③「ファインディング ネバーランド」ストーリーを読み解く
ご機嫌よう。
ミュージカル大好きメリアです。
「ファインディング ネバーランド」についての投稿が続きます。
人の温もりを感じるミュージカルでした。
それぞれの目線で
端的に述べると、バリが「ピーターパン」を上演するまでの実話を元にした
ストーリー。
なのに、とても奥が深い。
ミュージカルを観る時、メインのキャラクターに感情移入してストーリーに入り込むことがありますよね?
例えば「レ・ミゼラブル」では、コゼット目線、バルジャン目線、ファンテーヌ目線と、それぞれのキャラクターの目線でストーリーを追う。
奥行きのあるドラマチックなストーリーは、この感情移入する“目線”=テーマが多数設けられているように感じます。
そこで「ファインディング ネバーランド」をいくつかの目線・テーマでストーリーを見直してみました。
1、バリ目線
✳︎仕事に対する意志
スランプに陥っている劇作家のバリは、シルヴィアや彼女の息子たちと関わるうちに、自分が創り出したいものが、「ファンタジー」作品であることを思いだす。
格式高いイギリスの演劇界で「ファンタジー」作品を公演することは、かなりの冒険。
しかし、周りに好まれる作品ではなく、自分の創りたい作品を書く勇気を取り戻していく。
✳︎自分の居場所
幼少期の辛い体験から創造した「ネバーランド」をシルヴィアに打ち明ける。
初めて大人になりきれない純粋な心を受けとめてもらい、
本当の自分をさらけ出せる場所を見つける。
*「ネバーランド」「ピーター・パン」を作り出したいきさつ
こちらをどうぞ⤵️
2、シルヴィア目線
夫を亡くし、自分の命も長くはない事を悟ったシルヴィアは、どんなに夢を見ても自分は死に、周りに迷惑をかけることを恐れ悩んでいた。
しかし、自分と同じように想像力を持つバリと出会い、命ある限り、子供達に想像力を持つことの大切さを伝え続ける決意をする。
3、ピーター目線
父親が病死したとき、大人に父親の病状を隠されていたこと、
父親の死のショックが大きく、悲しみから抜け出せないことで悩んでいた。
ピーターは、早く大人になれば、もう嘘をつかれないし、悲しみからも抜け出すことができると考え、子供らしい空想をやめていた。
そんな中、母シルヴィアの深刻な病状を知り、苦しい胸の内をバリに打ち明ける。
バリは、無理に大人になる必要はなく、子供の心を失わずに生きて良いことをピーターに諭す。
4、舞台「ピーター・パン」誕生目線
フック船長。ワニの懐中時計。ティンカー・ベル。指抜きとどんぐりのキス。妖精の粉。などなど「ピーター・パン」でお馴染みのキャラクターやエピソードの由来が所々にリンクする。
まさに舞台「ピーター・パン」誕生のルーツを知ることができる。
そして、「ファインディング ネバーランド」と「ピーター・パン」この二つのストーリーがシルヴィアの死で重なる。
シルヴィアが、ウェンディの面影と重なり、ピーターに誘われて「ネバーランド」に旅立つ最後は、
亡くなった愛する人は、それぞれの心にある「ネバーランド」で生き続けていると、希望を与えてくれる。
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