おかーさん！

親子の何気ないやり取りの投稿文が心に残っている。　　　　　　　　　　記憶を頼りに再現してみた。

 居間から４歳のミーちゃんが「おか～さ～ん！」と呼んでいます。　　　　　　お母さんはキッチンで晩ご飯の支度で忙しくしています。　　　　　　　　振り向くこともなく「は～い」と小声で応えています。

ミーちゃんには聞こえなかったので　　　　　　　　　　　　　　　　　　また大きな声で「おか～さ～ん！」と強い調子で叫びました。

お母さんは、ちょっと振り向いて「どうしたのよ？」と鬱陶しそうに呟き、棚の上の鍋に手を伸ばしました。

ミーちゃんは、呼んでも来てくれないのでしびれを切らしてキッチンに走って行って、「おかあさん！」と叫びました。

「なんなのよ！いま、忙しいのが分からないの」と苛立ちながら　　　　　振り返ります。

ミーちゃんは、たった今、描き上げたお母さんがニッコリ笑っている　　　絵を掲げて、　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「いつも美味しいご飯を作ってくれてありがとう」と言いました。　　　　

お母さんはミーちゃんの目が涙で潤んでいるのを見て、ミーちゃんを　　　抱き上げて「ありがとね、怒っているんじゃないのよ」　　　　　　　　　と頬ずりをしながら言いました。

お母さんの目にも涙がありました。