オーストラリアの銃規制に思う事

オーストラリアの小学校で教育実習をする事になったと日本の両親に話すと、まず最初に心配されたのがスクールシューティングの事でした。確かに、アメリカではロブ小学校銃乱射事件が最近ニュースになったばかりですものね。

振り返れば私が大学時代をアメリカで過ごしていた頃、コロンバイン高校銃乱射事件が全米を震撼させました。このニュースはコロラド州で起きましたが、私が住んでいたニューヨークまで連日のようにテレビや新聞で報道されました。2人の学生が12人の生徒と一人の先生を射殺し、犯人となった生徒の動機までがニュースになり、今でもたまに思い出す事があります。日本に帰国してからは、バージニア工科大学銃乱射事件が起こり、こちらもスクールシューティングとしては史上最悪の死者数を出した事件として日本でも報道されたと思います。犯人はアジア系の学生で、幼いころからアメリカに馴染む事ができず社会への憎悪が動機になったという事が報道され、一時は社会的な波紋を呼んだ事件でした。私も大学時代、アジア人クラスに一人という環境だったので慣れるまでは孤立することも多く、その犯人の動機や生い立ちを読むと複雑な気持ちになります。それでも厳しくならないアメリカの銃規制。先月5月のロブ小学校銃乱射事件を聞いた時は未だにこういう事が繰り返されるのかと、むなしい気持ちになりました。

話は変わってオーストラリアは、1996年タスマニアで起きた乱射事件を機に銃規制が厳しくなったと言われています。スクールシューティングのウィキペディアを見ていても、何十件あるアメリカのニュースと比較すると、オーストラリアではモナッシュ大学の一件しか起こっておらず、こちらは日本でもあまり知られていないニュースだと思います。

とはいえ、オーストラリアでは銃を持っていない人が全くいないのかというと、そういうわけではなく。田舎の方でファームを経営している人などは害獣退治を目的として銃を所有しています。中には、動物を安楽死させるためという動機の人もいて、考え方の違いにビックリさせられたことがあります。

スクールシューティングはあまり勃発していないオーストラリアですが、銃規制の厳しい日本でさえ無差別殺傷事件が起こるものです。凶器が銃から刃物に代わっただけで銃だけ取り締まれば安全というわけでは当然ないはずですね。

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