メロンのブルスケッタ
果房 メロンとロマンがメロンを使ったお家で楽しめるレシピを発信する企画、「メロンのレシピノート」。
第12回は果房 メロンとロマンが位置する東京・神楽坂で、有機野菜と自然派ワインを楽しめる「ビストロお野菜と.」代表の伊藤 賢司(いとう けんじ)さんが一緒にレシピを考えてくださいました!
お店はオープンから4年目を迎えました。
メロンとお野菜のお話、お店をつくられるまでのお話を聞きながらレシピを教えていただきましょう。
➖お野菜を主役にしたお料理を出されているということですが、伊藤さんが料理人になろうと考えたのはいつごろだったのでしょうか?
料理人になろうと決意をしたのは27歳の時で、結構遅いスタートだったんです。それまでは会社勤めをしていました。このまま今の仕事を続けるのもな、と思い、一生続けていける仕事はなんだろうとあれこれ考えた時に、「料理人」というのがパッと思い浮かんだんですね。あちこちご飯を食べに行くことは当時から好きで、どんな仕事かイメージが湧きやすかった。でも実はぼく、それまでお米の炊き方すら分からなかったんですよ。(笑)
そこからは、「10年後には自分でお店を持つ」と期限を決めて、まずは修行させてもらえるお店を見つけるべく、気になったお店にとにかく電話をかけて働かせてもらえないか交渉しました。
➖27歳から料理を学び始められたとは驚きです!新しいことを始めるにあたり、不安はありませんでしたか?
修行を始める方は学校を卒業したての10代の方も多くて、覚悟はしていましたが、やはり厳しい世界だと思いました。でもぼくには10年でお店を出すというリミットがあったし、一度決断したら諦めないタイプなので、決意は揺るぎませんでした。周りよりも早く技術を身につけるにはとにかく経験を積むことだ!と考えて、100席もある大きなお店ながら、手作りにこだわったイタリアンのお店を見つけ、働かせてもらうことになりました。忙しいお店だったので、料理の基礎を学びながら多くの技術を得られたと思います。
➖お野菜と.さんでは、ワインも出されていますね。伊藤さんはソムリエの資格もお持ちだとお聞きしました。
はい、お店のワインはぼくが選んでいます。お料理だけでなく、一緒に楽しむお酒のこともしっかり学んでおくことは安心してお店でお食事を楽しんでいただく為に必要なことだと考えています。
料理の道にすすんで4年目に、ほかのイタリアンのお店に移って働き始めた際、ホール業務を担当することになりました。ワインを召し上がるお客さまが多かったのですが、ワインのことを聞かれても上手く答えられない。そうするとなんだかお客さまが残念そうな顔をされるんですね。お店で扱っているものをきちんと説明できるのは当然のことですよね。それではダメだ、と思って勉強を始めて、ソムリエの資格を取得しました。
その後は、お昼は料理、夜はワインの勉強ができるお店で仕事を掛け持ちしていた時期もありました。
ソムリエの資格はよく難しいと言われますが、きちんと取り組めば案外やれるものです。それを伝えたら、うちでアルバイトしている大学生の子がソムリエの勉強をはじめて、最近資格を取得したんですよ。とにかく勉強あるのみです。
➖10年でお店を出す為に、逆算して必要なことが学べる環境を選んでお仕事をされていたんですね。
周囲より長い期間修行を積んでいたわけでもないですし、じゃあ、自分はどんな強みが持てるだろうと思ったら、一つのことを極めるだけでなく料理や接客、ワイン、経営の知識を幅広く身につけることだと思ったんです。
修業期間中、いくつかのお店で、接客、ワインのことを学んだ後、「ここで経営を学んでみたい!」と思うお店に出会えました。私も含めた全社員にむけて勉強会を開いてくださる熱心な経営者の方で、いろいろ教えていただきました。そんな風に過ごして気づいたら、10年経っていましたね。
➖そうして、いよいよご自分のお店を持たれるのですね!
続きが気になりますが、ここで一旦、今回考えてくださった1つ目のレシピについて教えてください。(お話は次回、第13回に続きます)
はい、「メロンのブルスケッタ」です。お家で作るとなったら、まずは「手軽」であることは大事な要素だと思い、サッと作れるレシピにしました。
※ブルスケッタ…イタリアの軽食のひとつで、スライスしたパンにニンニクをすり込ませて焼き、トマトやオリーブオイル等をトッピングしたもの。地域によりレシピが異なる。
あとは、メロンの甘味に合わせ、酸味のあるトマト、苦味のあるトレビス、辛味のあるワサビ菜やカラシ菜、塩味のきいた生ハムとチーズと、特徴のある味わいの野菜や食材をバランスよく組み合わせ、奥行きのある味わいに仕上げています。
料理は味はもちろんですが、眺めた時に視覚で楽しむことも大切だと思うので、メロンやトレビスは大きめにカットすることで見た目を華やかにするのがおすすめです。ただ、ちょっと食べにくいかもしれませんね。(笑)
そんな時は、バゲットを多めに焼いて、上からバゲットを被せてサンドイッチのようにすると食べやすいです、是非試してみてください!
ビストロお野菜と.・伊藤さまが教えてくださったレシピ:
メロンのブルスケッタ(3枚入り)
材料
メロン…8分の1玉程度
バゲット…薄切り3枚
ニンニク…適量(バゲットに塗る用)
バター…適量(バゲットに塗る用)
トレビス…4分の1玉程度
赤カラシ菜やワサビ菜など、お好みのリーフ…適量
ミニトマト…2個
生ハム…1.5枚
ゴルゴンゾーラチーズ…お好みで
※お好みのリーフはベビーリーフでも代用可能
※トッピングはお好みに合わせ量を調整してください。
つくりかた:
1.バゲットを厚さ1.5cm程度にカットし、バター、にんにくをうすく塗る。オーブンで表面がカリッとする程度まで焼く。
2.トレビス、メロンは、バゲットの面積に合わせてお好みでカットする。プチトマトは1/4、生ハムは1/2程度にカットしておく。
トレビス、メロンは大きめにカットし華やかにするのがオススメ!
3.1.の上にリーフ、トレビス、メロンの順にのせる。プチトマトは2カット程度、生ハムは2枚程度のせるのがおすすめ。細かくくだいたゴルゴンゾーラチーズをのせて完成!
ゴルゴンゾーラはしっかり塩味があるので、少量でOK。
レシピ考案にご協力くださったお店:
ビストロお野菜と.
〒162-0825
東京都新宿区神楽坂6-23 神楽坂ガーデンA棟 2階
tel 03-6265-0346
[月〜金]
18:00~23:00(L.O.22:00)
[土・日・祝]
17:00~23:00(L.O.22:00)
定休日
不定休
※営業時間が変更となる場合があります。
店舗(03-6265-0346)にお問い合わせください。
photo:Takashi Sato
text:Mayuki Tsujihara
(果房 メロンとロマンのディレクターとして働きながら、ライターとして日本の島々や地域で働く方々に取材なども行なっております。好きなメロンはタカミメロン。)