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日向ぼっこのイメージ巡り
現代の世界が出しているCO²が原因で地球温暖化が進んでいると
あちこちでやかましい。
それにしては、この冬の寒さはどうしたことか。
学者は温暖化すると寒冷化が起きるという、訳が分からない。
人は頭で考えてから身体を動かすように思えるが、
実際には身体が感じてから物事を考えるという順のようだ。
幸い晴れていて、ガラス戸からの日差しが有り難い。
安楽椅子を持ち出して庭を観ながら日向ぼっこと決め込んだ。
身体は冷えたままだが顔に強い日差しが当たり、眩しくて目を瞑る。
イメージが湧いてくる。
スキーをひと滑りしてロッジ前のベンチで一休み。
眼前には真っ白な山々が連なり、
幾筋ものシュプールを描きながら滑り降りてくる
カラフルなスキーヤーたちが見える。
白い恋人たちの曲が聞こえてくる。
湿った雪の香りを感じながら大手を広げて深呼吸する。
身体がスッカリ暖まって少し汗ばんでくると、
ワイキキの浜辺に居るイメージに変わった。
ダイヤモンドヘッドの山影をバックに
双胴の観光ヨットが通り過ぎてゆく。
乗客たちがビーチに向かって陽気に手を振っている。
目の前で横たわっていたビキニの女性たちが
お尻の砂を払いながら立ち上がって
はしゃぎながら手を振って交歓している。
ブルーハワイの曲が聞こえる。
そうだ、馴染みのバーテンダーがいるビーチ沿いのスタンドバーに行って、
ブルーキュラソーを強めにしてソーダで割った、いつもの特別注文の
ブルーハワイを注文しよう。
奥の食堂の方から「お蕎麦が冷めるから早くいらっしゃい」という
妻の声で突然映像が終了した。