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おばさんが地下アイドルにハマった話
そもそも地下アイドルって何だっけ
諸説あるので早速引用していくが、
地下アイドルとは、メディアにはほとんど露出せず、LIVEやイベントなどを中心に活動するアイドル、またそのようなアイドルの活動形態を指す言葉である。古くは「プレアイドル」、近年は「ライブアイドル」とも呼ばれる。
大体どの媒体でも、「ライブハウスやイベントで活動しているアイドル」と定義付けられていて、ファンとの距離が近く、ライブ終了後は「特典会」と称する『「特定の物販を購入した者のみ」に与えられる「ちょっとだけお話が出来る機会」』が与えられているように思う。
接触の距離がやたらと近い。
今や応援するファン、いわゆる「オタク」の数より地下アイドルの方が数が多く、ライブ現場や更にはSNS上でも「オタク」というニッチで小さなパイを取り合う光景が随所で見受けられる。
当のオタクと言えば、年齢や性別は様々ではあるが、男性や若い女性がメイン層。同年代の女性に話しかけると、「アイドル本人のお母さん」や「アイドルの親戚」と言う事が普通にあって困る。信じられないかもしれないが。
そんな中で何者でもないただのおばさんオタクの私は、「これは浮いているな~」と感じる瞬間は多々ある。
(※ただの個人的な感想です。)
ではそんなおばさんの私がなぜ地下アイドルにハマったのか。
そもそも別界隈にハマっていた
地下アイドルにハマる前の私は色んな沼に足を突っ込んだオタクだった。
漫画、小説、映画、人形、ミニチュア、バイク、色んなものが好きなのである。
中でも特に、宝塚歌劇団を愛する観劇オタクとして私設ファンクラブに入会し、ご贔屓と呼ぶタカラジェンヌを崇め称えては観光と遠征を楽しむ期間が長かった。
しかしながら退団商法とも揶揄されるように、新陳代謝の激しい界隈であるから、もちろんご贔屓にも退団、つまり誰にでも卒業の季節が等しくやってくる。
ご贔屓の退団も、ほんの僅かと言うように、あっという間にやってきた。
やってきてしまった。
沼落ちは突然に
取り合えず、まずはこちらをご覧下さい。
う~ん、無条件でとってもかわいいな!!!!!!
古のビジュアル系を思わせる独特な画面作りと「生きる事に終止符を」という衝撃の歌い出し。ナイフとフォークを手に机を叩く姿が「ラストディナー」と言うタイトルと相まって何とも言えない雰囲気。
メイドさんの様なお衣裳もそれぞれにカスタマイズされて何てかわいいんでしょうね…。
こちらは地下アイドルの地の字も未だ理解していない当時、
YouTubeの広告で流れていた、
「ミソラドエジソン」という関西発の地下アイドルのMV。
ご贔屓の退団の報を受けて、失意の底で呆然と観ていたYouTubeに現れたMVは私の心を強く打った。
こんな素敵なMV、青春時代をV系バンドで過ごした私が落ちないはずが無い。いやいや、こんなの落ちる要素しか見当たらない。
それからと言うものの、毎日のように彼女たちの過去の映像や音源を探しては視聴しライブ配信があればレポートを描き(私は絵を描くタイプのオタクでもあった)、数か月後には実物を観たくてライブ会場まで足を運ぶようになる。
遠征民の私からすると関西拠点のライブへは
宝塚観劇のついでに通いやすかったのである。
当時、世間はまだコロナ禍でライブハウスの楽しみ方にも制限があった。
飛沫感染を避ける為に音楽や振付に合わせてじっと無言でペンライトを振るのみ。
そんな中でもミソラドエジソンのライブは輝いていたように思う。
沼は繋がっていると言うのは本当で、人は次々現れる素敵なものには抗えない。そういう訳で悲しみの穴を埋めるように地下アイドルにハマったのだ。
推しは推せる時に推せは本当
そんな彼女たちもメンバーの脱退や新体制の発足、メンバーの増員等を経て去る2024年11月27日に解散を迎えた。
退団商法に慣れている私でも、この時期は活動3~4年目のグループの解散が重なり不穏な空気を感じたものである。
楽曲がまともに聴けなくなるくらい立ち直るのに時間がかかってしまった。ご贔屓が退団した時よりもそれはそれは落ち込んだと思う。
(アマリリスは5人の新体制で一番好きなMV。)
ミソラドエジソンの楽曲はメッセージや物語性があって特に歌詞がいい。
同じ事務所の別グループが曲を歌い繋ぐケースを見ると勝手に希望を感じるので是非そうやって紡いでいって欲しいなと思っている。
地下アイドルという職業の彼女たちは、活動期間も様々だが
「推しは推せる時に推せ」と言うように本当にあっという間に、まるで夢のように消え去ってしまう。
老婆心ながら、彼女たちの今後のキャリアも輝くものでありますようにと願わずにはいられない。
おわりに
年甲斐もなくと言ってしまうと本当にそうなのだけれど、地下アイドルにハマった事は全く後悔はしていない。
何かに夢中になるのに年は関係ないと言い切りたい。
これからもライブ現場ではちょっと居づらそうな顔をしているかもしれないけれど、ライブが始まってしまえばそんなのはもう関係ない。
マイペースに推し活を楽しむおばさんでありたいと思う。
最後にもうひとつ好きなMVを。
ここまでお読み頂きありがとうございました。