ジョー・バルビエリの新譜 「Don Salvato'」「Accarezzame」
イタリアらしい美メロにブラジル音楽のエッセンスを加えた作風が日本でも人気、来日もしてるこの人、新譜が出たというので聴いた。
どうやら歌詞はナプリターナ(ナポリ方言、というよりは「ナポリ語」)のようだ。調べてみたら本国の記事が。
今作はナポリ歌謡の名曲あれこれカヴァー集ということだ。そういえばこの人はナポリ出身とライナーで読んだ。
これまでの繊細でメロウな作風からは、あまりナポリらしいコテコテイズムを感じさせない感じだったが、デビュー30周年にあたる今年、自らのルーツに立ち返るといったところだろうか。
4曲入りのミニアルバムが立て続けにリリースされていて、いずれもバックはふたりのギタリスト(ガットギターとジプシーギター)のみのシンプルなアレンジ。ブラジル風味もふんだんに漂う美しい響きになっている。一曲目は最近ミーナ姐さんもカヴァーしているな。
こういう声でナポリ語の響き、どうしても今は亡きピーノ・ダニエレの面影がちらつくなあ、と思ったらピーノ兄貴の「Cammina, cammina」もカヴァーしているではないか。
この2枚8曲のほか、先行したこのシングルを加えたフルアルバムが改めて4月に出るということだ。もっと曲が収録されるのかはわからないけど、楽しみである。
オザンナ一派、アルンニ・デルソーレ、ピーノ、そしてこの人と、繊細さとコテコテが同居するナポリの音は時代を越えて繋がっている。本当に魅力的だし、サイゼリヤの店内で流せばいいのに。ドリアはミラノ風だけど。