゲンさまの靡く髪の描写がそれはもう繊細で....振り返るとポロポロ涙を流してる可愛いシャオヘイ....この世界もう天国に近い、いや多分天国だな....と幸せをしかと噛み締めた。ムゲンさまに駆け寄って、ギュッて飛びつくシャオヘイがまた本当に本当に愛おしいし、抱き留めて微笑むムゲンさま、あんなの誰でも恋に落ちるでしょうよ....最高すぎて.....もうずっとずっと2人は一緒にいてね....!!!!私陰ながらずっと見守ってるからね....!!!と謎の見守りおばさんに成り果てた。まああの、フーシーは.....いない.......けど.........(自傷行為)

 言いたいこと全部言えただろうか。もうなんか興奮に身を任せて勢いで書き殴ったところがすごく多くて、誤字脱字あったら恥ずかしい次第です。用語とか、間違えてたら本当に申し訳ないのですが、1回しかまだ観れていなくてその辺曖昧になっているので大目に見てください。何でほんと、もっと早く見に行かなかったんだろう。2020年最大の後悔になってしまいました。羅小黒戦記大好き....1/7までどうやら上映しているらしいので、6日に追いロシャオして、23日の中国語版上映もチケットが取れたら観に行きたい....!と思っています。ムゲンさま、LOVE!フーシー、お前を一生守る!ありがとう!羅小黒戦記!また1つ素敵な作品に出会えました。

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