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ブロンプトンで庄内ポタ: 三瀬〜湯野浜〜大山周回 (2023. 5)

5月に所用で庄内に行く機会を得た。
所用は午前で片付け、午後からいつもの三瀬湯野浜コースを走ってみた。単独ブロンプトンである。

三瀬まで

出発は大山の町から。いつもの大山公園にクルマを置いてブロンプトンをシャキーンする。
まずは庄内平野を西に向かい、内陸と海岸を隔てる小さな山を越える峠を目指す。
月山を眺めながら走る区間。

山裾の上京田集落にある公民館がいい感じ

県が策定したサイクリングロードの青いラインに従っていくと国道112号のトンネルで山をぶち抜いて(トンネル内は自歩道あり)いきなり加茂までショートカットしてしまう。本日のハイライトである海岸沿いの区間をすっ飛ばしてしまうことになりあんまり面白くないのである(帰路の近道としては使えるが)。官製サイクリングコースはこれだからよくない。

山裾の静かな集落を結ぶ道をたどり、矢引集落から本日唯一の登り道で山を越える。

峠には湧水無料飲み放題サービスあり。

峠を越えた先は海に向かってなだらかなダウンヒルが続く。この区間は近年になって並走する高速道路ができて秘境感は薄れてしまったが、それでも静かでいい道だ。

やがて三瀬の町。
駅前から海岸まで続く商店街はすっかりさびれてしまったが、大きな街で育った子供であったわたしが憧れていた「列車に乗って田舎に海水浴に行く」というイメージにぴったりの雰囲気で好きである。
大学に入ったばかりの頃、かつて三瀬海水浴場にあった国民宿舎に友達と泊まって遊んだことなども思い出す。
(これを機に調べてみたが、三瀬に国民宿舎が存在した事実はなかった。鉄筋二階建てで大広間に卓球台があったのを覚えている。付近で類似の建物というとこのあと触れる琴平荘ぐらいのもので、ひょっとしたら同荘の海の家専業時代に泊まったのかもしれない)

由緒ある旅館(盛業中)

三瀬のもうひとつの有名スポットといえば、すっかり全国区になってしまった、海の家兼業のラーメン屋・琴平荘。
のぞいてみればもう14時近かったのに駐車場はクルマやバイクがたくさん停まっており、聞きしに勝る盛業中なのだった。

三瀬から加茂まで

三瀬からしばし国道7号を登ったあとにどーんと眼前にひらける由良漁港のパノラマは、何度来ても「ウミー!」という感じで内陸民の胸を高鳴らせる。
ここから海岸沿いの区間がこのルートのハイライトだ。

ウミー

加茂の町から湯野浜温泉

由良の次に着く町は加茂。
クラゲの展示で人気の水族館で名高い町だが、明治期までは北前船の寄港地として栄え、この一帯では酒田に次ぐ規模の町であった。
いつもは海沿いの道を素通りしていた加茂集落だが、今回ははじめて分け入って探索してみた。
山にねじ込むように広がる街並みは往時の区割りが残されたもので、古い建築も点在することを初めて知る。

元医院ぽい洋館
農家のようなお寺 極楽寺本堂
もと学校あるいは役場ぽい

その先ほどなく着くのは湯野浜温泉。
前回ここの旅館に泊まった時の話はここ↓

海沿いルートはここまで。
この先は、かつて湯野浜と鶴岡を結んでいた旧庄内交通鉄道線の廃線跡サイクルロードをたどって鶴岡方面に戻る。

湯野浜からいこいの村に向かう登り

線路跡はほどなく海岸から離れて山の中に入っていく。この区間の登りも、いこいの村庄内から平野に向かって下っていく区間も、自転車で走るたびにあんな小さな電車でこんな勾配を登りくだりしてたのかと驚かされる。

その後の善寶寺鉄道記念館跡

平地に下ると庄内交通善寶寺駅跡に着く。
1975年の廃止後も駅舎と保存車両が鉄道記念館となって営業していたが、それも1993年に閉業。そのあとは放置され荒れるにまかせた状態で、保存車両のモハ3も風雨にさらされて年々傷みが進んでいた。
そしてついに昨年、旧駅舎が取り壊されたと聞いた。今回訪ねてみると、駅舎跡はきれいに更地になっており、モハくんだけがぽつねんと残されているのが哀しみを誘う。

駅舎解体後はここまで入れる

見ての通り、もはや修復の手立てもないほどに荒れており、もう先が長くはないと思われる。残念だ。

一周約35kmののんびりサイクリング。
何度も来ているのでさらっと流したが、短いなかにも:
・海岸爽快ライド
・湯野浜温泉
・廃線跡サイクルロード
・名刹善寶寺
・大山の街並み
・オプションで加茂水族館
とトピックがぎっしり詰まったルートなのでおすすめである。

一年前に同じルートを走った話はこちら↓


(2023. 5 走行)


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