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異説・狂人日記 感想

⚠️この記事はクトゥルフ神話TRPG「異説・狂人日記」のネタバレを含みます⚠️











2022/06/10
KP:ななほしさん
PL:南條 率道/たけや

エンドD


【キャラクターについて】

元気な若手精神科医!南條率道先生です!!

別シナリオ「REDLINE  DEADLINE」の南條  尊先生の祖先ということで性格はだいぶ違いますが、外見など似せて描きました!

彼はね〜いい先生ですよ…
1度挫折を味わった彼が、同じ患者に縋られて始まる物語はどうなるのかとても楽しみでした。

私も南條先生も話すのは好きなので、RPはしやすかったですね!ありがてぇ。もう南條先生は私です(?)

結果的にはロストでしたが、コレまた南條先生の物語が良かったんですよ!!!えぇ!!!

回して下さったななほしさんには感謝しかないです…

【シナリオについて】
ハイライト+私がめちゃくちゃ考えたとこ抜粋

⚫十三さんとの再開⚫
初手で精神病の十三さんの病態をまざまざと見た南條先生ですが、もともと「患者がそう感じているのなら、それは真実なんじゃないかな」という考えなので、別に十三さんが病室を家だと思ってても驚きはしませんでした。

むしろ南條先生に対してお茶を出してくれようとしてくれて、座ってくれと気遣ってくれた十三さんは元来とても優しい人なんだなと思いました。

南條先生の治療スタイルですが、精神病の患者を「病人」としては見ていないんですよね。
あくまで一個人と見ているので、正直病気か病気でないかは重要じゃないというか。

話を聞いて、その人にとっての困っていることを解決出来るよう一緒にお手伝いすることがお仕事だと南條先生は思っていました。

そのため先生にとってはこの世界で生きてる人全員が患者だし(誰しも困っていること、悩みはあるだろう)、患者ではない(その人の考えること全てはその人にとっての真実のため)のです。

だから底濱埠頭で男に「十三さんは友人です」と言ったんですよね。彼の中では患者ではないので。
結局センセという事が分かりづらくなって申し訳なかったけど…

ここらへんは文章にするとめちゃくちゃ難しいんですよね、ニュアンスで伝われ。

ただ、そんな青いことを考える南條先生はやはり若輩者ですね。話せば分かる、なんて思いながら十三の力にはなれず担当を外れているのですから。その自分の想いだけでは人を助けられないことを知りました。

十三さんと再開した時には、力になれなかった無力感を思い出していました。
でも「やはり自分には"聞く"ことしか出来ないから」と以前より更に話に耳を傾けていました。

南條先生が真摯に十三と向き合っている間、PLは十三さん可愛いね、よしよ〜し!ナデナデ!としていました。可愛い。ありがて〜〜〜!!!となってました。

⚫悩んだとこ①:文恒から南條先生への問い⚫

「センセイ――センセイから見て、弟の様子はどうでしたか。あれは生涯、あのまま元には戻らないと思いますか」

こう言われた時、私は「う、う〜〜〜〜ん」とめちゃくちゃ悩んでしまいました。
ここ、シナリオで見ると一通りの文章というか、探索者に必ず答えさせる場面ではなかったのですね。

でもここ、ななほしさん(文恒)は南條先生の言葉を待ってくださって、話せる時間を作って頂けて、本当に有難かったです。

ここは私はどう答えたらいいか迷ってしまったので、2つに文章を分けて文恒に答えました。

「センセイ、弟の様子はどうでしたか」
▶「僕にお茶を出そうとしてくれたり、椅子を差し出してくれたり、以前の優しい十三さんでしたよ。やっぱりお優しいところは変わらないですね。」

「あれは生涯、あのまま元には戻らないと思いますか。」
▶「元に…ですか。十三さんは"元に戻る"とはどのようにお考えですか。」
「……センセイも知っている通り、利発で、利口な子供でした。」
「ええ、僕もそう思います。現に、病院での十三さんは穏やかで気遣いができ、変わらない優しさがありました。」
「僕はね、先程も言った通り十三さんには今"困ってる"こととか"不安なこと"があると思うんです。そのせいで十三さんは心が落ち着かなくって文恒さんから見て奇特な行動や言動をしている状態に見えるのではないでしょうか。文恒さんの言う"元に戻る"ことはもしかしたら無いのかもしれない。でも、十三さんの困っていることや不安なことが少しずつ小さくなるにつれて、奇特な十三さんが目立たなくなって、文恒さんの知る十三さんが"戻って"くるのでは…と僕は思っています。……へへ、まとまりなくてすみません…」

これはね、完全に私の考えです。
正直、精神が疲弊して、壊れて、病気にまで発展してしまうと完全に「治る」ということはあまりありません。

シナリオ概要にも書いてある寛解期を少しずつ長くできるよう、病気と「お付き合い」していくのです。上手くお付き合い出来る方もいれば、やはりそうでない方もいます。ことに、シナリオ内の「偏執病」は時代背景もあって治療自体がままならなかったでしょう。

だから南條先生も軽率に「元に戻ります」とは言えなかった。きっと、いつかは。なんて希望観測的な言葉しか言えなかったのです。それは1度十三さんの治療に挫折した自分の力量の無さを再度実感した瞬間でした。

ここは私も苦しかったですね。どうして文恒がそのようなことを南條先生に問うたかなんて明白です。「貴方の弟さんは順調です。今は文恒さんはそうは思えないかもしれませんが、絶対に治ります。僕が保証しますよ」と言って欲しかったのです。

弟の回復の兆しが見えず、警察介入による世間体の悪さや肩身の狭さを感じていた文恒は医者の「大丈夫」というお墨付きが欲しかったのでしょう。安心したかったのでしょうね。

ただ、南條先生は文恒に治るという保証は出来なかった。良くも悪くも純粋で真っ直ぐなこの先生は、自分の考えを述べました。
結果的には南條先生は文恒を安心させることは出来ず、自分の挫折や自信の無さを思い出しました。良いとこ無しです。

それを文恒が裏表のない誠実な言葉だと捉えたか、治せないなんてヤブ医者/治すために病院にいるのにと捉えたかは私には分かりません。

ただ、私と南條先生はそう思っただけです。
思ったことに正解、不正解はないし、もっと言えばこの精神医学という世界に正解、不正解はないと私は思います。難しいですね。だからこそ考えるんですよね。

こういうカロリー使って考えるの大好きです。私は頭がいい訳では無いので、時間を使って考えてそれを他人と話すのが好きなんですよね。「なるほど〜!そういう考え方もあるんだ〜!!」って。やっぱり南條先生に近いものを感じるな〜好き。

⚫悩んだとこ②:やっぱり骨!!!⚫
お宅のセンセイ、骨喰いました?

ここ永遠に迷ってました。独り言30分くらい言ってたのでは?ななほしさん本当にごめんなさいね…ありがてぇです…

まず1番目に南條先生は「骨は食べたくない」と思っていました。
「骨を食べるなど正気ではない。嫌だ。そもそも食べるものではない。それこそ十三さんの言っていた食人鬼ではないか。」と。

色々メモを見返していて、十三の手紙の内容は恐らく本当ではないかと私は感じました。ただ、食人鬼を恐れていた十三が自分の骨を食べてくれと言うのもおかしなことだとも思いました。

乗っ取られているのは誰なのか、明らかに文恒はおかしいが、もしや十三も?いつからどの時点で狂気(病気)に?

正直メタ的に考えると、文恒含む周りの食人鬼は骨を食わせようとしているし、食えば解放はされるのだろうなと思いました。ちなみにこの時点で隠す技能には失敗しています。シナリオ中1回も成功しなかったんじゃないかな…。南條先生っぽいね。

そのため選択できるのは「食べるか、食べないか」の2択でした。

沢山考えましたが、南條先生はやはり「友人の骨は食べない」もとい「食べられない」という選択を取りました。

「きっとこの骨を食べたら僕も食人鬼になってしまう。十三さんの骨を食べて、十三さんが恐れていた食人鬼になってしまうなんてそんなことでは本末転倒だ。
他人が見えている、考えているものは真実だと僕は思うけど、それなら僕が見えてる、考えているものだって真実だ。友人を食べたくないという気持ちも真実だ。」

この選択は南條 率道の最後の「正気」でした。

「…よろしいですね?」と聞かれて、しばらく考えて私は了承する。
 
刹那、後頭部に強い衝撃が与えられて視界は暗転しました。


ああア――アア――あああ。
凡そ世の中、ないもの尽し、
多い中にも、今年のないものたんとない、人食い骨噛みめったにない。
首縊り騒動途方もない、ここで縊るもお縄がない。それにお棺の担ぎ手もない、
一人や二人じゃ仕方がない、お首がどこかへ失せてない、お船あっても櫂がない、ご相談しようも正気がない。
身内の毛穴がゾクゾク粟立つ、そんじょ、そこらの地獄の話じゃ
……チャカポコチャカポコチャカポコチャカポコ……。



極彩色の曼荼羅の海、どこが天かも、分からない。自分と他人の境目も混ざり、なにがなんだか分からなくなる。
狂気の船はどこまでも、阿呆を乗せて進んでいく。正気の方がいかほど不幸か。船はどこまでも進んでいく。涎の海を進んでいく。1D10/1D100の正気度を喪失する。

おわーーー!!!ここの表現めちゃ好きです。阿呆船に乗せられ揺られ、狂気に犯される探索者。

ちなみにここの1d100は37でした。20残ったのですが、不定に入っているのでロストですね。

上記の文章の中で「正気の方がいかほど不幸」という表現があります。ここめっちゃ好き。南條先生はSAN値37引いて20残ったので、SAN値ロストはしなかったのですが、少しだけ正気が残ってしまった方が阿呆船では大変ですよね。SAN値100くらい減らして、完全にお仲間にしてあげれば良かった笑

こうして南條先生は、彼の最後の正気を保とうとした為に狂気の船へ乗せられることになったのでした。


【感想】
これはね、初ロストなんですが不思議と全く悔いは無いですね!!!!スッキリしてる。

きっと南條先生は肉体的ロストはしていないので、狂気の船でもみんなの話聞いてるんじゃないですかね?知らんけど。

自分も不定の狂気入っているので、案外楽しくくらしているかもしれません。

私の解釈としては阿呆船に乗ったであろう十三が帰って来てるので、2年くらいしたらひょっこり南條先生も帰ってくるのでは?そういう強さが彼にはあると勝手に思っています。

Aエンドの話を聞いたのですが、子孫に食屍鬼の血が混じると聞いて、図らずとも南條尊先生の先祖を作ってしまっていたので、逆に良かったかなと…(これはロストした気持ちを納得させるための言い訳部分も有ります)

きっと南條先生の純粋な気持ちを持ちながら経験を積んでいけば、本当に「患者という存在」に寄り添える先生になったのでしょうね。

南條先生が自分で最後の正気を保ってロストしたのが私は本当に解釈一致で、「良いなぁ」と思いました(語彙)

たーーーくさん考える時間をくれてお話していただいたななほしさん、ありがとうございました…!ななほしさんPCも同じエンドだと聞いて、きっと一緒の船に乗ってますよ!なんて話出来て嬉しかったです!

いつも本当にありがとうございます!!
あのシナリオ、行きましょうね……!!


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