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秋のブロンプトン6: 今年も伊豆沼に行ってしかしシマエナガには会えなかった件

昨年も行ったし、その前の年も行った。宮城県北の伊豆沼に毎年晩秋に訪れている。例年ちょうどこのあたりの晩秋にこの付近に用事があって訪れることになるのである。
伊豆沼周辺は大量のガンや白鳥が越冬することで知られるが、今秋は本来北海道でしか見られないシマエナガが観察されたとのニュースを目にした。それは豆大福のような愛らしい小鳥で、近年ネットでも人気となり、100均でもグッズ化された文具を見かける人気者だ。

豆大福ことシマエナガさん近影

今回はおなじみの渡り鳥たちに加えて豆大福にも会えるかもしれないという期待を抱きつつ、われわれは現地に降り立った。野鳥の撮影に際してはわたしのカメラの中で最も有用な20倍ズーム機能のあるコンデジを持参した。山荘に来る小鳥を撮影して実績がある。

伊豆沼絡みの旅程では、いつもは若柳の町に宿を取ることが多かったが、今回は新幹線くりこま高原駅前のホテルにした。
ホテルの南側に広がる田んぼを縫って走る農道はジョギングすると気持ちいい。自転車でも楽しめそうだ。この道をたどれば伊豆沼に至るのである。
夕暮れ近くになると編隊を組んだ鳥たちが次から次へ伊豆沼の寝ぐらに帰っていく。明日が楽しみだ。

去年走ったのは若柳から走り出す伊豆沼周回コースだった。
湖畔一周と若柳町の田園周回の二つのループで構成されるルートで35km。

若柳から旧志波姫町の田園周回ループもなかなか味のあるサイクリングを楽しめるのだが、今回は妻氏も参加することもありそれは割愛し、よりラクな湖畔パートのみとした。これだとおよそ半分の18kmちょっとだ。
このコースのハイライトは南岸に沿った区間だ。人家も無くクルマも入れないので深いウィルダネス感を味わえる。対して北岸の道はクルマも通り、眺望もそれほどよくない。したがってより重要度の低い北岸の道は先に済ませておき後半にお楽しみをとっておくという考えに立脚し、JR新田駅に近い駐車場から走り出すことにした。好きなおかずは先に食べるという人もあるが、わたしは最後に取っておくタイプだ。天丼であれば海老天は最後だ。

北岸の高台には前回もチェックしたレイクビューのジャズ喫茶、コロポックルがある。今回機会があればと思っていたが火水定休だった。今回われわれは火曜に来て水曜に帰る。残念ながら人生とはそのようなことが多い。

北岸の道をさっさと走ったあとに湖畔のトレイルに入る。やれやれこの先はクルマは来ないと安堵できる雰囲気だが、間もなく水路を渡る小さな橋の工事で通行止めの区間がある。ここを迂回するため再び車道に出なければならない。ここは去年もそうだった。看板を見れば工事期間は来年にまで及んでいる。数mの小さな橋だがいろいろ大変な工事なのだ。

追加の車道区間を過ぎて内沼に着く。
伊豆沼のおまけのような感じで付いている小さな湖沼だが、サンクチュアリーセンターがあるのと、道路を挟んだ水辺では水鳥に餌をやって触れ合える唯一のポイントであることで人気だ。
これまで来たときには通り過ぎるだけの内沼だったが、実はこっちにも沿岸を一周できる静かな農道があることを今回気がついて走ってみた。
まあ伊豆沼に比すれば鳥の数も少なく、眺望もさほどよくないが、サイクリング的にはよい道であった。

続いて本日のメインたる伊豆沼。
例年より水量が少ないようで全域にわたって水際線が岸から遠い。心なしか鳥たち、特に白鳥が少なめな気がした。他所に出かけている時間だったからかもしれないが。

せっかくズームを持ってきたのにいい写真が撮れず
こっちを向いてよソフィア

南岸の道は笹やら何やら茂っている部分も多く、湖面の見晴らしはよろしくない。刈ってみてはどうかといつも思うが歩きか自転車でしか来られない区間だし、そうなると訪れる人も日に数人といったところだろう。ならば自然のままにしておいて水鳥が安寧に暮らせる隠れ家としておいたほうがよいのだろう。

結局シマエナガには会えなかった。もっともあんなにちっこい鳥はスズメやカラ類と違って自転車で通りすがりに見られるものではなく、茂みに潜んだ上にすごい双眼鏡や望遠レンズで探してこそ見つけられるものなのだろう。
インスタグラムで検索すると最近の伊豆沼でのシマエナガの写真投稿はたくさんある。みんな確固たる目的と意思と装備を持って訪れて探したからこそ撮影できたものと思われる。われわれは見通しが甘かったといえよう。

何度も来ている場所なので自ずから写真を撮るスポットが固定化されて、毎年同じような写真を撮っているがそれもまたよし、と思う吉宗であった。

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