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中秋の名月

中秋の名月とテレビが盛んに云うのでベランダに出て夜空を見上げた。
確かにまん丸で眩しいくらいのお月さんが照っている。
双眼鏡を持ち出して覗いてみる。
うさぎさんが餅つきしている形やかぐや姫が壮麗な行列で帰って行った
というロマンチックをかき消すような現実的なゴツゴツした地形が見える。
 
38万キロの彼方、本当にあそこに人が行ってぴょんぴょんと
走り回ったのかという素朴な疑問が湧いてくる。
なぜお月さまはどこまでもついて来るの?なんて可愛らしい疑問から
科学ミステリーなものまで、月には沢山の疑問符が付けられている。
 
宇宙の営みの一環なのか、神様の思し召しなのか、偶然の結果なのか、
生き物が満ち満ちているこの地球の環境を成り立たせる不可分な存在。
月と地球の距離は地球から太陽までの距離の395倍。
太陽の直径は月の395倍という一致が起こす日蝕のミステリー。
月の裏側と呼ぶように、月はどうした訳か常に同じ表面を
地球に向けている。
それは、月と地球の自転が完全に同期しているからというミステリー。
アポロ計画で月は空洞ではないかと金槌で叩いてみた、するとゴ~ンと
鳴ったというような実験をした。
地震計をたくさん配置して、不要な宇宙船を月にぶっつけて、振動を測った。
月は自然に出来た天体ではなくどうも人工物らしい。
 
夕方、街の景色が影絵になって月が昇り始める時の
月の大きさは尋常ではない。
これは「月の錯視」と呼ばれ、目の錯覚だと云われても、
どうしても納得できない。
紀元前4世紀に生きたアリストテレス以来のミステリーだが、
中心の円は同じ大きさで周囲の円との対比で違って見える
というこのエビングハウス錯視を示されると、ぐうの音も出ない。

エビングハウス錯視で、中心の円は同じです。定規を当てて測ってみてください。


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