1991年 SideB-7「とどかぬ思い(Welcome To the Edge)/ビリー・ヒューズ」
Billie Hughes、Roxanne Seeman、Dominic Messinger作詞・作曲 門倉聡編曲
・「もう誰も愛さない」(フジテレビ系 1991/4/11~6/27)主題歌
フジテレビ系木曜10時枠4月クールドラマ主題歌。ビリー・ヒューズは70年代にトッド・ラングレンやボビー・チャールズがいたベアズヴィルレコードと契約していたアーティストで、その後ソングライターに転じたらしい。この曲はもともと前年の1990年夏に発売されたWinkのシングル「夜にはぐれて~Where Were You Last Night~」のB面に彼のチームが作家として提供した「想い出までそばにいて~Welcome To the Edge~」という曲で、本バージョンはセルフカバーということになる(このバージョンを聴いただけではWinkのイメージが浮かばないかもしれないが、Winkバージョンを聴いていただくとすごくWinkっぽい曲である)。
「もう誰も愛さない」は、俗に元祖ジェットコースタードラマと呼ばれたAVECカンパニー製作、吉田栄作主演のサスペンス・ミステリー。1回見逃すとストーリーが分からなくなる、と喧伝されるドラマはよくあるが、このドラマは本当に分からなくなる。敵と味方がコロコロ変わるし、新しい人物がどんどん出てくるし、途中で消えた人間が復活するし、すぐに人が死ぬし。話が天下国家にからまない「24」みたいなもので、突っ込みどころも多かったが、確かに毎週見させる力があった。
吉田栄作と並んでこのドラマで名を上げたのが山口智子で、役柄について説明するとキリがないが、まあ、愛し愛され、騙し騙され、横領で捕まって、人を殺して捕まって、復讐の鬼と化しつつ愛を貫くというすごい役。例の足をなめさせるシーンはじめ見せ場も満載である。男性脇役陣も結構気が利いていて、薬丸裕英とか辰巳琢郎とか佐川満男とかいい味出してた(みんな落ちぶれて行くんだけど)。そしてこの役名は忘れられない、その名も王小龍(ワンシャオロン)役の伊武雅刀とか。いろいろな意味でもう今は作れないドラマである。