1994年 SideA-6「愛が生まれた日/藤谷美和子・大内義昭」
秋元康作詞 羽場仁志作曲 萩田光雄編曲
・「そのうち結婚する君へ」(日本テレビ系 1994/1/15~3/26)主題歌
日本テレビ系土曜9時枠1月クールドラマ挿入歌。「そのうち結婚する君へ」は、藤谷美和子主演、仲村トオル、世良公則共演のマリッジブルーもの。坂井真紀、吉田日出子、谷啓ら共演陣がユニークだったが、この曲はそんなドラマの成功度合いをはるかに超える破格の大ヒットを記録し、90年代を代表するデュエットソングとなった。
ヒットを牽引したのはなんといっても藤谷美和子の声の力である。意外やこれがデビュー曲。こんなに魅力的な歌声を持っていたとは思いもしなかった。各新人賞を総なめの上、全日本有線放送大賞ではなんとグランプリを獲得。大晦日にはレコード大賞にも紅白にも出場した。
CMや学園ドラマで大人気だった頃からこの時点ですでに15年以上、こんなことならもっと早く歌わせておけばよかったとおそらく誰もが思ったのだろう、ドラマ終了からたった1年の間に、自らの主演ドラマ「ママのベッドにいらっしゃい」(1994年10月クールのテレビ朝日系木曜9時枠ドラマ。風間トオル、古谷一行、森且行共演。伴一彦脚本。テレ朝の伴一彦作品は珍しい)の主題歌「スペアキー」を含むシングル3枚&アルバム2枚がドカドカとリリースされた。総じて彼女のボーカルのレベルは高く、製作陣が彼女の表現力に追いついていないという印象。この時点で彼女の歌手としての魅力が存分に引き出されていたとは決して言えない。その後リリースはパタリと途絶え、女優活動もままならない状況となるが、このまま歌手活動をコンスタントに続けていればもっともっといい作品を生み出したに違いない。
デュエットしていた大内義昭は、DU-PLEXというバンドに所属(G.I.オレンジの「サイキック・マジック」の日本語版を歌っていた)したあと作曲家として活躍、この曲で予期せぬヒットを飛ばしたが、その後は故郷の九州で音楽活動を続け、2015年5月食道がんで亡くなった。
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