承認欲求と自己重要感

子供が小さいとき積み木で遊ばせた。
暫くは積んでは崩すことを飽きもせず繰り返していたが、
高く積み上げるスリルを覚えて、可愛らしい手つきで
ソロリソロリと木片を最上位に載せていった。
凄いねと褒めてやると満面の笑顔で手を叩いて喜ぶ。
人は承認欲求と自己重要感を頼りに生きている。
2020年10月6日、アメリカ大統領は、新型コロナ感染
で数日入院後、退院したと報じられている。
ひと月先に迫った大統領選挙を前に、74歳という高齢にも
めげず激烈な政治の世界に、更に身を投じようという
原動力は何か。
権力者は人一倍の濃密な時間を過ごす。
経験したことのない者にはそれは、とてつもない労苦としか
思えないが、満々たる承認欲求と自己重要感という
濃厚な蜜に浸れる日々がある。
きっと麻薬中毒のように離れがたいものだろう。
高く積み上げた積み木の山が、ついに崩れて、
息子は大泣きに泣いた。