ねむきゅん卒業に寄せて
私はオタクではない。
私は、アイドルオタクではない。
イエローパンチョスは打てるけど、サンダースネークは打てない。
アニメオタクではない。
「らき☆すた」は見たけど「涼宮ハルヒの憂鬱」は見てない。
音楽も詳しくない。
パンクロックが好きだけど、Hi-STANDARDの曲は全部聴けてない。
音楽とかアートとかアニメとか、はたまた秋葉原とか原宿とか高円寺の文化が大好きだ。でも詳しくない。どれも中途半端なのだ。
恥ずかしい。
周りにはもっと詳しい人がいるし。
好きなものを好きって言える人が羨ましいと思う。
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でんぱ組.incに出会った時、私はそんな風に思っていたから、自分たちのことをオタクと称するでんぱ組のみんなに憧れたのかもしれない。
でんぱ組に出会ったのは、2014年ぐらいだったと思う。
私は雑誌の「zipper」や「KERA」が好きだったから、ファッションページに出ていたねむきゅんやもがちゃんのことは知っていた。
ある日ふと思い立って、YouTubeで「でんでんぱっしょん」を見た。
その時の衝撃は一生忘れないと思う。
疾走感があって、かっこよくて、楽しいメロディー。個々の個性的な歌声と、裏腹に一体感のあるユニゾン。密度の高い歌詞。カラフルで次々と展開するビジュアル。すべてが魅力的だった。
メンバー個々のパーソナリティも魅力的に思った。それそれのオタクの分野についてはすごく詳しいけど、それ以外の分野は全然苦手というように身近に感じるところも多い。
私はでんぱ組の最大の魅力はオタクであることだと思っている。好きなことに対してとことん追求するオタクだったからこそ、今までのような素晴らしい作品が出来ているのだと思う。でんでんぱっしょんのMVはそれを如実に表している。
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先日、2019年1月7日(月)に日本武道館での夢眠ねむちゃんの卒業公演に行ってきた。
冒頭でも述べたが、私はアイドルオタクではない。アイドルの卒業公演に行ったのは、今回が初めてだった。でも、アイドルの卒業公演って、なんとなくは知っている。テレビのワイドショーでチラッと見たことがある。本人からファンへ手紙があったり、もしくは他のメンバーから本人へ手紙があったり、しんみりと涙にくれるシーンをよく見る。
ねむきゅんの卒業公演も泣くんだろうなっと思っていた。案の定めちゃめちゃ泣いた。泣いたけど、悲しくて、しんみりと泣いたのではない。エモくて泣いた。
想像してた卒業公演と全然違った。こういう言い方が正しいのかわからないけど、ねむきゅんの卒業公演を見た、というよりも7人での今の1番最高のライブを見た、という印象の方が残っている。
すごく楽しかった。楽しかったのに泣いたのだ。はじめての感覚だ。
ライブ中全部泣いていたのだけども、特にエモくて泣いてしまったシーンを2つだけ。
まずは、古メドレー
(わっほい?お祭.inc-ピコッピクッピカッて恋してよ-電波圏外SAYONARA-Kiss+kissでおわらない)
このメドレーを7人で歌っている事実に泣いた。なんかもうエモい。過去のでんぱ組が好きだし、未来のでんぱ組もきっと好きだし、その大好きなでんぱ組が未来へずっと繋がっているように思えた。
そして、WWDBEST。
古メドレーと同じように、7人で歌っている事実もエモかったけど、もう2度とWWDシリーズは聞けないと思っていたから、ねむきゅんがタイトルを言ったとき、鳥肌がたった。歌詞もとてもすき。嗚咽するまで泣いてしまった。
こんなに良いライブであるんだね。
ねむきゅん、ありがとう。
でんぱ組のみんな、ありがとう。
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でんぱ組を見ていると初めの感覚ばかり覚える。
楽しいのに泣けたり、悲しいのに暖かくなったり。
ねむきゅんは卒業してしまったけど、もっとでんぱ組について知りたい。もっとでんぱ組を通して、味わったことがない感覚を味わいたい。
もっと知りたいこと、やりたいことがたくさんある。
でんぱ組のオタクを名乗るにはまだまだだと思う。
でも、これだけは自信を持って言える。
でんぱ組.incがすきである、と。
これからも、でんぱ組を見なくちゃ。
オタクへの道のりは長いなぁ。