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言語はこの世のATフィールド
人間は言語で他者と意思疎通をする。だが、言語化することによって、己の大切な何かを一寸の狂いなく表現することは不可能なのだ。
私の一番好きな小説スティーブンキング著書「スタンドバイミー」。その冒頭の文章は、私のアイデンティティと言っても過言ではない。
私が普段から、生きているだけで思うあれこれを、本当にこの世に現存する言語で表すことはできない。物書きまがいなことをしている今も、作詞依頼や作詞コンペなどで書いた、数え切れないほどの歌詞にも、本当の私はいないだろう。
言葉にすれば、それだけで、自分の中にしまってあった間の気持ちを、様々な事象が干渉できるこの世に放ってしまう。そんな悲しいことはない。そんな苦しいことはない。
分かって欲しいのに、分かって欲しくて、言葉にしたのに。言葉にすると、重さが変化していく。自分の手の届かないどこかで、傷つけられていく。
最後にスタンドバイミーの冒頭を添えておこう。この無情に慣れないように。
“なににもまして重要だというものごとは、なににもまして口に出して言いにくいものだ。それはまた恥ずかしいことでもある。なぜならば、ことばというものは、ものごとの重要性を減少させてしまうからだ ― ことばはものごとを縮小させてしまい、頭の中で考えているときには無限に思えることでも、いざ口に出してしまうと、実物大の広がりしかなくなってしまう。だが、本当はそれ以上のものだ。そうではないだろうか?”