背伸びした想いのまま、



あれから6年経つのに、上手くいかないと、今でもこうして貴方の事を思い出してしまうよ

普段は都合よく忘れてるのにね。

貴方の隣に居ることを許してもらえるほど魅力がある女だったらって
あの頃も何度も悲しくなったのに
今でも変わらないよ。

諦めるために想いを伝えたのに
伝え方を間違えたのか
最後に心に引っかかったままで
情けなくてどうしようもないね。


夜中に寂しくなって電話をかけても
嫌な顔ひとつせずに聞いてくれただろうね

ただの友達の間柄でも、
電話の向こうで突然泣き出した私に
優しい言葉を連ねてくれていたんだから。

そういう懐の深さ、忘れられないんだよ。

一緒に名古屋や東京の街を歩いたよね。
いつものカフェでご飯を食べるのも、
一駅分歩いてその分たくさんお喋りするのも、
全部がキラキラしてた。

ウイスキーをコーヒーで割って飲んでいたよね。
そんな事すら、まだまだ子供だった私には、
貴方が本当に大人に見えて、余計にドキドキしたんだよ。
周りにそんな風にお酒を飲む人が居なかったから。

それを嗜みながら
貴方の大好きな事を話す時
専門的で何もよく分からなくても、
あの子供みたいな横顔が私は大好きだった

誰からも愛されて可愛がられて、
なのに全然驕ったところがなくて
誰にでも同じように優しくて

ただ明るいだけじゃなくて
ちゃんと闇もあって
周りの人のそういう部分もちゃんとあるって
理解している人だったよね。

色んな遊びや趣味を楽しんでいて
だけど情緒に溢れてて、誠実で、素朴で純粋な人。

私が好きなことに夢中になっているのを
いつも褒めてくれたよね。
まっすぐそのままで、と言ってくれた。
その度にすごく、すごく嬉しかったんだよ。

写真展をやる時、連絡だけしたら
すごく喜んでくれたね。

そんな貴方の隣に居られたら
どんなに幸せだったか。
貴方の瞳に映りたくてどうしようもなかった。

だけど10歳、11歳も歳の離れた私のことは、
貴方の心には引っかからなかったんだよね。


今でも思い出してしまうんだよ。
残酷だよ。

どんなに大好きでも、この先もきっと
私たちはこのまま変わらないだろうから。

たまにふらっと電話して長電話するだけの関係のまま。



ねえ どうしてくれるの
私の事なんかちっとも気にかけやしない貴方を
私は忘れることが出来ないみたい。

逢いたいよ。
本当に触れて欲しかったのは、貴方だけだったのに。


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