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画と小話

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新聞各社には一面コラムと呼ばれる特別な囲み欄があります。 2,3分で読める500字前後の短文に日々の世相を反映させ、 時には落語の「お後がよろしいようで」とウイットで退くような …
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2022年4月の記事一覧

選択の自由

仏教では六道輪廻で生まれ変わりの仕組みを説いている。 罪の罰を受け飢餓に苦しむ地獄道 止…

宮嵜道男
2年前

丘の上のバカ

中学生で英語を習い始めて早々にフールの意味を知って 友だち達と指差し合いながら「お前、フ…

宮嵜道男
2年前
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復活の紫陽花

冬の庭を見渡してみて、紫陽花ほど貧相な植木はない。 まるでイタリアのおつまみパンのグリッ…

宮嵜道男
2年前

逗子の海の風

桜満開の絶頂期を過ぎると 桜の名所の人出はガクッと減って、祭りの後の寂しさが漂う。 あま…

宮嵜道男
2年前
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英語の空耳

中学校の帰り道、友だちとおしゃべりしながら歩いていて、 臨月近くの大きなお腹の女性とすれ…

宮嵜道男
2年前

見下しの当て字

父母が庭に池を掘るというので手伝いをした。 子供の腰あたりだから80センチ程の深さまで掘っ…

宮嵜道男
2年前

輪廻転生

年を重ねて、不思議に思うのは 植物への愛着が強くなったことだ。 若い頃は花とか木とか、 ただ当たり前だった。 それがどうだ、早春に芽吹き、 花を咲かせ、秋になり紅葉して 冬には葉を落とす、生き物の盛衰を まざまざと見て感傷に浸るのである。 我が人生と重ねてしまうと、 もう葉っぱ一枚が人ごとでは済まされない。  20年も前のことだ、葉っぱのフレディというCDを買った。 森繁久彌が愛息に先立たれた落胆から救った、という絵本を 万感の思いで朗読している。 人はどこから来て

マイ・ファニー・バレンタイン

My Funny Valentineは1937年の旧い曲で スタンダードジャズの名曲の一つになっている。 チェ…

宮嵜道男
2年前

花売り

今朝、堀切の花問屋で仕入れて、ここ日本橋で店を張ったところだ。 お江戸六花って売れ筋があ…

宮嵜道男
2年前

スターダスト

陽が沈んで辺りが紫色の闇に向かう時 僕の心も薄明かりに拡がってゆく。 星たちがゆっくりと…

宮嵜道男
2年前
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比較宗教学概論

アメリカに住む息子が帰国して、マヌカハニーの瓶詰めとTシャツを お土産だよ、と渡された。 …

宮嵜道男
2年前
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極意の技

テレビを観ていると、視線の端の方で黒いものの微かな動きを感じた。 奴だ! 何か叩く物はな…

宮嵜道男
2年前
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命への想い

京急線青物横丁駅を降りて旧東海道をしばらく歩くと右手に 品川寺(ほんせんじ)がある。 平…

宮嵜道男
2年前
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