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英語の空耳
中学校の帰り道、友だちとおしゃべりしながら歩いていて、
臨月近くの大きなお腹の女性とすれ違った。
友だちが、「ラージポンポンインザベイビー」と囁いた。
それが、なぜか可笑しくて笑い出し止まらなくなった。
顔がほてり、涙は出るし鼻水も出る。
友だちは、呆気にとられて「どうしたの?」と言い、
笑いもがき咳き込む背中をさすってくれた。
笑いの壺の恐ろしさだ。
やっと元に戻ってから、友だちは大受けしたのが嬉しくて
矢継ぎ早に怪しい英語を繰り出した。
掘ったイモいじるな、What time is it now.
揚げ豆腐ね、I get off next.
あぶない、Have an eye.
家内といんと寂し~ん、Can I eat something.
どれも、もう笑いが起こらなかった。
子供の頃のこと、虎三お爺ちゃんと大福を食べている時に
ニコニコ顔で言った。
「これは、英語で言うとね、クートンマイオストアンデルだよ」
そのまま覚えて、早速父や母の所に行って、言ってみるが、
なんのことか通じない。
喰うと旨い、押すと餡出る。
これはよく出来ている、大人になってから改めて感心した。