1992年 SideB-5「約束の橋/佐野元春」
佐野元春作詞・作曲・編曲
・「二十歳の約束」(フジテレビ系 1992/10/12~12/21)主題歌
フジテレビ系月曜9時枠10月クールドラマ主題歌。「二十歳の約束」は、月9としては久々のストレートなボーイミーツガールもので、なおかつ脚本が「東京ラブストーリー」の坂元裕二。主演はCMや映画で大きな注目を集めていた牧瀬里穂と、この年の春にスタートした「夢がMORIMORI」でひとつ上のステージに上がりつつあったSMAPのドラマ班・稲垣吾郎(同じくSMAPのドラマ班であった木村拓哉の実質的な連ドラデビュー作である「その時、ハートが盗まれた」もこの年の11月にスタートしている)。何枚ものカードが揃って大きな期待の中でスタートした「二十歳の約束」だったが、そのことはこのドラマにとってあまり幸せなことではなかったかもしれない。坂元裕二が月9ドラマを手がけるのはこれが3作目だが、前2作の「同・級・生」と「東京ラブストーリー」はともに柴門ふみの原作で、オリジナルの連ドラはこれが初めて。周囲の期待はプレッシャーでしかなかっただろうし、何しろ雑音が多すぎた。「カキーン」も「ヒューヒューあついあつい」も坂元裕二的文脈で考えればちっとも不思議なセリフではないわけで、もう少し冷静な環境で放送されていたら、あれほど揶揄されることはなかったろうし、結果も違ったろうと思う。
佐野元春の「約束の橋」は1989年のシングル発売が初出。この時主題歌となったのをきっかけにボーカルを録音し直した新しいバージョンがシングルとして再リリースされ、結果として佐野元春最大のヒットとなった。また劇中音楽を小室哲哉が担当。小室がテレビドラマの劇伴音楽を担当したのはこれが初めてである。