ちびまるちゃんのうきゅきゅ〜を言いたい
とっとこハム太郎が好きだった!
90年代から00年代にかけて、かつて「とっとこハム太郎」は全国女児の心を鷲掴みし、一世を風靡していた。
ハムスターを主人公にするアニメは当時なかったように思うし、多数いるキャラクターから推しハムを見つけるのも楽しかった。そしてなにより全てがかわいいのだ。テーマソングもハム語も今でも覚えている。
ハム太郎シリーズのゲームも、唯一無の神アドベンチャーゲームだと今でも感じている。
27歳女が「とっとこハム太郎」を振り返っていきたいと思う。恐ろしいほど鮮明に覚えているハム太郎エピソードがある。
年中の頃、園内で流行った「ハム太郎ごっこ」の話。
ハム太郎ごっことは、ハムちゃんずになりきって遊ぼうというノリで生まれた、おままごと遊びである。(※ハムちゃんずとは、ハム太郎はじめとする10匹以上のオスメスが集うサークルである)
まずハムちゃんずの中から役をきめる。園児大勢が参加するため、志望している役がダブってしまうことが多く、ほとんど最終的にジャンケンで役が振り分けられるシステムだった。特にマフラーちゃんなどは高倍率だった。
当時からわたしはごっこ系の遊びが苦手であったため、役決めに関してはそれほど前のめりになれなかった。役決めで大盛り上がりしている集団圧力に押されたままだった。その時はボーッとしていたら、いつの間にか「ちびまるちゃん」を任されることになったのを覚えている。
ちびまるちゃん役は、悪い気はしなかった。とってもかわいらしいキャラクターなのです。黄色い頭巾を被っているミステリアスなビジュアルもいいと思っていたし、何より女の子のキャラクター役になれたので良かった。マフラーちゃん落ちの女の子は、たしかメガネくんとかやらされていたので、ちびまるちゃんはそれに比べたらアタリだろうなと。
しかし、ごっこ中は本当にキツかった。多分わかる人も多いと思うが、ちびまるちゃんは「うきゅきゅ〜」しか話してはいけない。ハム太郎役が、そこらへんの石ころを持ってきて「ひまわりの種なのだ」と言っても「うきゅきゅ〜」としか返事ができない。
上記にも述べたが、わたしはごっこ遊びが苦手であったためとにかく役に気が入らなかった。年中で物心もついているところで「うきゅきゅ〜」は苦行でしかない。
喜ぶ時は「うきゅきゅー!!!!」悲しい時は「うきゅ…」。(本当にきつかったです)
ちびまるちゃんの役が余ってしまう理由もわかった気がした。なんで役決めの時、ボーッとしてしまったのだろうと激しく悔やんだ。素早く手をあげて「トラハムちゃんがいい!」っていえば良かった。リツコー!!ああリツコ、どうにかしてくれ!と何回も心の中で河井リツコ先生の名を呼んだ。
遊び時間早く終わらないかなあと思っていた頃、リボンちゃん(だったと思う)が「大縄跳びするでちゅわ!」と遊びを提案してきた。ちびまるブルーに襲われていたわたしはうきゅきゅ〜の呪いからついに自ら身を剥がし、「やるやるー」と思いっきり返事をした。もう疲れていたのだ。恥ずかしさが限界に来ていた。てかそもそもみんな、「うきゅきゅ〜」に期待してないでしょ!誰も聞いていないでしょ!と心で唱え、大縄の方へ駆けて行った。
束の間、隣にいたマフラーちゃんから言葉使いの注意を受けてしまった。
悲しい。うきゅきゅ〜と言うのはもちろん恥ずかしかったけど、そもそもうきゅきゅ〜を言うことを恥ずかしいと思っていることがバレてしまったことがとにかく恥ずかしかった。マフラーちゃんの注意には小声で「うきゅ…」と返事をした……。大赤面。
今思うけど、ちびまるちゃんはいいよねえ。だって頭巾被ってるから赤面顔を他の人に見られなくて済むじゃん。もしかしてちびまるちゃんも「うきゅきゅ〜」って言うの恥ずかしいと思ってるのかな。だから頭巾かぶってんのかな。どうなんだい、ちびまるちゃん
27歳女、最近アウトプット能力があまりにも乏しいことが悩みである。会社で説明を求められたときに、わかりやすい説明ができないことがよくある。アウトプットができない姿は「勉強不足です」と、恥を晒しているのと同等だ。責任感もないように見える。社会人がもっとも避けるべき姿だと感じている。みっともないのだ…
努力をせねば、でもめんどくさいなー
今こそちびまるちゃんになって、全ての返しを「うきゅきゅ〜」で許してもらいたい。