良質な問診が理想の診察の扉を開く(第2回)
こんにちは、サポート担当の内海です。
7月14日に公開した松永病院様へのインタビュー記事の第2回です。
第1回の記事は下記よりご覧ください。
第2回 WEB問診メルプ導入後の現場の変化〜想定外だったコロナ接種の対応もスムーズに
今回はメルプ導入後のお話から聞かせてください。メルプを導入して具体的にどんなことが変わりましたか。
「劇的に紙が減りましたね。これまでは、とにかく紙の問診票が多くて。整形外科ではA4サイズの初診問診票、小児科と内科ではA5サイズの問診票と、紙、紙、紙で溢れかえっていました。でも、そんなに紙を使うのに、患者さんが書いてくれる情報はとても少ない。整形外科でいえば、記入するのはけがをした場所や痛みを感じる部位ぐらいで、人体の絵が描かれた用紙に丸をつけるだけです。しかも紙から電子カルテに転記する手間がかかり、情報の記録手段としては非効率です。しかしメルプなら転記は一瞬。“何のために紙が必要なのか”と思ったこともメルプ導入の理由の一つなんです」
問診の内容自体の変化はいかがですか。
「患者さんから提供される情報の質も量も変わりました。整形外科医は、外傷の患者を診察する際、例えば、肩の脱臼が前方に起こっているか、後方に起こっているかという受傷機転が非常に重要です。ですが、患者さんがけがの経緯や症状を自分の言葉で説明するのは難しいというケースが、これまでは多々ありました。しかしWEB問診あれば、対話形式で質問ができるので、尋ねられたことに答えてもらう中で、私たちが必要とする情報を引き出すことができます」
新型コロナウイルス感染症の対応に関してメルプはいかがでしたか。
「当院の外来患者数は月平均で2300~3500人、非常事態宣言が出ていた時期は月平均2200人ほどでした。現在は発熱外来と新型コロナワクチン接種事業を並行して行っていますが、メルプなしでは両立できなかったのではないかと思うほど、とても役立っています」
具体的にはどのような使われ方をしているんですか。
「新型コロナワクチン予診票は、メルプで用意されているテンプレートをカスタマイズして使っています。当院では接種予約に際し、①Googleフォームで申し込みをしてから、②WEBサイトで日時予約し、③メルプで問診を行うという3つのオンライン手続きが必要です。ただ、フォーム同士が連携していなかったため、①と②の手続きをスキップして直接メルプ問診に登録してしまう患者さんが当初は多くいました」
その問題点はどのようにして解決されたんですか。
「事前予約せずにメルプ問診を行った人は最後に予約サイトへ遷移するようにリンクを変更して、必ず事前予約を行うような流れにしました。このようなカスタマイズ性の高さもメルプの魅力だと思っています。フォームの修正時にコードを書く必要はなく、ブログツールのような操作感でリンクなども自分で設定できるので便利ですね」
そうした変更も松永先生がされたわけですか。
「そうです。当院の規模ではIT部門がないため、システム管理やネットワーク管理は私が担当しています。プリンターのトナー交換だって私がしているんですよ」
医師の仕事と院内のIT関連の業務を担務するのは大変でしょうね。
「当院では私以外にも、みんなサブの仕事を受け持っています。放射線技師が購買担当だったり、業務上プールに入る必要がある理学療法士は、プール衛生管理者の資格を持っています。うちの薬剤師はエクセルのすごい使い手で、今回もマクロを駆使してワクチン管理を効率化してくれました。人数が少ないからこそ、現在のような危機の時にはチームの力を発揮できることを実感しましたね」
松永先生は今後、メルプにはどんな新たな機能を期待されますか。
「同時通訳機能がついたらいいですね。当院では海外からの研修生やスタッフを受け入れているほか、WEBサイトの多言語化や院内サインのピクトグラム・多言語表示など国際化対応に力を入れています。現在、問診票の情報は多言語で対応されますが、細かいニュアンスや翻訳のチェックがうまくいかないことがあるんです。そこで医療翻訳専門サービスのメディフォンを利用し、問診票の設問を作成してからメディフォンにコピペして翻訳しチェックすることもしています。ユーザーとしては2社がコラボレーションして、新しい機能を提供してもらえるとより便利になりますね」
メルプを導入して1年、振り返ってみていかがでしょうか。
「もう紙に戻ることはないでしょう。今はまだ文字をキーボードで入力していますが、近い将来、音声入力で問診に回答できたり、医師と患者の会話がそのまま文字に変換されて電子カルテに記録されたりといった、情報の伝達そのものが変わっていくはずです」
こうした情報伝達の変革は松永病院にどんな影響を与えると思われますか。
「今の時代はデジタル技術によって場所や規模の制約が少なくなっています。そのため私たちのような地方の病院でも、やり方次第では情報の発信基地になることができます。積極的に新しいことを取り入れていく当院の挑戦を知って、“うちの病院でもやってみよう”と考える医療機関が増えてくれるといいなと思っています」
2回に渡り紹介させて頂いた「松永病院」さまへのインタビューはいかがでしたでしょうか?
院内のDX化等、考えられていらっしゃる医院様の何かしらの参考となれれば幸いでございます。
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