LETTER FROM HOME
奥さんも子供たちもみんな、元気にしているの？
今年の年賀状の写真をみるとみんな幸せそうな笑顔で、
嬉しかったよ。
急なことだけど、父さんがね、先月７１歳で亡くなったの。
父さんと口論になって、あんたが飛び出してからもう
２６年にもなるのね。
父さんはあんたの行く末を心配して強く叱ったことを
ずっと悔やんでいたのよ。
あんたが小さい頃、とても可愛がって、どこに行くにも連れて行った。
あんたたち家族が幸せになることを、毎朝ご先祖さまにお願いしてた。
父さんと釣りに行ったあの川も、一緒に登った山も
手をつないで歩いた田んぼの小道もそのまんまよ。
夕げにお酒が過ぎると、父さんはあんたとの思い出を
ニコニコとして話していたけど、決まって最後には泣いていたよ。
あたしもつられて、一緒に泣いた。
落ち着いたら一度、帰ってきてお線香の一本も
上げてくれないかしらね。
お嫁さんにも大きくなった孫たちにも会って、話してみたい。
どうかしら、堅い氷を溶かして、みんなでその水を温めに
来ることはできない？
母より
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パット・メセニーの珠玉の名曲「Letter From Home」を
リピートモードにして、半日聴いていて、浮かんできた
イメージを手紙文にしてみた。