伽羅木に花かんざし
台風の去った朝、庭に出ると
伽羅木に濃いピンク色の可憐な花が咲いていた。
この常緑樹は3月頃にピンク色の小粒な花を付ける筈だが
肥料が悪いのか日当たりが悪いのかこれまでに咲いた試しがない。
それがこの9月に花を付けるとはこれ如何に。
よく見ればなんのことはない、
この木の上に枝を広げたサルスベリの花が散り落ちて、
ひとときの華やぎを見せているのだ。
ふっと大昔に見たモノクロ映画のワンシーンが目に浮かぶ。
芸者になって東北の山深い故郷に帰ってきた娘が
父母から下賎ななりわいだと