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キャラダイスのサドルバッグを買った話 (もしくは、思ってたのと微妙に違う件)

キャラダイスをかいに

キャラダイスは英国のサイクルバッグメーカー、創業1932年のブリテン老舗である。
革サドルのブルックスと並んで、ブロンプトン愛好者に人気の高い英国ブランドだ。キャラダイスのバッグを付ければブロンプトンのブリテンポイントが15点ぐらい加算されるとされている。知らんけど。

キャラダイス、官製放送「こころ旅」の火野正平さんの愛車チャリオに装備されていることでも名高い。わたしも以前から「こころ旅」を見るたびにあれ欲しいなあと思っていたのだが、何しろお値段が安くない。たかだか10L前後のサドルバッグが2万円ぐらいする。
しかし楽天ポイント10倍up!の日、「買う理由が値段ならば買うな。しかし買わない理由が値段であれば、買え」という先人の箴言をも胸に呼び覚まし、えいやっと購入に踏み切った次第である。

同社のサドルバッグには容量でいくつかの製品があるが、わたしが選んだのはNelson 15Lだ。同社のラインアップの中では大型に属する。ネルソンというのは本社工場の所在地の名だそうな。
これより少々小ぶりなBarleyとどちらにしようか迷ったが、大は小を兼ねるという古来からの教えに従ってみた。
色はオリーブグリーン。レザーストラップやエンブレムの明るい茶色との配色が英国っぽくておしゃれではないか。

期待した実物

オリーブグリーンが思いのほか黒かった件

ほどなく届いて、胸を弾ませつつ厳かに開梱の儀に臨む。
実物を目にした第一印象は、「あれ、黒と間違えられた?」であった。
一般に流布している商品写真(上)ではもっと明るいオリーブグリーンだが、それに比べると随分暗い色だ。しかしよく見れば断じて黒ではなく、極度に黒みの強いグリーンであることには間違いない。
また商品写真ではフラップ上部のストラップに金具がついているが、これにはただベルトを通す穴が開いているだけである。
なんかわたしがこれまで見て知っていたキャラダイスと違う…と思ったが、現行製品はこの色かつこの構造なのだろう。返品するのも英国紳士らしくないしこれはこういうものだと思って使うことにした。

限りなく黒に近いオリーブ

心の片隅に微かにただようコレジャナイ感を抑えつつ中を開けてみてみる。

チェックの内張りのブリティッシュな感じに、ふたたび脳内に英国汁が分泌される。
そして内部に取り付けられた木の棒!に驚かされる。バッグに開いた穴からレザーベルトを通してこの棒で取り付けるようになっているのである。おおトラディショナルかつクラシック。リクセンカウルとかトピークがやる気を無くしそうな、前時代な構造に英国魂を感じる。
そういえば、ブロンプトンのサドルに麺棒をくくりつけてバックパックを搭載するやり方を知った時は、なんと斬新な発想!天才か!と驚いたものだが、あれは実はこのキャラダイスのバッグの構造を踏襲したものではないかと、今更気がついたのだった。

後日ある外国人のサイクリング動画を見ていたところ、ベルトをこの穴+木の棒でなくフラップ上部のベルト受けに通して装着していた。見たところこちらのほうが安定感がある気がするし、見た目もかっこいい感じなので、今後このやり方も試してみようと思う。(写真は同動画のスクショ)

容量は15Lであるからこれまで汎用していたSバッグよりは少ない。しかし日帰りのサイクリングなら十分である気がする。

アダプター(高い)は本当に必要か

情報によれば、別売りのアタッチメントを使うと着脱にいちいちベルトを外す手間が省ける上にバッグも安定するという。商品名バッグマンという。カバン男だ。訳さずともよいが。
これまたただの付属品にしてはずいぶんなお値段だなと思いつつ一緒に買ってみた。ただ針金を曲げたみたいな構造なのに15000円もする。

アダプターはサドルのレールに取り付ける構造で、その分サドルを後ろに下げることを余儀なくされる。これはサドルをほぼ前いっぱいに出しているわたしとしてはちょっと困るのである。
また写真のようなばねつきサドルだとバネが邪魔してアダプタは取り付けが不可能だ。これは予想外であった、というか不覚にも下調べが不足していたと言わざるを得ない。
そこでとりあえず付属のベルトだけで装着してみた。まあ当面はこれでも行けそうな感じではある。
せっかく買ったのにブロンプトンに使わないことが決定してしまった1万5000円バッグマンであるが、所有する他の自転車で活用できないか、今後の研究を待ちたい。

使用インプレッション

リアに装着して初めて伊豆沼のサイクリングに出かけてみた。

もっぱらフロントに付けたSバッグを頻用していたこれまでの走行に比すると、フロントに何も積んでいないとなんだか軽く速くなったような気がする。これは驚きであった。
フロントヘビーの方が慣性モーメントで速度が増すように考えていたが、そうでもないらしい。
また、何か走りながらバッグの中から取り出す必要がある時、フロントバッグならばサドルにまたがったまま済ませられることも多いが、後ろにあると改めて降りなければならないのは不便かもしれない。
この日は半日日帰りのちょい乗りであったので、荷物はかなり少なめであった。15㍑の容量フルに積載した状態で試してみたい気がするが、そのうち当地方は雪が降ってオフシーズンに突入してしまったため、本格稼働は春以降に持ち越されてしまったのである。

まとめ

・見た目は最高。持っているだけで嬉しくなる。
・現在の製品は色が微妙であり、通販等では商品写真と異なる色のものが送られ得る。一般にイメージが流布しているオリーブグリーンのものを所望する向きは、確実にその色であるということが保証された中古のものをメルカリ等で買うことも考慮されたい。
・バッグマンはあわてて買わずともよい(のかもしれない)

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